自己都合退職を申し出ている従業員から, 退職予定日までの残り勤務日数 (10 日間) の全部について年休を取得したいとの申し出がありました。 会社としては, 業務の引き継ぎなどで3日間は出勤してほしいのですが, この3日間について時季変更権を行使できますか? 使用者は, 労働者から年休の取得請求があったときは, 請求 (指定) された時季に年休を付与しなければなりませんが (労基法 39 条4項本文。 林野庁白石営林署事件・最高裁第2小法廷昭 48.3.2 判決, 労働判例 171 号 16 頁), 請求された時季に年休を付与することが 「事業の正常な運営を妨げる場合」 は, 使用者は, 他の時季に年を付与することができます (同条4項ただし書き)。 一般にこれを年休の 「時季変更権」 といいますが, この権利は, 単に労働者の年休請求 (年休の時季指定) の効果発生を阻止して年休の付与を