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TeXは、コンピュータサイエンティストであるDonald E. Knuthが自著である"The Art of Computer Programming"執筆時に、当時始まったばかりだった写植システムの組版の汚さに腹を立てて、自らの本のために作り上げたコンピュータ上で動作する組版システムだ。アスキーでは、このTeXを日本語に対応させたアスキー日本語TeXと呼ばれるものを作って公開している。今でも多くのユーザーがアスキー日本語TeXを利用しているし、社内においてもEWBという独自のDTPシステムの組版エンジンとして活用している。 ということなのだが、ここで書いておきたいのはTeXの中身の話ではなく、発音(読み方)の話だ。日本人には、TeXを「テフ」と発音する人が少なからずいる。日本語のWikipediaにもまことしやかに「発音は、「テックス」ではなくギリシャ語読みの [tex](「テフ」)が正
橘玲の『「読まなくてもいい本」の読書案内』を読んだので、感想とメモをまとめておく。 この本、タイトルは『「読まなくてもいい本」の読書案内』だが、実際には「読まなくていい本」はほとんど紹介されていない。紹介されているのは、当たり前の話かもしれないが読むべき本だ。他の読書案内本と異なっているのは、”こういう本は読まなくて良い”と、ばっさり切り捨てているところ。読むべきか・読まなくてもよいかの基準は、20世紀後半に爆発的に進歩した科学研究の成果に置いている。著者は、この時期に起きた科学研究の大幅な進歩を”知のビッグバン”、”知のパラダイム転換”と呼び、これ以前に書かれた本は(とりあえず)読む必要がないと言い切る。古いパラダイムで書かれた本は捨てて、新しいパラダイムで書かれた本を読もうという話だ。ちょっと乱暴な分け方ではあるが、1980年代に大学生だった私には案外納得できるものだった。学生時代に最
『"ひとり出版社"という働き方』という本を読んだので、少しばかり感想を。 今から30年ほど昔、私が駆け出しの編集者だった頃、当時勤めていた編集プロダクションの先輩から「渡り歩いた出版社の数が一桁のうちは半人前」とよく言われた。当時は今のように転職が一般的ではなく、会社を変わるというのはよほどのことがなければ行わないのが普通だった。しかしどういうわけか編集者だけは、当たり前のようにコロコロ会社を変わっていた。若造だった私にはこれが不思議でならず、先輩編集者になぜそんなに会社を変わるのかと訪ねたことがある。その際、先輩編集者からこんな話を聞かされた。 「いいかい嘉平くん、編集者は自分が作りたい本を作るために会社に勤めているんだよ。自分が作りたい本が作れなくなったら、そんな会社に要はないんだ。だから、そうなったら自分が作りたい本が作れる会社を探して移るんだよ。そうやって、編集者は会社を渡っていく
先日TechLION vol.25に登壇して「15世紀の印刷革命から考える21世紀の出版」という大仰なタイトルで話をしてきたので、その時の動画・スライド・発表用のメモをまとめておく。 まずは、YouTubeにあがっているプレゼンの動画。私の発表は、29:30くらいから。 次がスライド。ドワンゴのサービスであるニコナレにアップしてある。 15世紀の印刷革命から考える21世紀の出版 / kahei さん - ニコナレ togetterのまとめ 最後に当日参照していた発表用のメモ。 ■前置き まず、印刷革命に関わる歴史はかなり複雑で、単純なものではない。さらに、資料が乏しく、よくわからないことも多い。文献によって意見がわかれているものもある。このため、今回お話するのは、あくまでも鈴木嘉平の視点から見た歴史の話でしかない。鈴木嘉平の主観で、枝葉を切り落とし、話を単純な
フランクフルト・ブックフェア会場 フランクフルト・ブックフェアは、毎年10月にドイツのフランクフルト・メッセで開催される世界最大のブックフェアだ。世界中の出版社が一同に集い、版権売買をはじめ、さまざまな情報交換などを行っている。 昨年は例のドタバタ騒ぎ(嘉平、編集やめるってよ)の影響で参加できなかったが、今年はドワンゴから参加できたので簡単なレポートをまとめておきたい。 二年ぶりにフランクフルト・ブックフェアに参加してなにより驚いたのが、ブックフェアの規模が縮小していたこと。アスキーに入って以来20年以上フランクフルトにかよっているが、ブックフェアの規模が縮小したのは初めてだ。正直、これには衝撃を受けた。IT関連の老舗の出版社も軒並みブースを縮小しているし、中にはブースを持つことをやめてしまった出版社まである。 最近では、出版市場の縮小が続いているのは日本だけで海外では持ち直して
「世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法」を読んだので、メモ。 米国イェール大学の元助教授である著者が、イェール大学の語学教育法を用いた英語習得法を解説するというもの。この手の本にありがちな、著者が経営する学校やら著者が作った教材に誘導しておしまいというものではなく、読者が自力で独学できるように他の文献や動画・情報サイトなどを多数紹介してくれているのがいい感じだ。 著者が述べているイェール大学式学習法の中で気になった部分を下記にメモしておく。 動画を使って状況を理解したうえで英語を学ぶ 発音記号を読めるようにし、音の違いを身につける フォニックスによるアルファベットの正しい発音を身につける 母音・子音を区別しながら単語をシャドーイングする。最後はなりきって演説をシャドーイングする。録音して確認すること スペルよりも先に発音を覚える RとLの発音の違いではなく、RとLとラ行の発音の
The Art of Computer Programming Volume 1 Fundamental Algorithms 日本語版 2004年にアスキーから出した『The Art of Computer Programming Volume 1 Fundamental Algorithms Third Edition 日本語版』をようやく再刊できた。 この本は、アジソンウェスレイジャパンとの共同出版事業の一環として刊行したもので、上製本、本体価格9,800円と、アスキーの刊行物の中でもかなり高価なものだった。アスキーから出すことが決まった後、担当編集者がリストラにあって変わってしまったり、なんだかんだと苦労させられた本だ。刊行後に社長賞をもらったのは、いい思い出かな。 しかし、会社の収益が悪化し、このシリーズは採算が合わないと言われ、増刷ができない状態が長く続くことになる。海外でもア
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