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ツクツクボウシの鳴き声のパターンが途中で変化するという現象は、世界的に⾒ても極めて珍しいが、途中で変化する鳴き声の⾏動⽣態学的意義については不明であった。 ツクツクボウシのオスに「オーシンツクツク」パートと「ツクリヨーシ」パートを単独で聞かせた時、それぞれのパートに対する応答の頻度が異なることを⾒出し、これらのパートがオスの異なる反応を誘発することを初めて明らかにした。 今後はツクツクボウシにおける⾳声コミュニケーションの実態解明に向け、鳴き声に対するメスの応答や交尾の成功率なども調べていく必要がある。 セミはオスのみが鳴き声を発する動物であり、その鳴き声をオス同⼠の競争やメスに対するアピールに⽤いていると考えられています。この中でもツクツクボウシというセミは、その鳴き声のパターンが「オーシンツクツク」から「ツクリヨーシ」へと途中で変化するという、極めて珍しい特性を持っています。⼀⽅で、鳴
トップページ ニュース 研究成果 自閉症スペクトラム(ASD)は「コネクトパチー」である! ―ASDの早期診断バイオマーカーの開発、早期の治療介入への期待― 九州大学大学院医学研究院の山﨑貴男学術研究員と飛松省三教授らの研究グループは、自閉症スペクトラム(ASD)の非定型的な視覚認知が、脳内ネットワークの神経結合の病気である機能的結合異常(コネクトパチー)に由来することを突き止めました。 ASDでは視覚情報に対して知覚過敏や知覚鈍麻がみられ、それらの知覚異常がASDの社会性障害の基礎である可能性が指摘されています。2000年代になっても、その脳内メカニズムはほとんど分かっていませんでした。我々は誘発脳波(ある刺激に対する脳の特異的反応を捉える検査)や拡散テンソルMRI(神経線維の走行を捉える検査)を用いて、ASDの視覚認知に関する研究をここ10年継続的に行ってきました(Brain Rese
クチキゴキブリは日本では九州以南の森林に生息し、朽木を食べながら朽木内部に掘ったトンネルの中に親子で棲むゴキブリです。九州大学大学院システム生命科学府 一貫制博士課程4年 大崎遥花と、九州大学大学院理学研究院 粕谷英一 准教授は、沖縄に生息するリュウキュウクチキゴキブリにおいて、配偶するオスとメスが交尾の際に互いの翅をほぼ無くなるまで食い合ってしまう「翅の食い合い行動」を発見しました。 翅の食い合いは、4〜7月の繁殖期に翅のある新成虫が朽木の外に出て、配偶相手を探す時期に行われます。朽木の外に出た新成虫は飛翔して配偶相手を探し、オスとメスが出会うとお互いに翅を食べ合います。翅は再生しないため、以後、オスとメスは一生飛べなくなります。 翅の食い合いは「性的共食い」または「婚姻贈呈」と捉えることができます。性的共食いとは、カマキリのメスがオスを食べてしまうなど、配偶相手を食べて殺してしまう行
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生物標本の維持管理には多大なコストが必要で、かつ標本の劣化は免れない 世界に先駆けてデジタル化された生物標本の3Dモデルを1400点以上オンライン公開 メタバースやバーチャルリアリティへの応用・利用が期待される 生物標本は生物を研究する上で重要な役割を担っており、博物館等で保管されています。しかしその管理は煩雑で、くわえて標本の劣化や退色は免れられません。また、多くの重要標本は厳重に管理されますが、それが故にアクセスが困難で、結局あまり利用されないといったジレンマも抱えています。 本研究ではフォトグラメトリ(被写体を様々な角度から複数撮影することで3Dモデルを構築する手法)により、生鮮時のカラフルな状態での生物標本を3Dモデル化し、オンラインで公開しました。(公開ページはこちら) 九州大学持続可能な社会のための決断科学センターの鹿野雄一特任准教授は世界に先駆けて、独自かつシンプルなフォトグ
九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授は、大阪大学レーザー科学研究所、パデュー大学、光産業創成大学院大学、広島大学、明石高専と協力して、プラズマロケット磁気ノズルのレーザー生成プラズマ噴出方向の制御に成功しました。 有人火星探査が現実味を帯びる中、従来までの化学ロケットでは火星までの往復に長時間を要し、宇宙船乗務員・乗客には、心理的な負担に加えて宇宙線被曝、骨密度減少など大きな負荷をかけます。そのため化学ロケットに代わる高速の宇宙船・ロケットが求められています。将来の惑星間・恒星間航行の有力候補とされるレーザー核融合ロケットでは、高速で膨張する核融合プラズマを、強力な磁場で制御し排出します。 今回、大阪大学レーザー科学研究所のEUVデータベースレーザー(出力エネルギー:6J)を固体に照射することで高速に膨張するプラズマを生成し、複数の電磁石を組み合わせた磁気ノズルで排出
洞窟にはさまざまな生物が生活しています。日本でも、ヨコエビ、ヤスデ、クモなどのほか、昆虫ではメクラチビゴミムシの仲間がよく知られています。アリ類に関しては、世界各地の洞窟から数種の記録がありましたが、多くはその後、洞窟以外からも採集され、洞窟性ではないことがわかっています。唯一、2003年にラオスで発見されたハシリハリアリ属の一種が、確実な洞窟性種と考えられています。 今回、南西諸島の沖縄島の洞窟から、日本からは初めてで、確実性の高い記録として世界で2例目となる洞窟性のアリが発見され、沖縄県在住で発見者の名嘉猛留氏と九州大学総合研究博物館の丸山宗利准教授により、新種として発表されます。新種はアシナガアリ属の一種で、ガマアシナガアリ(和名新称)Aphaenogaster gamagumayaaと名付けられました。学名は沖縄方言で「洞窟に引きこもる者」の意味です。洞窟に生活する生物の傾向として
11国立大学法人による九州・沖縄オープンユニバーシティ(KOOU)と台湾大学群12大学(UAAT)が国際連携について覚書を締結 2024.04.23
理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター核反応研究部の上坂友洋部長、多種粒子測定装置開発チームの大津秀暁チームリーダー、中国科学院近代物理研究所のペンジー・リー研究員、パリ・サクレー大学イレーヌ・ジョリオ・キュリー研究所のディディエ・ボーメル上級研究員、香港大学のジェニー・リー教授、京都大学理学部の銭廣十三准教授、金田佳子准教授、九州大学大学院理学研究院の緒方一介教授らの国際共同研究グループは、理研の重イオン[1]加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)[2]」の多種粒子測定装置「SAMURAIスペクトロメータ[3]」を用いて、不安定なベリリウム−10(10Be、原子番号4)原子核の基底状態[4]では、アルファ粒子二つと中性子二つが窒素分子のように結合していることを発見しました。 本研究成果は、元素合成過程の理解に大きな影響を与える、原子核内でのアルファ粒子生成機構解明に貢献す
2018年7月25日付けで健康増進法の一部を改正する法律が公布され、望まない受動喫煙の防止を図るため、学校・病院・児童福祉施設等及び行政機関などは2019年夏頃には敷地内禁煙となっております。 本学においても、敷地内全面禁煙に係るロードマップ及び敷地内全面禁煙に関する指針に基づき、2019年8月末に喫煙場所を全廃し、2019年9月1日から敷地内全面禁煙を実施しています。 本学は、当該改正法の趣旨を踏まえ、学生、教職員及び学内外関係者の受動喫煙防止に取り組むとともに、喫煙者への禁煙に関する支援も併せて行っていくこととしていますので、ご協力をお願いします。 また、喫煙者におかれましては、敷地内全面禁煙の実施についてご理解いただくとともに、本学各地区周辺の店舗やバス停等においても、受動喫煙防止に配慮いただくよう併せてお願いします。 九州大学敷地内全面禁煙 ロードマップ 九州大学における敷地内全面
7月8日(水)、「九州大学の主要建造物25カ所を7月10日10時に爆破する」等の内容がインターネットの掲示板に書き込まれていることが判明いたしました。 現在、警察の協力のもと、学内における警備の強化を行っておりますが、学生や教職員及び本学関係者・地域の皆様の安全を第一に考え、7月10日(金)について、以下のとおり大学内への立ち入りを制限します。 ○伊都・馬出・大橋・筑紫・箱崎 (全てのキャンパス(ただし、病院を除く。)) ・教職員:7月10日(金)12:00まで立入禁止、それ以降は在宅勤務等により極力キャンパス内に立ち入らないよう留意 (本件対応その他やむを得ない事情がある者を除く。) ・学生、学外者:7月10日(金)終日立入禁止
九州大学基幹教育院(早稲田大学理工学術院・日本学術振興会特別研究員SPD)の佐々木恭志郎学術研究者、アドミッションセンターの井隼経子准教授、基幹教育院の山田祐樹准教授のグループは、ロボットや人形の見た目が生み出す不気味さの認知的メカニズムを明らかにしました。 ロボットや人形の見た目について「不気味の谷」と呼ばれる現象があります。ロボットや人形の見た目は、人間に似ていくにつれてだんだんと好ましく思われます。しかし類似度があるレベルに達した途端、強い不気味さが喚起されるようになります。これまで、人間なのか人形なのかを分類できないこと自体が不気味さを生み出すと考えられてきましたが、分類できないことがなぜ不気味さを引き起こすのかについては手がかりが乏しい状況でした。 本研究では、分類困難な対象の不気味さに、人が抱く「未知への不安」が寄与していることを実証しました。実験では、参加者に13種類の人間と
令和4年12月7日 九 州 大 学 博士学位授与の取消について 九州大学が平成27年5月31日付けで授与した博士(比較社会文化)の学位授与の取消しについて、下記のとおり公表します。 記 1.対象者等 氏名:李 慧(り けい) (元九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程 学生) 学位授与年月日:平成27年5月31日 学位名:博士(比較社会文化) 2.学位論文題目 日本語・中国語における仮定表現の対照研究 -日本語の「たら」「なら」とそれに対応する中国語の形式を中心にして- 3.学位授与の取消し日 令和4年12月7日 4.不正の事実により学位の授与を受けた事実の概要 別紙のとおり 5.学位授与の取消し及び学位記の返還 博士の学位取得のために提出された論文について不正行為があったことから、九州大学学位規則第27条第1項「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したとき」に該当す
チャレンジ&クリエイション(C&C)2024が始動 学生のアイデアや研究を助成し計画実現を支援! 2024.05.13
Events イベント トップページ イベント イベント 開催日2024.06.29 (土) HBOC交流会(HBOC当事者会・講演会) 講演会等 申込受付中 病院キャンパス 公開日:2024.05.15 開催日2024.06.28 (金) 医療者向けセミナー「知っておきたいHBOCと遺伝看護」 講演会等 申込受付中 病院キャンパス 公開日:2024.05.15 開催日2024.05.15 (水) 第140回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)Brown Bag Seminar Series「持続可能な食料生産のための新しい道: マイクロバイオーム農業と塩生植物の可能性」 講演会等 申込受付中 キャンパス外 公開日:2024.05.15 開催日2024.06.15 (土) 「第12回九州大学芸術工学部施設公開~デザインのふしぎ体験~」を開催 その他 申込受付中 大橋キャンパス 公開
常温・常圧の温和な反応条件下で、可視光をエネルギー源とした、窒素ガスからアンモニアを合成する世界初の反応の開発に成功した。 イリジウム光酸化還元触媒とモリブデン触媒を組み合わせて用いて、窒素ガスと水素供与体を可視光照射下で反応させることでアンモニア合成反応が進行することを発見した。 本研究成果は、再生可能エネルギーである可視光エネルギーをエネルギーキャリアとして期待されるアンモニアに貯蔵することが可能であることを示した極めて興味深いものである。 アンモニア(注1)は、取り扱いの容易さ、高いエネルギー密度、燃焼しても二酸化炭素を排出しないことから最近ゼロエミッション燃料およびエネルギーキャリアとして有望視されている。しかしながら、現状のアンモニア合成法では、窒素ガスと水素ガスとを高温高圧の極めて厳しい条件下、鉄系触媒を利用して反応させることでアンモニアを合成している(図1a、ハーバー・ボッシ
九州大学広報室 〒819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp PRESS RELEASE(2014/06/04) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp ■背 景 水素(H2)と酸素(O2)から電気エネルギーを作り出す水素–酸素燃料電池は、廃棄物として水(H2O) しか排出しないことから、クリーンな次世代発電デバイスとして期待されています。しかし、電極触媒には 高価かつ枯渇性の白金が使用されており、その代替触媒の開発が待たれています。自然界では、水素酵素(ヒ ドロゲナーゼ)が常温常圧の温和な条件で水素から電子を取り出しており、その能力は白金をはるかに超え ることが知られています。そのため、燃料電池の電極触媒としてもヒドロゲナーゼの利用が期待され
本日、本学の学生が、窃盗罪の容疑で逮捕されました。 このような事件が発生したことは大変遺憾であり、関係者の皆さまに多大なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。 現在、事実確認を進めておりますが、詳細を把握のうえ、厳正に対処してまいります。また、このようなことが再度起こらないよう、学生に対する倫理教育を一層徹底してまいります。 平成30年4月25日 九州大学総長 久保 千春 伊都図書館における図書盗難・廃棄事件に関し、本学の学生が逮捕されたことに非常に衝撃を受けております。当該学生の行った行為は、勉学を志す者としてあってはならないものです。この事態を大変重く受け止め、図書館におきましても、図書館活用の重要性を学生に認識させるとともに、対策を強化してまいります。 九州大学附属図書館長 宮本 一夫
九州大学広報室 〒819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp PRESS RELEASE(2015/10/07) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp ■背 景 ヒト免疫不全ウイルス I 型(HIV-1)は、 免疫細胞(主に CD4 陽性 T 細胞)に感染 する事で免疫系を破壊し、後天性免疫不 全症候群(エイズ)を引き起こします。 現在、抗 HIV-1 薬として 20 種以上の薬 剤が市場化されており、これらの多剤併 用 療 法 (combinational anti-retroviral therapy; cART)が標準となっています。 cART によって、HIV-1 感染症はもはや “死の病”ではなくなり、感染者は適切 な治療を受ければ
九州大学広報室 〒819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp PRESS RELEASE(2015/03/12) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp ■背 景 がんによる死亡者数は全世界で年間 820 万人(2012 年)、2030 年には 1300 万人に増加すると言われ ています(WHO)。また医療費や早期死亡、障害における経済的影響は 100 兆円にも上ると報告されて います(OECD2013)。我が国ではがんの影響はより深刻であり、1981 年から死因第 1 位で、2 人に 1 人ががんを経験し、3 人に 1 人ががんにより死亡しています。がんの医療費は年間 3.6 兆円(2011 年) にも上り、がんによる経済的損失、社会的損失は
九州大学大学院医学研究院医化学分野の梅山大地学術研究員(現:理化学研究所)と伊藤隆司教授は、細胞内におけるタンパク質-DNA相互作用の全体像を捉える新しい方法を開発しました。 私たちの身体を形成している様々な細胞は、基本的に同一のゲノムDNAを持っていますが、ゲノム中の遺伝子を取捨選択して使うことによって、それぞれの個性を発揮したり環境変化に適応したりしています。この取捨選択を行うのがDNAに結合する転写因子やヒストン等のタンパク質です。したがって、ゲノムの働き方を包括的に理解するには、ゲノムDNA上のタンパク質結合部位を網羅的に明らかにする必要があります。そのために、細胞から単離した核にDNA切断酵素を働かせる方法が用いられています。しかし、これらの方法は、操作が煩雑な上に、核を単離する過程でDNAとタンパク質の相互作用が失われる危険性も有しています。 これに対して、梅山博士と伊藤教授は
九州大学 ユニバーシティ・アイデンティティ デザインマニュアル このマニュアルは、 年度に整備された九州大学のビジュアル・アイデンティティ 部構成にしたがって、基本的な 活用のためのガイドラインをまとめたものです。次の しくみ、運用の考え方やルールを解説しています。 基本要素 基本要素の展開 アプリケーション マニュアルは、今後、運用の過程で必要となった項目を順次補足していく予定です。 そこで、最新版を常に下記よりダウンロードできるようにします。 また、 についてのお問い合わせは、九州大学広報室まで。 基本要素 シンボル 松を図案化した九州大学のシンボルの歴史は チの図案公募が行われ、 人の学生から 学科 年にさかのぼります。同年、 学生バッ 点の応募がありました。図案審査にあたっ 年 月 日から使用 ては、学校側、学生側同数の委員からなる審査会を開いて検討し、当時農学部農業
Events イベント トップページ イベント イベント 開催日2024.01.10 (水) 第126回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)Brown Bag Seminar Series「21世紀の北極圏:気候変動、大規模資源開発、先住民族文化の狭間で」 講演会等 申込受付中 キャンパス外 公開日:2023.12.20 開催日2024.01.26 (金) 第19回有機光エレクトロニクス産業化研究会「半導体と有機エレクトロニクスで盛り上がる九州」 講演会等 申込受付中 伊都キャンパスキャンパス外 公開日:2023.12.18 開催日2024.01.13 (土) 「教育の未来」国際フォーラム :変革的教育を実現するチャレンジ −アジアの視点から− International Forum on the Futures of Education : Challenges to Rea
本来の生息地から外れた場所で見つかり、在来の個体群に影響を与える可能性もある「迷チョウ」のルーツを解明することは、生態学や島嶼生物学において大きな意義を持ちます。 本研究では、宮古島で発見された迷チョウのルーツを初めて遺伝情報と形態情報に基づき科学的かつ客観的に示しました。 種数が多く同定も難しい昆虫では、既存の遺伝情報を有効活用するために分類学的知見からの‘校正’が必要であり、この新たな役割とともに分類学の重要性は再び高まってきています。 台風や季節風などの影響によって本来の生息地とは異なる場所で発見されるチョウは「迷チョウ」と呼ばれ、日本列島ではこれまでに100種以上の迷チョウが記録されています。迷チョウは侵入先に定着したり在来種と交雑したりすることで生態系に影響を与える可能性があるため、そのルーツ(原産地)を明らかにすることは重要です。 今回、九州大学大学院比較社会文化研究院/農学研
節足動物に感染して増殖する細菌は、自身の繁殖のため様々な方法で宿主の生殖を操作することが知られています。細菌に感染した雌が雄と交尾した時、雄が感染しているかどうかにかかわらず、雌の卵は発育します。しかし、非感染雌が感染雄と交尾した時、その雌の卵は孵化しません。この現象は細胞質不和合性(CI)と呼ばれています。 九州大学大学院農学研究院の高野俊一郎助教らの研究グループはココヤシ新葉を加害する侵入害虫として知られる、節足動物キムネクロナガハムシから、完全なCIを引き起こす新たな細菌(以下、細菌L)を発見しました。キムネクロナガハムシには遺伝子の異なる2つの系統(Di系統とLp系統)が存在します。Di系統雌とLp系統雄は交尾しますが、産まれた卵は全くふ化しません。しかし、今回の研究で、抗生物質処理によりLp雄体内に共生する細菌Lを除去すると、卵は高い率でふ化するようになることが分かりました。(参
九州大学広報室 〒819-0395 福岡市西区元岡 744 TEL:092-802-2130 FAX:092-802-2139 MAIL:koho@jimu.kyushu-u.ac.jp PRESS RELEASE(2015/09/09) URL:http://www.kyushu-u.ac.jp ■背 景 これまでに心臓形態形成に関わる遺伝子やその機能については解明されてきましたが、ヒトの先天性 心疾患は必ずしも遺伝子突然変異だけで説明できるものではなく、環境因子が深く関与しています。し かしながら、環境因子が心臓形成を撹乱する仕組みはほとんど明らかになっていません。ヒトの疫学研 究から、環境因子の 1 つである妊娠前糖尿病が胎児・新生児に内臓錯位を伴う先天性心疾患の発症リス クを増大させることが知られていました。臓器の左右非対称性は、胚発生初期に形成される左右軸によ り確立されます。
九州大学生体防御医学研究所の福井宣規主幹教授、大学院医学研究院の古江増隆教授、大学院4年生の山村和彦らの研究グループは、アトピー性皮膚炎における痒み惹起物質であるIL-31の産生に、EPAS1というタンパク質が重要な役割を演じることを世界に先駆けて発見し、その作用機序を解明しました。 アトピー性皮膚炎は国民の7~15%が罹患している国民病であり、「痒み」に伴い生活の質が著しく損なわれることから、その対策は急務となっています。IL-31は、アトピー性皮膚炎発症に重要な痒み物質で、主にヘルパーT細胞から産生されますが、その産生制御機構は不明でした。研究グループは、DOCK8という分子を欠損した患者さんが重篤なアトピー性皮膚炎を発症することに着目し、このタンパク質の機能を解析しました。その結果、DOCK8が発現できないように遺伝子操作したマウスでは、IL-31の産生が著しく亢進し、重篤な皮膚炎を
九州大学大学院人間環境学研究院の橋彌和秀准教授らの研究グループは、生後9カ月から1歳半の赤ちゃんを対象として、映像を見ている際の視線を計測する視線計測装置(Tobii TX300)を用いて、画面に現れた2人のうち一方だけが対象に視線を向け、他方がそのことに「気づいていない」場面を見せると、「気づいていない」人物にすばやく視線を向ける傾向が、生後1歳半時点で見られるようになることを明らかにしました。 本研究では、「画面の2人が前もって注意を共有している場面」ではこのような視線のパターンは見られないなど他条件との比較と統計的な分析から、上記の結果は、これまで既に明らかになっていた「自分と相手の知識や注意の状態の違い」だけでなく、「他者同士の知識の違い」まで認識して行動していることを示すものと結論づけました。本成果により、ヒトにおける能力の発達的起源を理解する上で新たな視点を与えるとともに、子育
九州大学大学院芸術工学研究院の平松千尋助教、カルガリー大学人類考古学部Amanda Melin助教、ニューヨーク大学人類学部James Higham助教らの共同研究グループは、霊長類の3色型色覚が、顔色変化の検出に有効であることを初めて実験的に証明しました。 ヒトを含む多くの霊長類は、L、M、Sの3つの錐体視細胞により光の波長弁別を行う3色型色覚で世界を見ています。3色型色覚は、赤い果実や若葉を緑の葉の背景から見つけることに適しているため、祖先型である2色型色覚から進化したと考えられています。しかし、果実を見つけること以外でも3色型色覚が有効な場面が考えられ、霊長類の行動や生態学的意義と照らし合わせ、幅広く調べていく必要があります。3色型色覚が有効な場面の候補として、顔色変化などの社会的シグナルの検出が挙げられていました。 共同研究グループは、霊長類の3色型色覚が、顔色変化の検出に適してい
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