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1. 大都市への極化と個々の都市の盛衰 前編のモデルによる、日本の都市の盛衰を予測した結果について話します。まず、国全体を見渡したときに、各地の都市がどのように成長、あるいは衰退していくのかを俯瞰ふかんします。 都市数の変化 図1は、1970年〜2020年の都市数の実現値に加えて、全国の人口について3つのシナリオの下で、2025年〜2200年までの都市数の予測値を描いています。楽観的な高位推計の下では、都市は多く残り、低位推計の下では、より少数の都市が残る予測になっています。100年後の都市の数は、2020年時点の431に対して、中位推計の下で約2/3の269、低位推計の下で約半分の224まで減少する見込みです。 1970年〜2020年の都市数の減少の中には、大都市の平坦化によって、周辺小都市が飲み込まれることで都市の数が減る場合を含んでいます。1 この場合は、小都市のあった場所から人口が
森 知也 京都大学経済研究所 教授 経済産業研究所ファカルティ・フェロー 日本はいま、高齢化を伴う人口減少が最も進んでいる国です。2020年時点で1億2,700万人であった総人口は、いまの調子で子供が減っていくと、100年後には3,000万人から5,000万人程度まで減少すると考えられています。3,000万人とは江戸期の人口規模で、現在の東京都市圏より小さいサイズ、5,000万人とは、およそ東京と大阪都市圏を合わせたサイズです。多くの都市や地域から人が去り、地方の景色はずいぶん変わるでしょう。わたしたちが住む地域は一体どうなってゆくのでしょうか。このページでは、経済理論とデータを駆使して、将来の日本の地域の姿がどのようなものなのか予測し、この未曾有みぞうの人口減少を、どのようにしてチャンスに変えられるのか考察します。2023年12月より月1回のペースで連載しています。 このコラムは、高校生
1. はじめに 100年後の未来に、成長を続ける都市が東京と福岡だけだと聞いたら、みなさんはどう思いますか。そんな先の未来を予測することなどできないと思いますか。あるいは、そんな極端なことなど起こるはずがないと思いますか。経済の様々な現象の中にはその未来が予測できるものとできないものがあります。例えば、バブルの生成と崩壊という現象は、地震と似て、たとえメカニズムを理論化できても、実際ににいつ起こるかを言い当てることは容易ではありません。しかし、都市の盛衰は、大筋で予測が可能な、めずらしい経済現象のひとつです。 都市化の傾向は日本に限らず世界的に共通で、人口の増減にかかわらず、途上国でも先進国でも同様です。現在の日本は、人口の8割が総面積のたった6%を占める都市に住んでいる、世界の中でも特に都市化が進む国のひとつですが、それでもなお、都市の居住者は今後も増えていくと考えられています。このこと
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