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コーヒー沼
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<自分が「主演」するドキュメンタリー映画の上映に通い続けて、大きな発見があった。2015年の新宿区議選で私が立候補したときに投票してくれた人、東京で在日外国人と関わり合って暮らす人......。そんな人たちの生の声を聞く機会を得られたのだ。そして私は14年間続けてきたこのコラムをいったん休載する> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 3年前の私の選挙戦を取材したケイヒ監督のドキュメンタリー映画『選挙に出たい』の上映が、東京中野区のポレポレ東中野で続いている。東京の公開は12月21日まで、1月からは横浜、名古屋、京都、大阪の各都市で上映が始まる。東中野ではほぼ毎日、上映が終わった後にスクリーンの前に立って観客のみなさんに挨拶している。大変好評で、映画を見た後、必ずホンモノの主演男優と交流できるという新しいスタイルの映画興行を確立した、と自負している(笑)。 もちろん、1人でも多くの人にこの
サウジアラビアによる記者惨殺事件に対して世界各地で抗議の声が挙がった(ワシントン) Leah Millis-REUTERS <サウジアラビアで起きた記者惨殺事件と、中国・海南航空会長の不審死には共通点がある。そしてこの2つの独裁国家にインパクトを与えうる男がいる> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 世界を騒がせているサウジアラビアの記者惨殺事件と、フランスで起きた海南航空会長の不審死はまったく関係のない2つの別の事件と考えられているが、実は知られざる「接点」がある。 サウジのジャマル・カショギ記者は10月、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館で絞殺され、その後遺体をバラバラにされたが、彼の殺害に関わった15人のサウジ人の1人である空軍の軍人が事件後、サウジの首都リヤドで「不審な交通事故」を遂げた。「口封じされた可能性がある」と、トルコの当局者は語っている。 海南航空グループの王健会長
<前回の「炎上した」コラムは、まだ終わっていなかった。私を中国の工作員と決めつけて批判する人たちがいるが、批判はいずれも、先入観や差別意識、意図的な誤解に基づくものだ> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 先日のコラム「6歳の中国人の日本への難民申請を手伝ったら、炎上した」はたくさんの人に読んでもらった。亡命先のアメリカで、反中国政府のユーチューブ番組を司会している路徳の子供と義母の日本での難民申請を手伝ったらネットで炎上した、という話だったが、この話には続きがある。ネットでの炎上がまだ続いているのだ。 おそらく日本に住んでいる私と同じ元・中国人で現・日本人とみられる匿名のネットユーザーたちが、私の微博やツイッターの中国語の書き込みを日本語に訳して批判し続けている。その内容にあおられた日本人ネットユーザーが、私を中国の工作員だと決めつけて怒っている。 これからその批判に一つ一つ反論する。
<日本は政治亡命をほとんど認めないのが通説だが、このたび中国で迫害されている知人の子供と義母の難民申請を手伝った。無事に受理されたのだが、その過程で中国人の暗部も見えてしまった> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 日本に移住して30年、初めてのアルバイトから初めてのレストラン経営、初めての国籍取得、初めての選挙などさまざまな「初体験」を経てきたが、先日思ってもみない「初体験」があった。ある日のこと、私が電話を取ると、向こうはいきなりこう切り出してきた。 「李さん、ネットで炎上されてますよね? よろしければ、我々のほうで対策いたしますが。当方は**社と申しまして、風評被害対策で豊富な経験を持っております......」 ――といった内容だ。 私、李小牧は言論人として活動するなかで、いわゆるネット炎上を何度も体験してきたが、対策会社から売り込みがあったのは初めてだ。ネット炎上を見つけてはめざ
<7月にフランスで「事故死」した中国大手航空会社・海南航空の王健会長。ナゾを解くカギは米国亡命中の「中華文春砲」こと郭文貴のリークにあるが、この問題、まだこれで終わらない> 今、おそらくはあの馬雲(ジャック・マー)も含む、中国の大企業家たちが不安にさいなまれているのをご存じだろうか。そして、大企業家でない私・李小牧も。 発端となったのは、今年7月3日に中国の大手航空会社「海南航空」を傘下に持つ海航集団(HNAグループ)の王健会長(57)が、フランス出張中に死亡したことだ。南仏プロバンス地方の教会で、写真を撮るために高さ15メートルもの壁によじ登ろうとして転落したという。 つまり事故死ということになるが、この公式発表を信じる人など一人もいないだろう。少しでも事情を知っている人ならば、100人中100人が暗殺されたと信じている。 海南航空のバックにいるのは習近平の右腕 まず、簡単に経緯を説明し
<あの天安門事件から29年。なぜこの間、中国の民主化運動は何一つ成し遂げられなかったのか。なぜ今、米在住の大富豪「改革者」郭文貴を共産党は恐れるのか> 間もなく、29年目の「6月4日」がやって来る。1989年6月4日、天安門事件――。私は当時、来日して1年3カ月が過ぎた頃で、新宿歌舞伎町で案内人をしていた。 本コラムを読んでくださっている方ならお分かりだと思うが、あれから私は大きく変わった。著作活動を行い、レストランをオープンし、日本国籍を取り、選挙に立候補した。一方、北京の天安門広場に砕け散った中国の民主化運動はどうか。 皆さんは郭文貴(クオ・ウエンコイ)についてご存じだろうか。 昨年9月のコラム「えっ? 中国共産党が北ミサイルより恐れる『郭文貴』を知らない?」で取り上げたが、米国で実質亡命状態にある中国人大富豪にして、中国共産党高官の不祥事を暴露し続けている人物だ。 習近平の右腕にして
<会社でたいした仕事はなく、定年しても、孫の世話か太極拳をするだけ。そんな生活では、保守的で怠惰で頑固な老人になるのも納得だ> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 やや自慢話になってしまうが、お付き合いいただきたい。まもなく還暦を迎える私だが、今も若い頃とさほど変わらない体形をキープしている。「毎晩飲み歩いている李さんが、なぜいい体のままなの?」とよく羨ましがられるほどだ。 私自身にも理由は分からなかったのだが、今回アンチエイジングの秘密が見つかったので、それをお伝えしよう。 4月、故郷の湖南省長沙市に帰省した。目的は同窓会への出席だ。私は中学1年生のとき、長沙市中学生歌舞団というダンスサークルに所属していた。サークルと言っても趣味の類ではない。市内の中学校から選抜されたエリート学生ダンサーを集めた団体で、各種公式行事に呼び出されては踊りを披露するのが仕事である。いわばセミプロのようなも
<「奴隷制度」とまで批判される日本の外国人技能実習制度。右も左も外国人移民の受け入れに反対するが、世界の潮流に逆行している> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 最近、外国人技能実習生に関するトラブルが噴出している。つい先日も十分な説明のないまま、福島県で除染作業をさせられたベトナム人実習生の存在が報じられた。 少子高齢化に苦しむ日本は移民社会へと転換しつつある。実際、日本で生活していても外国人を見ない日はないのではないか。地域により多少の差があるとはいえ、コンビニや居酒屋などのアルバイトは多くが外国人だし、子供を連れて公園に行くと外国人の親子をよく目にする。 日本で生まれ育った外国人も多い。今年、東京都新宿区の成人式では45.8%が外国人だったという。私も成人式帰りの外国人新成年を目にしたが、日本人と同じく嬉しそうに振り袖を着て歩く女性の姿が印象的だった。 なぜか日本では移民受け入れの
左は中華レストランの回転テーブル(Tarzan9280-iStock)、右は花笙記の現代風にアレンジされた漢服(https://huashengji.tmall.com/より) <「海外の文化を真摯に学び、発展させる力」は長らく日本の伝統だったが、実は今、そのお株を中国が奪っている> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 皆さんは中華レストランというとどんなイメージをお持ちだろうか。やはり印象的なのは回転テーブル? 大皿料理を簡単にシェアできる素晴らしい発明だ。 この回転テーブルは中国のレストランでも一般的だ。私はてっきり中国人の発明だと思い込んでいたのだが、実は日本で発明されたものだった。 東京にある老舗結婚式場の目黒雅叙園が誕生の地だという。創業者の細川力蔵が1932年に発案した。それが日本中に広がり、中国にも逆輸入され、今では世界中で使われているというわけだ。 ラーメンも進化させた日
<寮の浴室から発見された不審な物体。若い中国人女性技能実習生たちは、会社からも仲介機関からも日本社会からも助けを得られず、困り果てていた> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。今回は私が激怒したある出来事についてお伝えしたい。 2月8日、SNSに不思議なメッセージが届いた。 「小牧先生、こんにちは。日本にいる女の子のためにお知恵を拝借できませんか。彼女たちは浴室で監視カメラを見つけたのですが、警察も会社も助けてくれずに困っています」 ある中国人ネットユーザーから発信されたものだ。後で聞いた話も含めて整理すると、次のような次第だという。 岐阜県大垣市のある会社で働く6人の中国人女性技能実習生たち。7日夜、寮の浴室の脱衣場で不審な物体に気が付いたという。USB ACアダプターの形をしているが、よく見ると小さな穴が空いている。 これを見た1人の女性実習生はぴんと来た。これは監視カメラに違いない、
<中国のドキュメンタリー映画は日本よりレベルが高いぐらいだが、東京フィルメックスで上映された『シャーマンの夜』の于広義(ユー・グァンイー)監督は私にこんな本音をもらした> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 第18回東京フィルメックスで『シャーマンの村』(原題は『跳大神』)という中国映画を見た。これが素晴らしい映画だった。中国にはいまだにシャーマンが存在する。農村では病気になっても病院に行かず、シャーマンに頼んで祈祷してもらう人がまだまだいるのだ。映画は2007年から5年にわたりシャーマンの村を撮り続けたという力作だ。 上映後、来日した于広義(ユー・グァンイー)監督と酒を酌み交わしつつ話を聞いた。于監督は1961年生まれ。2004年から映画監督となり、今回の『シャーマンの村』が第4作だ。 ソウル国際映画祭の最優秀監督賞を2007年、2008年と2年連続で受賞。その他にも世界各国の映画祭で
<中国・湖南省で開かれた「夜遊び」産業のイベントは自治体が主催。4000人ものホストを抱え、中国全土でホストクラブをチェーン展開する経営者もいる。中国「性産業」の夜明けが近付いている> 新年快楽! 明けましておめでとうございます。新宿案内人の李小牧です。 2017年12月上旬、私の故郷である湖南省長沙市で「第2回夜会盛典(第2回ナイト・インダストリー・グランドセレモニー)」が2日間にわたり開催された。中国全土、そして香港、台湾、マカオ、韓国、日本から、娯楽産業などナイトエコノミー(ナイトタイムエコノミー)関連の識者、著名人が集結する大型イベントだ。新年早々になんだが、今年最初のコラムではその話をしたい。 この「夜会盛典」に私、李小牧は、僭越ながら日本代表として出席した。初日のトリという重要なポジションを任され、新宿・歌舞伎町の現状と日本のナイトエコノミーの強みについて語ってきた。1988年
新しく設置された天然ガス管の下に石炭が積み上げられている(河北省の村、12月5日) Thomas Peter-REUTERS <日本は遅いが、中国は早い。中国北部の冬の名物といえば「PM2.5」だったが、先日訪れた北京には青空が広がっていた。暖房を石炭から天然ガスへという政府の政策が早くも成果につながったようだったが......> 最近、月に1度は中国を訪問している私だが、冬の中国北部はどうも気が進まない。日本でもすっかり定着した言葉だが、「PM2.5」が辛いからだ。 中国では長江以北には「暖気」と呼ばれる集団暖房システムが導入されている。一種のセントラルヒーティングで、街区ごとにボイラーがあり、個々の住宅にお湯を流すことによって暖房にするというシステムだ。 そのボイラーは石炭を燃料としている。日本のような最新式の火力発電所ならば石炭を燃やしても大気汚染は少ないが、街の津々浦々にある旧式ボ
<ひょんなことから中国の片田舎で歯の治療を受けることになったが、韓国、ドイツ、アメリカで学んだという「海亀派」院長が経営する歯科医院は、最新鋭の機器を備え、驚くほどハイレベルだった> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 皆さんは「メディカルツーリズム」(医療観光、医療ツーリズム)という言葉をご存じだろうか。海外に出向いて治療を受けることを意味する。 近年、日本政府もメディカルツーリズムの拡大を目指している。主なターゲットは中国の富裕層だ。がん治療などで日本の先進的な治療に期待を寄せる中国人富裕層は確かに多い。私にまで「メディカルツーリズムの会社を作ろう」などと中国人企業家からお誘いがかかってくるほどの注目分野である。 一般的なメディカルツーリズムでは(日中の関係においては)中国人が日本で治療を受けるのだが、私は今回、ひょんなことから「逆メディカルツーリズム」を体験することになった。そう、
中国の音声番組配信サイトで配信される私の有料番組は、新宿歌舞伎町のわが湖南菜館で録音している Newsweek Japan <私は日本と中国を行き来し、中国メディアから相次ぐ出演オファーに応え続けている。中国にも「日本専門家」を名乗る人はごまんといるが、空理空論が多いからだ> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 私は今、日本と中国を行き来する忙しい生活を送っている。何度かこのコラムでも取り上げてきたが、2015年4月に新宿区議選に出てからというもの、中国メディアの出演オファーが後を絶たない。 元・中国人、しかも「歌舞伎町出身」の私が日本の選挙に出馬したことに興味を持たれたのがきっかけだが、日本の最新の情報を伝える私の話が好評を得て次々と仕事が広がっているのだ。 中国にも「日本専門家」を名乗る人はごまんといるのだが、日本に住んだり、ジャーナリストとして情報収集をしたりしているわけではない。
<昨年11月、東京都中野区で中国人の大学院生が友人の身代わりになって刺殺された。日本ではあまり報じられていないが、中国では連日トップニュース。母子家庭の1人娘を失った母親は容疑者の死刑を求めている> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。いま中国で一番注目を集めている事件をご存じだろうか。それは日本で起きた殺人事件だ。 連日トップニュース、200万の署名を集める「江歌事件」とは何か 2016年11月3日未明、東京都中野区で中国人の大学院生、江歌さんが刺殺された。容疑者は中国人留学生の陳世峰。江さんのルームメイトの元交際相手で、事件の2カ月前に別れた後、追跡したり脅迫したりとの嫌がらせを続けていた。事件当日、江さんとルームメイトの女性2人は一緒に部屋に戻った。ルームメイトが先に部屋に入ったところで陳が現れた。そして、江さんと言い争いになり、凶行に及んだのだった。 この1年余りというもの、「江歌
<山形国際ドキュメンタリー映画祭で、私の2年半前の選挙戦を追った映画『選挙に出たい』(監督:邢菲)が上映された。観客に好評を博したのは、一般の日本人が知らない選挙選の細部を描いた作品だったからだ> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 私の選挙戦を追ったドキュメンタリー映画『選挙に出たい』が日本で初公開された。 民主党(当時)の推薦を得て、私は2015年4月に行われた新宿区議選に立候補した。国籍取得後わずか2カ月でのドタバタの選挙戦だったが、元・中国人の私からすると生まれて初めての民主選挙体験に興奮する毎日だった。その一部始終を収めた映画が『選挙に出たい』だ。監督は日本在住のドキュメンタリー・ディレクター、邢菲(ケイヒ)さんである。 選挙から2年半が経ち、10月に行われた山形国際ドキュメンタリー映画祭の日本プログラムにノミネートされたことで、私の映画は初めて日本での上映が実現した。「元・中
「日中友好親善 東北応援バスツアー」で訪れた宮城県気仙沼市で説明を受ける一行。背後に建設中の巨大防潮堤がそびえ立つ Photo: Shuichi Urakawa <東日本大震災の被災地視察に行ってきた。復興は成し得ていないのに、住民の8割が反対する巨大防潮堤の工事は進む。一体どんな意味があるというのか> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。今回は宮城県気仙沼市など東日本大震災の被災地を視察した体験についてお伝えしたい。 2013年から、被災地の現状を知る「日中友好親善 東北応援バスツアー」が開催されている。今回、私はスペシャルゲストとして招かれた。私は毎年、東日本大震災被災地を訪問しているが、このバスツアーに参加するのは2013年以来4年ぶりとなる。 被災地を見て、改めて深刻な現状を痛感した。2011年3月11日のあの震災からすでに6年半以上の歳月が過ぎているというのに、いまだに復興は終わ
<民進党の党員であり、さらには小池塾に以前「排除」された1人として、総選挙の投票を前にひとこと言いたい> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 最近、私は忙しい日々を送っている。日本の総選挙が始まったためだ。もっとも、私が出馬したわけではない。 私は2015年4月の新宿区議選に民主党(当時)の推薦を得て立候補したのだが、選挙の前年、私を民主党に誘ってくれたのが海江田万里さんだった。海江田さんは今回、東京1区に出馬している。私を政治の道に導いてくれた恩師を助けるべく、ビラ配りなど雑事を担う一兵卒のボランティアとして働いている。 それにしても不思議な選挙だ。私が海江田さんを支援しているのはあくまで個人的関係である。というのも私は民進党員、そして海江田さんは立憲民主党の公認候補だからだ(民進党の党籍も残ってはいるはずだが)。 皆さんもご存じの通り、われらが前原誠司党代表の自爆的決断によって、民進
<2カ月前に「検閲」の最新事情をお伝えしたが、ついに、私が13年間出演してきた中国の人気テレビ番組「鏘鏘3人行」の無期限休止が発表されてしまった......。中国メディアは一体どうなってしまうのか> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。2カ月前に「中国No.1トーク番組もやられた! 習近平『検閲』最新事情」というコラムを書いたが、今回はその〝残念な続報"をお届けしたい。9月12日、私を育ててくれた中国の人気テレビ番組「鏘鏘3人行」が、無期限休止することが発表されたのだ。 「鏘鏘3人行」は香港のフェニックステレビで放送されている中国ナンバーワンのトーク番組だ。衛星テレビやネット配信を通じて中国本土でも視聴できる。名物司会者の竇文涛と2人のゲストが繰り広げる丁々発止のやりとりが人気で、1998年の放送開始から約20年間続いてきた名物長寿番組だ。 1999年には著名歌手にして習近平総書記の妻であ
<事実確認に慎重になるあまり「郭文貴現象」を取り上げない日本メディアの態度は理解できない。中国から米国に逃れ、中国高官の汚職やセックススキャンダルを暴露し続けるこの大富豪は、今や中国内外で注目の的だ> 新宿案内人の李小牧です。 郭文貴(クオ・ウエンコイ)という人物をご存じだろうか。中国を逃れて米国で「亡命」状態にある大富豪にして、中国高官の汚職やセックススキャンダルに関する告発、暴露を続けている人物だ。今年4月には彼が出演した米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の生放送のネット番組が突然打ち切られ、中国政府の圧力ではないかと世界的な話題となった。 その一方で、彼のリークには少なからぬ虚偽が含まれていることも事実だ。日本メディアが報道を控えているのも、裏付けが取れないと尻込みしているからだ。 事実を確認するのはジャーナリズムの根幹だけに、日本メディアの態度は理解できなくもない
<私が経営するレストラン「湖南菜館」がオープン10周年を迎えた。思い返せば、ただの中華レストランでなく、日中関係や中国の変化を映し出す鏡だった> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。私事ながらご報告させていただきたい。この夏、私が経営するレストラン「湖南菜館」がオープン10周年を迎えた。 老舗というにはまだほど遠いが、新宿の歌舞伎町一番街という激戦区で店を続けるのは容易なことではない。皆さんのご支援もあって、この街で看板を出し続けられていることに誇りを感じている。 この10年、いろいろなことがあった。店で繰り広げられた数々の人間ドラマはさておいても(笑)、この自分の"城"では日中のメディアから多くの取材を受けた。東日本大震災の日には、家に帰れず行き場を失った多くの人を招き入れ、朝まで過ごしてもらった(もちろん、自慢の湖南料理を食べてもらいながらだ)。 著書の出版記念パーティーを開いた時は、
<日本では政治家やエリートサラリーマンがガラケーを使っていても不思議ではないが、中国は違う。なぜ中国ではこれほど変化が早く、人々が新しい事物をどんどん受け入れているのだろうか> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 私は常に建設的な批評をするよう心がけている。日本に対しても中国に対しても、耳の痛いことを言い続ける頑固親父というポジションを守ろうと思っている。なかには両方に甘いことを言う二枚舌の輩もいるが、それではジャーナリズムは成り立たない。 というわけで、ついつい中国についても厳しい意見を書くことが多いのだが、もちろん中国にも認めるべきところは多々ある。 「批判精神は大事ですが、日本人が中国から見習うべきこともあるのではないでしょうか? 日本人は今の中国から何を学べるでしょうか?」編集者からこのようなお題をいただいたので、今回は中国の凄さ、学ぶべき点について紹介したい。 私は毎月のように
<人気の3サービスに下った「ネット動画を全面改正せよ」との通達。出演した番組が放送されなかったり消されたりといった実体験を交え、検閲事情をお伝えしよう> 今回は、中国ではお馴染みの「検閲」の話。習近平政権になって検閲が厳しくなったと言われるが、習政権もまもなく5年。最近の検閲事情はどうなっているのか、気になっている人も多いだろう。私の実体験を交えてお伝えしたい。 私は最近、中国での活動が増えている。以前にもこのコラムで紹介したが、中国人の多くが「日本で選挙に出馬した元中国人」に興味津々なのだ。私も民主主義の素晴らしさを伝えたいと願っているので、テレビやネットの番組出演の要請にはできるだけ応えるようにしているが、その前に立ちはだかるのが検閲である。 6月22日、中国政府のメディア統括部門である国家新聞出版広電総局が突然、新浪微博、AcFun、鳳凰網の3サービスに対して、ネット動画業務を全面改
<時代は微博(ウェイボー、中国版ツイッター)から微信(ウィ―チャット、中国版LINE)へ。いまマーケティング業界で大注目の「微信オフィシャルアカウント」を開設してみた> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。 私は2012年に蔡成平氏との共著『中国を変えた最強メディア 微博(ウェイボー)の衝撃』(CCCメディアハウス)を出版した。微博とは「中国版ツイッター」として紹介されることも多い新浪社のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だ。 拙著では新たなマーケティングツールとして強大な力を持ち、人民の「本音」を映し出すことで社会を揺るがす可能性を秘めたウェブサービスだとして紹介した。 我ながら時宜を得た素晴らしい本を書いたと自負しているが、中国とIT業界はとかく変化が早い。両者が合わさった中国IT業界となると、5年も経つと凄まじい地殻変動が起きている。そこで今回は「ポスト微博の衝撃」をお
<原発事故後の状況について中国の読者に真実を伝えるため、福島県を取材した。発表媒体に選んだのは、若者に熱い支持を受ける月間1億PVのウェブメディア、VICE中国だ> 在日中国人にせよ、中国で働く日本人にせよ、「日中の架け橋になりたい」と口にする人はごまんといるが、実践している人はどれだけいるだろうか。私、李小牧は日中相互理解の重要性を常々説いてきたつもりだし、日本はより積極的な対中情報発信が必要だと訴えてきた。今回は私がその言葉をどのように実践しているか、ご紹介したい。 4月17日、私は朝一番の東北新幹線に飛び乗って福島県へと向かった。目的はただ一つ、原発事故後の福島県の状況について、中国の読者に真実を伝えるためだ。 本欄のコラム「中国TVの『日本の汚染食品が流入!』告発は無視できない重大事」、「日本が危ない!? 福島原発の放射能フェイクニュースが拡散中」で伝えてきたように、中国では原発事
<アハルテケやモウコノウマという貴重な品種の馬が100頭以上。他にも植物の化石である珪化木などが展示された"知られざる観光地"が、新疆ウイグル自治区のウルムチにある。造り上げたのは、悲しい目をした豪快な企業家だった> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。私が率いる日本メディア関係者の「新長安・新シルクロード・新夢路視察団」は3月22日から29日にかけて、中国西部を訪問した。前回のコラム(中国の旅行会社が「新シルクロード」に日本メディアを招待した理由)では西安を中心にレポートしたが、今回は新疆ウイグル自治区で出会った逸材企業家について紹介したい。 皆さんは「汗血馬」をご存知だろうか。『三国志』の関羽の愛馬、赤兎馬のモデルになったと言われる中央アジアの名馬だ。2000年以上も昔、前漢の時代には、この馬を手に入れるために武帝が西域に遠征軍を送ったほどだという。 伝説の汗血馬の子孫と考えられている
<「放射能汚染」を理由に輸入禁止にしている福島県など10都県の食品が中国で大量に販売されていると、CCTVの人気特番『315晩会』が槍玉に挙げた。影響の大きい政治的な番組だけに、積極的な対応が必要だ> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。今回は残念な話をお伝えしなければならない。中国の『315晩会』で日本の食品が槍玉に挙げられたのだ。 中国中央電視台(CCTV)は毎年3月15日の「世界消費者権利デー」に『315晩会』という特別番組を放送している。消費者に被害を与える悪徳企業を次々と名指しで批判するという内容で、中国で非常に人気がある番組だ。 【参考記事】アップルも撃沈させた中国一恐ろしいテレビ特番、今年の被害者は? 今年は(つまり昨日だが)、ネット百科事典の互動百科や国際的スポーツブランドのナイキなどが槍玉に挙がったが、そのひとつとしてなんと、日本産食品が標的になった。番組の内容を簡単に紹
<中国のネットで今、「日本AV風俗をオーダーメイド」というツアー旅行のパンフレットが出回っている。「東京に行けばAV女優に会えるかも」というスケベ心につけこんだ詐欺を野放しにしていいのか> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。中国のネットで今、次のようなパンフレットが出回っていることをご存じだろうか。 パンフレットのタイトルは「日本AV風俗 深度定制」(日本AV風俗をオーダーメイド)。7泊8日の日本ツアー旅行の案内となっている。富士山や箱根、浅草、お台場といった定番観光地も回るが、メインとなるのは日本の風俗体験だ。 到着初日の夜の女体盛り宴会から始まり、ストリップ、デリヘル、ソープランド、AV撮影現場見学、温泉旅館でのコンパニオンとの一夜、韓国式歓楽街訪問、おっぱいパブなどが盛り込まれている。希望があればAVへの出演(記念としてDVDがもらえるという触れ込みだ)、コスプレ、JKリフレなどの
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