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The Fourth Turning: What the Cycles of History Tell Us About America's Next Rendezvous with Destiny by William Strauss & Neil Howe 直訳すると題名は「第四の節目:歴史のサイクルから知るアメリカの運命」 と言った感じでしょうか? この本はいまから20年ほど前の1997年に出た本です。 ざっくりいえば「アメリカの歴史を振り返ったもの」 ということになるのかもしれませんが、その方向性としては未来予測、 歴史の「波」について振り返ったものです。 まずはじめに、この本について翻訳者として思ったポイントを 簡潔に3つほど上げておきたいと思います。 まず一つ目が、自分と他の世代の違いに気づくことができて、 良い意味での諦めがつく、ということです。 ハウとストラウスのこの本は、
Home リアリストとは?/「リアリストたちの反乱(5)」 「リアリストたちの反乱」(その五) ▼クリストルの「捨て台詞」 前稿で書き忘れたことがある。クリストルがイラク攻撃・賛成論を述べたときの、最後の一言である。 クリストルはご存知のとおり、「イラクの(核兵器による)脅威がある世界で生きるのはまっぴらごめんだ!」という主張して議論をまとめたのであるが、その議論を締める最後の最後で、けっこう意味深な発言をしているのだ。 彼が実際になんと言ったのか。これを原語でそのまま抜き出してみると、かなりスゴイことをいっていたことがわかる。 "I think we can act to remove Saddam, I think we should and I think we will." 「我々はフセイン追い出しを実行できると思います。やるべきだと思いますし、やるでしょう」 この最後の「やるでし
Home リアリストとは?/「リアリストたちの反乱(2)」 「リアリストたちの反乱」(その二) ▼ リアリズム―――「パワーによる国際政治論」 すでに述べたように、ブッシュの外交政策に異議を唱え、保守派の内部闘争に第三勢力として殴りこみをかけたのは「リアリスト」(Realists)と呼ばれる学者たちである。 彼らが一体どういう意図からブッシュ政権の「ネオコン」たちの外交政策を攻撃しはじめたのかというと、彼らの信奉する「リアリズム」(Realism)という理論から考えると、ブッシュ=ネオコン連合のイラク侵攻は、とんでもない大マチガイの戦略だったからである。 ではこの「リアリズム」とは何なのか。 「リアリズム」といえば、美術などのでは「写実主義」のような意味になるのだが、国際政治を理論的に分析しようとする「国際関係論」という学問では、ズバリ、「国際関係を、主に『権力(パワー)』という要素にしぼ
Home リアリストとは?/「リアリストたちの反乱(8)」 「リアリストたちの反乱」(その八) ▼楽観するネオコンたち いよいよこの討論会のクライマックスがはじまった。ミアシャイマー及びゲルプ会長の発言のあとの討論は、主に戦後のイラク統治、そしてアメリカ本土をテロから守ることについて、ブッシュ政権は確固としたアイディアを持っているのか、そしてアルカイダ&イラクという二つの敵に対して同時に戦えるのか、などの話題を中心に話がすすんだ。 これらについては、政権に近いネオコンのクリストルが「ブッシュ政権はしっかりとしたプランがある、大丈夫だ」といい、相方のブートが「第二次大戦の時だって、ヒトラーとトージョー(東條英機首相)に対して二正面作戦で戦って勝利しましたよ」と発言して自信をのぞかせる展開になった。かなりの楽観論である。 ところがそんな楽観論を見て黙っていられないのがミアシャイマーである。彼は
~欧米人のように日本人が自分を売り込むメソッド~ 私達日本人は往々にして、例えば、歴史認識などの問題になると、 「後生の歴史家に判断をゆだねる」ですとか、 「学者の共同の研究会を立ち上げる」という話になったりします。 が、まったく、無駄です。調査など二の次なのです。 そもそも、「歴史の真実」という単語は日本人の考えるそれと同じではありません。 歴史は政治の「道具」として使う概念なのです。 「真実」を語りあって解決する気がないという厄介な相手です。 お人好しとも言える我々日本人は、 この認識が決定的に欠けていたので、 これまでずっと負けて続けてきました。 「南京大虐殺」、「百人斬り」、「いわゆる"従軍慰安婦"問題」 全部ウソでした。結局、真実を追究して主張してもダメなのです。 本当はそんなことはないのに、 あたかも"それがあったかの如く"世界は動いています。 このような問題は、歴史家、学者に
日本で「リアリスト」というと、あえて大雑把にいえば、 いわゆる「現実派」というイメージになります。 汚い仕事からも目をそらさず実行するという「実務派」という意味でとらえられがちです。 これはアメリカでも同じであり、政治信条などを度外視して、生臭い権力闘争や、 利権の力学で政治をおこなう実務派たちを「リアリスト」と呼ぶことがあります。 例えば、チェイニー元副大統領などがその代表的な人物であり、 血の通わない冷酷な人物である、とみられがちです。 しかし、ここで解説したい「リアリスト」というのは、 そういった政府の「実務派」といった意味合いではなく、 「国際関係論」(International Relations)という学問の中の 「リアリズム」という理論を信じる学者たちのことになります。 ▼「リアリズム」とは何なのか。 「リアリズム」といえば、美術などの分野では 「写実主義」のような意味になり
復活する地政学! シェール革命をご存じですか? 今まで困難であったシェール層からの石油や天然ガスの採掘が可能になりました。 これは世界の既存の秩序を大きく変える大事件です。 古い堆積地層のある、ほとんどの大陸には シェールガス資源が存在するのですが、 アメリカなどにしか、掘削、生産技術がありません。 これによって、アメリカは 世界最大の産油国になったのです。 これで石油と天然ガスの輸入大国から 輸出大国に変わるのです。 アメリカの貿易収支は黒字に転換することでしょう。 また、安い資源があるわけですから、 世界中に散った工場を戻して、 メーカーとしての拠点としても復活し雇用も生まれます。 税収が上がるわけですから、 財政も好転することが可能となりました。 もともと、先進国で唯一人口が増加している点、 世界一の経済大国である点、 世界一の軍事大国である上に、 このテクノロジーで資源大国になり、
●「戦略」を「階層」で考えることがなぜ大事なのか? ●「国家」ついて「戦略の階層」で考えてみた。 ●「戦略」に関する「前提」と「世界観」について ●「戦略」とはウソ。フィクションである。 ~戦略を語れない人生は奴隷だ~ そもそも戦略とは何か? なぜ日本人はこの発想が苦手なのか? それを解決する方法はあるのか? -*-*-*- これから、改めて「戦略」というものについての 根本的な話をあえて考えてみようと思います。 少し長くなりますがお付き合い下さい。 --- * --- *--- 国際問題について解決法を示している本はいくらでもありますし、 個人や組織向けの「成功本」や「ビジネス本」もたくさんあります。 ですが、ちっとも状況は解決していません。 その問題の本質的な原因はどこにあるのか? 一言でいえば、一般的な日本人は「戦略」というものを 勘違いしているような気がしてなりません。 だからこそ
米中20年戦争に備えよ!part.9 必要だったのは、難敵中国を倒すための、 現代版の「X論文」だったのです。それがでました。 ハル・ブランズとマイケル・ベックリー。 若き二人の気鋭の学者によって書かれた 「Danger Zone」です。 奥山博士はこの本を訳しつつ、 彼らに質問したり、意見交換をする中、 さまざまな実態がわかってきました。 『累積・順次戦略』~戦争と人生:2つの必勝アプローチ 「順次戦略」と「累積戦略」ってご存知ですか? 一般的には、聞き慣れない言葉です。 元米国海軍少将の戦略思想家、J・Cワイリーの書いた、 「戦略論の原点」(奥山真司訳)の中で 表した画期的な2つの戦略アプローチです。 戦略を語れない人生は奴隷だ 戦略を語れない人生は奴隷である。技術を制するのは高度な技術ではない。 アップル社は高度な日本製に部品を組み上げ、莫大な利益をあげている。 戦術戦略の組み合わせ
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