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ブックレビュー
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ワクチンは、生体が持つ免疫力を特定の標的に向けて誘導する素晴らしい医薬品である。ウイルスや細菌やカビなどの外来異生物 (抗原) が体内に侵入してくる時、我々の身体は、その表面タンパク質の特徴的なアミノ酸配列に対して結合する抗体を作り、継続した侵入を許さない。この原理を利用して、これまでにいろんなタイプのワクチンがつくられてきた。それらは、いろいろ工夫と経験を凝らして、多種にわたる。筆者にとって印象的なワクチンは「丸ごと」の抗原を使うポリオワクチンである。米国ソーク博士が開発したソークワクチンはホルマリンで不活化したウイルス懸濁液を筋肉注射する。そのあとで、セービン博士らが開発したのは「丸ごとウイルス」であって、生きているウイルスを経口投与して、腸内でゆるやかにウイルスを増殖させるようになっていた。砂糖で甘みがつけられていて、セービンワクチンは子供たちには受け入れられやすいワクチンであった。
今年、国際RNA SocietyのLifetime Achievement in Science AwardはMelissa J. Mooreに送られることになった(https://www.rnasociety.org/2021-rna-society-lifetime-achievement-in-science-award)。スプライソソームの分子メカニズムや構造の解析、Exon Junction Complex (EJC)の発見、RNA輸送や品質管理の研究など、RNAの基礎研究分野における彼女の多大な貢献は誰しもが知ることであるが、最近、Melissa Mooreの名前をことさら有名にしたのは、Pfizer社と並んでCOVID-19のmRNAワクチンを製造するModerna社のChief Scientific Officer (CSO) としての役割ではないだろうか。 UMASS M
mRNAワクチン:新型コロナウイルス感染を抑える切り札となるか? 投稿者 飯笹 久(島根大学学術研究院医学・看護学系) 最近、ニュースなどで新型コロナウイルスのワクチンとして、mRNAワクチンという言葉をよく目にする。このワクチンについて、最近何人かの医療関係者から質問をいただいた。RNA 学会でも多くの方が、このワクチンに興味と不安を持っていると思う。そこでワクチンの解説について鈴木さんと甲斐田さんに連絡をとったところ、了承を得ることができた。今回の話は偶然にも古市先生のエッセイと一部重複しているが、それぞれ異なる視点からのものであるので、2つの話を読んで総合的にmRNAワクチンを理解していただければと思う。 まずこのワクチンの新しい点を説明し、またmRNAワクチンを出しているBioNTech (ファイザー) 社とModerna社の製品の違い、最後に考えられる問題点ついても解説したい。
3月に新型コロナウイルスに関するエッセイ第25話を配信した折、「感染を避けながら、経済と医療体制をキープし、重症化患者数を少なく抑えながら,ワクチンができるのを待つしかない」と書いた。それから9か月、ようやく、そのワクチンができたようである。ワクチンにはいろんなタイプのものがあるが、この項で紹介するのは、これまでになかったタイプのワクチンで、メッセンジャーRNAワクチン (mRNAワクチン) という。私もそうだが、RNA研究者の読者には、力強く、響くワクチンではなかろうか。厚労省では、米国のFDAが最近承認したファイザー社とモデルナ社の「mRNAワクチン」数千万人分の購入を予約したとのことであるので、明春からは投与を受けることができるようであり、大いに期待している。老生はこのほど、ついに80歳の大台に達したので、医療現場の医師・看護士の皆さんに続き、高齢者の優先的待遇で、投与してもらえそう
前回この原稿を書かせていただいたのは2021年であり、2年半ほどが経ってしまった。この間に、コロナが猛威をふるっていたが、この原稿を書くきっかけとなったmRNAワクチンのおかげもあってか何とか終息しつつあるように思える(実際はまだまだ広まっているのかもしれないが)。しかしそれよりも何よりも、その間に二人の偉大な先達を失ってしまった。キャップ構造発見者のお一人である古市泰宏先生と、私の指導教員でもある志村令郎先生である。怠けていたわけではないが、日々の教育・研究にかまけているうちに、お二人に読んでいただく機会がなくなってしまった。残念極まりない。もっとも、志村先生に読んでいただいた場合、「そんなことも考えてなかったのか!」とお叱りを受けそうである。編集幹事も甲斐田さんから小宮さんに代わられたが、小宮さんにも執筆をご快諾いただいた。もともと私の経験談(失敗談)を若い方達に聞いてもらうという趣旨
「なんていうか、こう」--- 高須賀由枝(漫画家)小池正夫(編集長)堀弘幸(研究者)鼎談 投稿者 冨川 千恵(愛媛大学理工学研究科) 少女漫画雑誌「Cookie」(集英社)で「グッドモーニング・キス」を連載されている漫画家・高須賀由枝先生が、2013年5月から愛媛大学に密着取材されています。2013年に松山で開催されたRNA学会も取材して頂きました。なんと、「RNA 2016 Kyoto」のポスターは、高須賀先生にデザインして頂きます。人気漫画家の先生と、RNAの研究。異色の組み合わせはどのように実現したのでしょうか。漫画の世界ではRNAの研究はどのように見られているのでしょうか。RNA学会に最も近い漫画家、高須賀由枝先生と、小池正夫「Cookie」編集長、堀弘幸先生(愛媛大学)の対談をお届けします。 2014年11月26日発売「Cookie」 は、高須賀先生が表紙、巻頭カラーを飾っていま
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