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Webアプリケーションを実装していると高確率で CORS の問題にぶつかります。CORSがどのようなものかはリンクしたMDNなど既存の解説を読むのが手っ取り早いと思いますが、「なぜそのように設計されたのか」という観点での説明はあまり見ないため、昔の資料の記述や現在の仕様からの推測をもとに整理してみました。 CORSとは 現代のWebはドメイン名をもとにした オリジン (Origin) という概念 (RFC 6454) をもとに権限管理とアクセス制御を行っています。その基本となるのが以下のルールです。 Same-origin policy (同一生成元ポリシー): 同じオリジンに由来するリソースだけを制御できる。 上記Wikipedia記事によるとSOPの概念は1995年のNetscape 2.02に導入されたのが最初のようです。当時のドキュメンテーションを読む限り、これはウインドウ越しに別
とりあえず、よく言われてるやつから埋めていこうと思う。 構造体にライフタイムを持たせない 構造体にライフタイムを持たせるのは「基本的に」避けよ、というのが重要なのは間違いないのだけど、これをもう少し実践的な内容にしたい。ちょっと考えてみたけど、こういうのはどうだろうか。 ある関数呼び出しの中でしか絶対に使わない。returnするまでにその構造体のデータは全て破棄される。static変数に退避させることもできない。アロケーションもその関数が面倒を見る。そういう一蓮托生できる関数呼び出しに心当たりはあるか? ある→ 構造体にライフタイムを持たせてもよい。 ない→ ライフタイム禁止。 そう考えてみると、DIとかReduxとかとも通じるところがあるかもしれない。「つべこべ言ってないで全部の責務を一番外側に持っていく」という決断ができるときは構造体ライフタイムが選択肢に入る。
対象読者と目的 非同期処理の実装方法は知っているが、仕組みを詳しく知らないのでベストプラクティスがわからないときがある 実行順序の保証がよくわからないので自信をもってデプロイできない変更がある より詳しい仕組みを理解することでより計画的な実装をできるようになりたい という動機で書かれた記事です。同様の課題を抱える人を対象読者として想定しています。 目次 実行モデルとタスクキュー Promise async/await AbortSignal, Event, Async Context WHATWG Streams / Node.js Streams (執筆中) 未定 入門記事へのリンク プロミスの使用 - JavaScript | MDN Promise, async/await (現代の JavaScript チュートリアル) JSの初心者にPromiseとasync/awaitの使い方
「公式ドキュメントを読め」というのが急に話題になっていたので自分なりに整理してみました。 注意: そんなに真面目に推敲していません。フィーリングで書いているので実態に即してない部分もあるかも…… 公式ドキュメントとは何か あなたが使おうとしている道具 (ライブラリ、フレームワーク、プログラミング言語、ミドルウェア、コマンドラインツール、etc.)[1] は必ず誰かによって作られています。ある程度成熟した道具であれば通常、その作った人・組織自身によって公開されているドキュメントがあるはずです。これが公式ドキュメントです。 公式ドキュメントは、OSSにおいてはソースコードと双璧をなす最も信頼できる資料のひとつです。ソースコードが非公開の場合は通常、公式ドキュメントが最も信頼できる資料でしょう。 (以降はOSSを主に想定して説明します) たとえば…… Python のソースコードはGitHub上
対象読者と目的 非同期処理の実装方法は知っているが、仕組みを詳しく知らないのでベストプラクティスがわからないときがある 実行順序の保証がよくわからないので自信をもってデプロイできない変更がある より詳しい仕組みを理解することでより計画的な実装をできるようになりたい という動機で書かれた記事です。同様の課題を抱える人を対象読者として想定しています。 目次 実行モデルとタスクキュー Promise async/await AbortSignal, Event, Async Context WHATWG Streams / Node.js Streams (執筆中) 未定 用語に関する注意 前回定義した以下の用語を今回も使います。 1 tick ... タスクキューが1周すること。 1 microtick ... マイクロタスクキューが1周すること。 これらの単位は非同期処理の間の相対的な優先順
TLSの有無 言うまでもないことですが、httpsでは通信路をTLSを使って保護することが想定されています。[1][2] デフォルポート httpは80、httpsは443です。[3][4] 権威性 以降の説明に入る前に前提を確認します。本稿は「httpとhttpsの違い」と題されていますが、これはURLのスキーム部分のことを指しています。URLはリソースの所在を指すものであり、通信方法はそこから二次的に決まるものです。このことを前提に置きつつ権威性について説明します。 Webにおいて、所望のリソースにアクセスする方法はひとつではありません。このような方法のうち、リソースの所有者の制御下にある(第三者による加工などが行われていないと期待される)方法で取得することを権威的アクセスと呼びます。[5] どのようなアクセス方法が権威的とみなせるかについて100%客観的で統一的な指標があるわけではな
おことわり 個々の関数や変数に正しい型をつける話はしません。TypeScript HandbookのDeclarationの章などを読むことをおすすめします。 かわりに、本稿では関数や変数の型宣言をどこにどう置くべきかの指針を与えます。 モジュールとスクリプト declareを正しく使うにはまずモジュールとスクリプトの区別を理解し、意識することが大切です。 ブラウザやNode.jsは外部からの指定でモジュールとスクリプトを区別しますが、TypeScriptでは原則としてファイルの内容でモジュールとスクリプトを区別します。 import 宣言または export 宣言が1つ以上あればモジュール。 CommonJSモジュールの場合はTypeScript専用構文である import = 宣言、 export = 宣言を使う。 それ以外の場合はスクリプト。 ただし、JavaScriptファイル (
対象読者と目的 非同期処理の実装方法は知っているが、仕組みを詳しく知らないのでベストプラクティスがわからないときがある 実行順序の保証がよくわからないので自信をもってデプロイできない変更がある より詳しい仕組みを理解することでより計画的な実装をできるようになりたい という動機で書かれた記事です。同様の課題を抱える人を対象読者として想定しています。 目次 実行モデルとタスクキュー Promise async/await AbortSignal, Event, Async Context WHATWG Streams / Node.js Streams (執筆中) 未定 用語に関する注意 前々回定義した以下の用語を今回も使います。 1 tick ... タスクキューが1周すること。 1 microtick ... マイクロタスクキューが1周すること。 これらの単位は非同期処理の間の相対的な優先
このツイートの解説をします。 TypeScriptにはanyは4種類、undefinedは3種類、nullは2種類、trueは2種類、falseは2種類、neverは5種類あるのか。普通に使ってる分にはわからないが…… TypeScriptでは表面上は同じ名前でも内部的に異なる型が割り振られている場合がいくつかあります。そのようなもののうち、プリミティブな型についてまとめました。 対象TypeScriptバージョンは4.1.3です。 2021-01-09 update: 数え方を見直しました。 any が4種類から6種類に増えました。 注意 ここに書かれていることを知らなくても、TypeScriptプログラミングにおいて全く困りません。あくまでコンパイラの機微を楽しむつもりでお読みください。 前提知識 any, undefined, null, true, false, never 型につ
ただし、種別は以下の通りです。 prefix (前置演算子) …… もとの式の手前に何個でもつけられる演算子。 例: -~-~x postfix (後置演算子) …… もとの式の直後に何個でもつけられる演算子。 例: x.foo()`bar`[0] postfix once …… もとの式の直後に1個だけつけられる演算子。 例: x++ は可能だが x++-- はパースされない。 逆に ++--x はパースされるが、構文とは別のルールで禁止される。 (後述) infixL …… 中置演算子で左結合 (演算子の優先度が同じ場合は左側にあるほうが優先される) 例: 0.1 + 1.0 - 1.0 は (0.1 + 1.0) - 1.0 になる infixR …… 中置演算子で左結合 (演算子の優先度が同じ場合は右側にあるほうが優先される) 例: 2 ** 2 ** 3 は 2 ** (2 **
データをシリアライズするには、独自のフォーマットを定めるよりも、基本的な定義済みの構造を組み合わせてフォーマットを作るほうが望ましい場合が多いです。 そのような仕組みとしてJSON, S式, XMLなどが存在しますが、これらは 「基本的な構造」として何を選ぶか、という観点からそれぞれに個性を持っています。 本記事では、具体的な構文のことは基本的に忘れて、各フォーマットが採用するデータモデルの違いに焦点を絞って比較します。 JSON data JSON = Value data Value = -- Compounds Array [Value] | Object (Map String Value) -- Scalars | Null | Boolean Boolean | String String -- UCS-2 | Number IntegerOrFloat -- no NaNs
対象読者と目的 非同期処理の実装方法は知っているが、仕組みを詳しく知らないのでベストプラクティスがわからないときがある 実行順序の保証がよくわからないので自信をもってデプロイできない変更がある より詳しい仕組みを理解することでより計画的な実装をできるようになりたい という動機で書かれた記事です。同様の課題を抱える人を対象読者として想定しています。 目次 実行モデルとタスクキュー Promise async/await AbortSignal, Event, Async Context WHATWG Streams / Node.js Streams (執筆中) 未定 中止処理 並行処理ではしばしば実行中の処理を中止したい場合があります。 古典的なキャンセル処理 Webブラウザ/Node.jsともに、 setTimeout の中止が可能です。 const timeout = setTimeo
JavaScriptの仕様には「参照レコード」という概念があります。参照を意識することで、JavaScriptにおけるメソッド呼び出しの理解と左辺式の評価順序の理解を同時に深めることができます。本稿ではこの「参照レコード」の動機と詳細の説明を試みます。 ※ 本記事ではECMAScriptの規格で「参照レコード」と呼ばれている概念を説明します。JavaScriptのオブジェクトは参照渡しのような使い方ができますが、これは本稿で説明する「参照」とは少しだけ異なります。 参照レコードの目的 JavaScriptにおける参照レコードは以下の2つの目的で存在しています。 左辺式の中間評価結果を表現するため。 メソッドのレシーバーを決定するため。 左辺式の中間評価結果とは たとえば a[f()] += 2; というコードを考えます。 function f() { console.log("f()");
export type Bookmark = { id: number; url: string; comment: string; }; このファイルには型しか書いてありませんね。ということは、「型定義ファイル」として bookmark.d.ts という名前にするべきでしょうか。実はそうではなく、この場合は bookmark.ts とするべきです。 「型定義ファイル」とは、「どこか別の場所にある実装に型をつけるためのファイル」です。たとえば、以下のファイルは「どこか別の場所にある実装」に型をつけているから、 *.d.ts にするのは自然です。 いっぽう、 type Bookmark は別のどこかにある *.js の型を与えているわけではないので、 *.ts でよいです。 このように本来 *.ts であるべきものを *.d.ts にしてしまうことには問題があります。代表的な問題として型エラ
WebAssemblyをちょっといじってみて思ったところをまとめてみます。 設計思想 WebAssembly/designに設計文書がまとまっています。特にHighLevelGoals.mdから読み取れるポイントは以下の4点です。 サンドボックス化された環境であること。 移植性があること。つまり、特定の実CPUアーキテクチャ等に依存しないこと。 少なくともC/C++の(十分に高速な)コンパイルターゲットとして機能すること。 安定した仕様を持つこと。 サンドボックスという観点からは、先行技術として以下のようなものが特筆に値します。 Webサンドボックス JavaScript および asm.js Javaアプレット Flash (ActionScript) NaCl, PNaCl Web以外のサンドボックス OSのユーザーランド、特にLinux userland これらのサンドボックスとの比
型推論オプション 型推論の結果が変わるもの。 ⭐strict ... 以下のセット alwaysStrict strictNullChecks T | null や T | undefined が T に縮退しなくなる。 例 strictBindCallApply Function の各種メソッドが any に縮退しなくなる。 例 strictFunctionTypes コールバック関数の引数が共変でもunifyするようになる結果、型変数の推論優先度が変わることがある。 例 strictPropertyInitialization noImplicitAny 宣言型がない場合にflow typeが使われる機会が増える。 例 noImplicitThis thisの宣言型がない場合に文脈から型が決定される機会が増える。 例 useUnknownInCatchVariables catch (
// CommonJS Modules の場合 const fs = require("fs"); const fs = require("node:fs"); // ES Modules の場合 import fs from "fs"; import fs from "node:fs"; process のように、グローバル変数としても組み込みモジュールとしても提供されているAPIもあります。 global globalThisの別名です。Webブラウザでは window と self がglobalThisの別名として定義されていますが、Node.jsには window や self はなく、かわりに global が定義されています。 Buffer ArrayBuffer, TypedArray (Uint8Arrayなど), DataView はJavaScriptの標準機能です。
ECMAScript Annex Bおよび関連する仕様を読みます。 おことわり 言うまでもありませんが、ここで説明されている機能は使わないようにしましょう。 筆者がJavaScriptを書き始めたのは2005年頃で、その後2010年代は実質的な空白期間でした。そのため本記事に含まれる歴史的背景の説明は、2005年頃の筆者が学んだ内容に加えて、当時の資料を遡って調査した結果に基づいて記載されています。できる限り信頼性の高い情報を見つけた上で記述するよう心がけましたが、当時常識だった知識の欠落等により不正確な記述になっている部分があるかもしれません。もし誤り等があったら指摘いただけると嬉しいです。 現在のzennでは <sub></sub> や <ins></ins> は描画されていませんが、心の目で下付き文字や下線装飾に読み替えてください。 ECMAScript Annex B とは ECM
TypeScriptではデザインパターンとしてtagged unionによる直和がよく使われます。このときパターンマッチに相当する処理はswitchで行われますが、そこで直和に対する分岐が網羅的であることの保証を実行時と型検査時の両方で賢く行う方法がこれまでも模索されてきました。 今回、ヘルパー関数を導入せずにいくつかの問題を同時に解決する賢い方法を思い付いたので共有します。 コード これだけです。 // switch (action.type) { ... default: throw new Error(`Unknown type: ${(action as { type: "__invalid__" }).type}`); // .. } 以下、より詳しく説明します。 問題 TypeScriptではオブジェクトに type プロパティーを用意し、決まった文字列を入れることで直和を実現
Gitで全てのリポジトリのignore指定を ~/.gitignore_global に置いている例はよく見られます。実際、この名前はGitが公式で公開している本 (Pro Git 2) (→日本語版) でも言及されています。 このような設定を行うには、グローバルな .gitignore のようなファイルが必要です。 ~/.gitignore_global ファイルへ次の内容を書き込んで、 (...) ところがこれはややミスリーディングです。この部分は core.excludesfile 自体の説明にほかならないのでわざわざ設定を書き換えていますが、実はデフォルト値があります。これは gitignoreのマニュアル で説明されています。 Its default value is $XDG_CONFIG_HOME/git/ignore. If $XDG_CONFIG_HOME is eith
TypeScriptコンパイラリーディングをする上で、目当てのコードに辿りつくまでの手間を短縮するためのメモ書きです。コードリーディングの一般論や、TypeScriptコンパイラから読み取れる個別事象については極力省略しています。 TypeScriptの主要な処理系 多くのJavaScriptパーサーが拡張としてTypeScriptを読めるようになっています。また抽象構文木のフォーマットに事実上の標準があり、各パーサーはそれに従っています。AST Explorerでこれらのパーサーの出力を調べることができます。特に重要なのが以下の2つの処理系です。 TypeScript TypeScriptの型推論・リント・トランスパイル・モジュールバンドリング等ができる。 Babel TypeScriptのトランスパイルができる。 TypeScriptコンパイラの構成 libに標準ライブラリ (型定義フ
Node.jsのNative ESM対応は夢の機能ですが、夢を詰め込みすぎたせいかCJSからの移行を難しくしているポイントが依然として存在します。そのひとつが拡張子問題で、Node.jsのNative ESMではモジュールの拡張子を明示しなければいけなくなりました。 (これはWebブラウザの挙動に近づけるための判断だと考えられます。) 特にTypeScriptと他のツール (JestやWebpack) と組み合わせて利用している状態でのNative ESM化は実質的に未解決の状態だと言えます。本稿ではこの現状についてできる範囲で状況説明を試みます。 Node.jsの拡張子の扱い Node.jsはCJSとESMの2つのモジュールフォーマットをサポートしていますが、これらは単にパーサーが異なるだけではなく、実質的には「2種類の異なるモジュールシステムがFFIで繋がっている」程度には隔たりがあり
TypeScriptの主要な入力ファイルは .ts, .tsx, .mts, .cts ですが、JavaScriptファイル (.js, .jsx, .mjs, .cjs) も読み込んで処理することができます。JSDocによる型アノテーションを認識するため、生のJavaScriptでもそれなりに型をつけることができます。 本稿ではタイトル通り、TypeScriptのJSDocサポートでできることとできないこと (.ts でしかできないこと) をまとめます。 おことわり 本記事はTypeScript 4.4時点での実装状況に基づいています。なるべくソースコード中の関係する箇所を参照するようにしたので、今後の変更はご自分で検証してください。 (TypeScript Playgroundで試すだけでも有用です JavaScriptモードで開始できるリンク) JSDocの機能一覧・TypeScri
目的と対象読者 IteratorとIterableとGeneratorとGenerator Functionの区別が曖昧な人 (記事前半) Generatorの制御フローを完全理解したい人 (記事後半) の理解を深めるための記事です。 まとめ IteratorとIterableの関係 Iteratorは狭義には呼び出し元の next 呼び出しに応じて要素を出力するインターフェースである。 IterableはIteratorを生成するインターフェースである。 IterableだからといってIteratorとは限らず、IteratorだからといってIterableとは限らない。しかし実際には多くのIteratorはIterableのインターフェースも実装している。 Iterableとコレクションは相互変換可能である。 Iterableは for-of ループで処理できる。 IteratorとG
ジェネリクスを持つ多くの言語では括弧の種類が足りなかったり、既存の文法との互換性を保つために <> をジェネリクス引数に使っている。この文字は比較演算子やシフト演算子にも使われるため、多くの場合は構文的曖昧性の問題がある。 // ジェネリクス引数 (convert<int, string>(number)) // 比較演算子 (score < MAX_SCORE, score > (MIN_SCORE)) 各言語でこの問題をどのように解決しているか調べる。 関連する問題として < > を含むトークン (<<, >> など) をどう分割するかという問題があるが、こちらは本スクラップでは扱わない。
all: unset; などを使ってUAスタイルシートを消してまっさらな場所からスタイルを当てるのは気持ちがいいですが、アクセシビリティ等の観点から重要な分岐が見落とされる可能性があります。 ここではChromeのUAスタイルシートを参考に、検討しておいたほうがいい状態をいくつかリストします。 (もちろん、既存のUIコンポーネントライブラリの使用が可能であれば、それが最も堅牢な選択肢でしょう。) 参考 各ブラウザのスタイルシート HTMLのスタイルシート UAスタイルの中には、CSSのカスケードルールの範疇で実装されているものもあれば、レンダリングエンジンの特別処理として書かれていて作者スタイルシートでの上書きが不可能なものもあります。これはブラウザ実装により異なります。 スコープ UIコンポーネントを作るような場面を想定しています。したがって、要素名自体は固定として、その中で見落としがち
デザインパターンライブラリを作った JSRの話だけ読みたい人は読み飛ばしてもOKです。 JavaScriptのtry-catchはC++の影響を受けており、以下の特徴があります。 (A) throwは大域脱出的である。 (B) try-catchはブロック内の全ての例外副作用に対して一括で作用する。 (C) try-catchは文であり、値を返せない。 (D) TypeScriptにおいて、例外型は明示されない。 このうち (B), (C), (D) の問題を解決するため、RustのResultや類似のパラダイムをJSに輸入する試みがしばしば行われています。しかしこの解決手段にはいくつかの問題があり、 (E) rethrowの専用構文がないためボイラープレートが増える。 (F) 出力ストリームに対するwriteなど、戻り値を持たない副作用関数に対するエラーハンドリングが抜け落ちないようにL
MDNにはたまにアットマークを2つ並べた @@ という記法が登場します。 Array.prototype[@@iterator]() The @@iterator method is part of The iterable protocol, that defines how to synchronously iterate over a sequence of values. しかし、この記法をそのままJavaScriptやTypeScriptの処理系に入力しても構文エラーになります。 console.log(Array.prototype[@@iterator]()); // => Uncaught SyntaxError: Invalid or unexpected token ではこの @@ はどこから来て、何を意味する記法なのでしょうか。 結論 これはドキュメント用のwell-
課題 Rustでシンプルな単一化を書くことを考えます。単一化は主に型推論の実装に用いられます。 ここでは以下の方針で実装します。 一階の単一化。 変数は非負整数のidで表現し、0から順に付番する。 変数以外の項はRustのADTを使った通常の木構造で表現し、ノードの共有は行わない。 変数参照の縮約は行わない。 この方針のもと実装すると、およそ以下のようなコードになります。 #[derive(Debug, Clone)] pub struct UnifyEnv { vars: Vec<Option<Type>>, } #[derive(Debug)] pub struct UnificationFailure; #[derive(Debug, Clone, PartialEq, Eq)] pub enum Type { Var(usize), Constr { constr: u32, ar
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