ナレッジベースを使いこなすには、データの蓄積が鍵となる。新日鐵広畑病院の平松医師は、「入力すれば便利に使える」という条件を設け、ユーザーが自発的にデータを入力するようにしたという。 新日鐵広畑病院で使われているFileMakerのシステムは、基幹系とは別の存在だ。医師の判断に役立つ情報を集約/整理して活用することを主な目的としており、言わば“情報系”に属するシステムとなっている。 このようなシステムが役立つ条件は、登録されている情報の質や量が充実していること。どれだけ緻密に作り込まれていようと、中身が空っぽでは、誰も使わない。もちろん、ほかのシステムからデータを取り込むことも重要だが、平松医師は「入力すれば仕事が楽になる」という仕掛けを作り、ユーザーが自発的にデータを登録するように仕向けたという。 平松医師は、ユーザーがまず帳票を作り、書式を選ぶだけで即座に出せるようにしておき、後は必要な