万年筆の余滴 セピア色の想い -ヌードラーズインク「Golden Brown」の感想- 足澤公彦 万年筆を愛する者にとって、気になるインクの色のひとつがセピア色ではないだろ うか。 セピア色。この魅惑たっぷりの色ほど、人によって、イメージの違う色はない。 辞書を引くと、「sepia」の訳語として「暗褐色」「イカ墨色」とある。困ったも のである。イカ墨スパゲティーのセピア色と、セピア色の写真というときのセピア色 とでは随分と異なって見える。 過去に一度だけ私のイメージどおりのセピア色にお目にかかったことがある。 場所はパリ。ブレゲという時計店の地下室でだった。 創業1775年、機械式高級時計の老舗であるブレゲは、ヴァンドーム広場にある小さな本店の地下に時計博物館を築いていて、ご縁のあった人に、ブレゲ歴代の名品を見せてくれる。 ブレゲは、時計やジュエリーのほかに万年筆を
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