熊本を中心とする九州地方での地震多発を受けて、川内原発を停止すべきとする意見が持ち上がっています。 www.asahi.com この件を受けたツイッターやブックマークコメントを見ると、「原発を止めても核燃料が入っている以上はリスクは変わらない」という内容のコメントが散見されます。 実際のところ、もし原発に甚大なダメージを与える事象が予見されているのであれば、事前に原発を停止しておけばかなりリスクを下げることができます。 運転停止後の原子炉崩壊熱は原発停止後に急速に減少する 原子炉は核分裂による膨大な熱エネルギーにより蒸気を発生させ、発電機のタービンを回すことで発電を行っています。 この核分裂を制御棒の操作により停止させることで、原子炉の運転は停止されます。 しかしながら、ここが原子炉の難しい部分になるのですが、核分裂停止後の核燃料は、核分裂により蓄積された放射性同位体の崩壊に由来する崩壊熱
廃炉が決まっている佐賀県の玄海原発1号機について、九州電力が30年にもわたる廃炉作業の第1段階の工程として、原子炉内の放射性物質の除染などにおよそ6年かかるとした計画をまとめたことが分かりました。 この計画について、九州電力はすでに廃炉作業が始まっている静岡県の浜岡原発を参考に、原子炉の解体など全体で30年程度かかると見込み、作業を4段階に分けて工程を組んでいます。このうち第1段階の工程について、原子炉の配管などに残った放射性物質の除染や放射性物質を含まない2次系と呼ばれる設備の解体を行うほか、使用済み核燃料を取り出す作業を始めることを決め、こうした作業におよそ6年かかるとした計画をまとめたことが分かりました。 玄海原発1号機の廃炉にあたって、九州電力は、地元の佐賀県と玄海町が安全性について意見を述べる「事前了解」の対象とするよう安全協定を見直すことにしていて、関係者によりますと、来月にも
東京電力福島第一原子力発電所の事故で溶け落ちた核燃料の取り出しは廃炉に向けた最大の難関とされ、これまでの計画では、原子炉の外側の格納容器を水で満たし、核燃料から出る強烈な放射線を遮るとされてきました。 しかし、格納容器の修復が困難なことが予想されるため、水で放射線を遮らずに核燃料を取り出す方法について本格的な検討に入ったことが分かり、廃炉の険しい道のりが改めて浮き彫りとなっています。 核燃料から出る放射線は極めて強いことから、これらをどう取り出すかは廃炉作業の最大の難関とされ、これまでの計画では、格納容器を水で満たして放射線を遮ったうえで、水中で核燃料を取り出すとされてきました。 しかし、これまでの調査でも格納容器が損傷している場所は特定できていないため、修復して水をためることが困難なケースも予想されるということです。 このため、福島第一原発の廃炉に向けた技術的な戦略をまとめている「原子力
【大岩ゆり】東京電力福島第一原発事故で、がんが増えるとされる100ミリシーベルト以上の甲状腺被曝(ひばく)をした作業員が、推計も含め2千人いたことが分かった。対象を広げ詳しく調べ直したことで、昨年12月の公表人数より10倍以上増えた。東電は、大半の人に甲状腺の異常を調べる検査対象となったことを通知したというが、受検者は半数程度にとどまるとみられる。 作業員の内部被曝の大部分は事故直後の甲状腺被曝だ。だが、厚生労働省も東電も、全身の線量だけで作業員の健康を管理しており、甲状腺被曝の実態把握が遅れている。国の規則が全身の被曝線量の管理しか求めていないためだ。 東電は昨年12月、一部の作業員の甲状腺被曝線量を初めて公表した。世界保健機関(WHO)に報告していた、実測値のある522人のデータで、100ミリシーベルト以上の人は178人、最高は1万1800ミリシーベルトとしていた。 東電はこれを
MITからマウスで低線量被曝のマウスを用いた研究論文が出され、それと同時に広報からプレスリリースが発表されました。 自然放射線の400倍というレベルでマウスを5週間飼ってもDNAへの過剰な影響は認められなかったというもの。(追記:外部被曝の実験です) 同様の研究はこれまでにもありますが、今回の研究は DNAへの影響の最新の評価法を多数用いているという科学的なものに加え、 ・米国の環境放射能の8倍という退避基準は疑問 続きを読む
私の日記ではこれまでに度々、 「原発事故が起こる前から、セシウムやストロンチウム、それにプルトニウムだってその辺にあった」 ということを書いてきたのだが、沖縄での雪騒動などを見ると、そういうことがまだまだ知られていないんだな、ということを実感させられる。 そこで、ここで改めて、原発事故が起こる前の放射能の状況を概観してみる。 データ元は、例によってここ(環境放射線データベース.http://search.kankyo-hoshano.go.jp/servlet/search.top)。 ここから、期間としては2005年以降(データの無い一部を除く)、試料としては降下物・土壌・海水・農林水産物・牛乳・日常食、核種としてはセシウム137・ストロンチウム90、それに分析結果や検出値がある場合はプルトニウム239+240について調べた。 なお、表中の「ND」は不検出を、「−」は分析値が無いことを示
それは、「トータルの収支計算」をさせないで、「目の前の収支だけに目を向けさせる」ということです。 ネズミ講は会員全員が儲かると言うけど、トータルで収支を計算したら、得する人がいる分だけ、そのお金を差し出して損をする人がいるはずなのです。しかし、そういうことを考えていはいけないと言います。「そんなことより今あなたは儲けている。そのことが大事だ」 原発は、使用済み燃料の最終的な処置について説明しない。放射性物質の収支の計算は簡単で、地球上では半減期以外に減る要素がないわけだから、どんどんたまっていくしかないんだけど、それについて考えさせないようにします。「そんなことより今あなたの使う電気が足らない。そのことが大事だ」 目の前の収支について考えることが優先で、トータルの計算は後回し。もしくは、他のどこかで誰かが考えているからよいと言います。 でも、使用済み燃料の処置は、「確実に閉じこめる」という
いまだ収束の気配すら見えない福島第1原発事故。大量に飛散した放射性物質の存在は、人体や食物への影響が心配され、人々に不安を与え続けている。そんな中、東京大学医学部附属病院放射線科で放射線治療を担当する「チーム中川」の中川恵一准教授、芳賀昭弘助教が2011年7月14日、ニコニコ生放送に出演。メディアジャーナリスト津田大介氏や視聴者の質問に答えながら、放射能汚染の実態や、放射線被ばくと人体への影響などについて説明した。また、番組冒頭に視聴者コメントで「御用学者」と揶揄された中川恵一准教授は、政府や電力業界との癒着関係を完全に否定し、「どう言われても、正しいと思うことをお話しするしかない」と述べた。 「御用学者」という言われ方は”癪に障る” 福島第1原発事故直後、「放射線関係の情報が錯綜するなか、かなり早い段階でツイッター(のアカウント)を立ち上げて、冷静な情報を流されていた印象がある」と津田氏
ガイガーカウンターは、専門的な分野の特殊な機械なので、扱いがとても難しいものです。 正しい位置で正しい測り方をしないと、正しい数値が測れません。 2011年6月11日、GCM(ガイガーカウンターミーティング)で野尻美保子先生の行った説明を、鈴木みそが漫画化したものです。 ※この作品はパブリックドメイン(著作権フリー)ですから、コピーも配布も自由です。 転載の許可も必要ありません。(ただし内容を改変しないでください)
(仮アップ・まだ勘違いとか純粋に計算ちがいとか、変なとこがあると思うから、また後で見に来て) 5月15日に、国際大学グローコムにて、「見えない不安に立ち向かうセミナー・保護者と教師のための放射線学」という勉強会を開いた。 その際、岡山大学の津田敏秀教授に登壇してもらい、疫学的な観点から、放射線の健康影響をどう考えればいいのか「統計科学における確率の考え! (Vs ゼロリスク)について」と題して、ご教示いただいた。 その時の様子は、ウェブで動画でも見ていただけるし、また、使用したスライドもPDFにしてご覧いただける。さらに、最近、講演を書き起こした。というわけで、スライドを見つつ、テキストを読んでいただくのも、動画を見ていただくのも可能。 https://sites.google.com/site/radiology3871/seminar20110515/jiang-yan-hua-x
関連するページ: やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識 (web ページ) 放射線の基礎をまとめた本(初めての人には、こちらがおすすめです) まだやっかいな放射線:2 年半が経って汚染と被曝はどうなっているか(web ページ) タイトル通り、2013年10月の状況をまとめました ここでは、放射線や原子力発電所について、多くの人が知りたいだろうと(ぼくが)思うこと(の一部)について、わかりやすく、要点だけを短く(←というつもりで書き出したんだけど、けっこう長くなってしまった)、でも、ごまかしのないように説明しようと思う。 本文は中学生以上なら時間さえかければ読めるはずだ。 また、もっと知りたい人のために詳しい(そして、少しむずかしい)解説もいくつか書いたし、 一部の内容については色々なところで使ってもらえるようプレゼンテーション用のスライド(目次)も用意した。 これまで、長
原子炉冷却のシナリオ 福島第一原子力発電所について、政府や東京電力は原子炉に通じる配管を外部に引いて、水を循環させながら炉心を冷やす新たなシステムづくりの検討を始めた。燃料が水の中にある状態をつくるため、格納容器内を水浸しにして圧力容器ごと核燃料を水没させる案も浮上している。各原子炉の損傷具合や作業のしやすさにより、異なった対応を考えている。 熱を出し続けている核燃料には冷却が必要だ。炉内が100度未満になる「冷温停止」状態にするのが当面の目標。温度の計測値は1号機が200度台で際だって高い。2、3号機も100度を超えている。 1〜3号機の圧力容器内には毎時6千〜7500リットルの真水を注入している。注入した水は高濃度の放射性物質で汚染され、タービン建屋などに流れ込んでいると見られる。各号機のタービン建屋周辺に水が推定約6万トンたまっている。 いつまでも注水には頼れない。東電は水を
2011年04月12日15:30 カテゴリ東日本大震災News News - 63万テラベクレルって何グラム? これはすごい…(多い|少ない)。 事故評価、最悪の「レベル7」=チェルノブイリと並び2例目―福島第1原発(時事通信社) - livedoor ニュース 福島第1原発の事故について、経済産業省原子力安全・保安院は12日、国際原子力事故評価尺度(INES)で最も深刻な事故に当たるレベル7と暫定的に評価すると発表した。保安院はこれまでレベル5(広範囲な影響を伴う事故)としていた。レベル7は、INESで「放射性物質の重大な外部放出」とされている。 試しに以下の問題を解いてみましょう。 (ヨウ素換算63万テラベクレル.http://bit.ly/fRxmkt これを放射性ヨウ素131の質量に焼き直すと,およそ1) 100トン 2) 100 キログラム 3) 100 グラム 4) 100ミリ
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