少し気が楽になった それを聞いて安心し、認知症という病名は出さなかったが、「父はちょっと頭のほうがあやしくなっていて、ご迷惑かけそうで決断できなかったんですが、連れて行ってもいいですか」と聞くと、「過去にも介護の付き添いの人と一緒にきた人もいるし今回もそういう人と同伴の場合は、部屋に席を作るから、あなたの席も作るよ」といわれた。 やはり高齢者が集まる場なので、そのあたりは考慮されていたのだ。早く電話だけでもしてみればよかった。少し気が楽になり、「それなら連れて行ってみよう」と、ようやく前日ではあるが覚悟を決めたのであった。 実際の同窓会での86歳の父の振る舞いについては、後編記事『86歳認知症の父を決死の覚悟で同窓会に連れて行くと……そこで起こった“奇跡”と50代娘が流した涙のワケ』で詳述する。