横浜市教育委員会は21日、2019年度から今年4月にかけて横浜地裁で公判があった教員によるわいせつ事件で、多数の職員を動員して法廷の傍聴席に行かせ、一般の人が傍聴できないようにしていたと発表した。村上謙介教職員人事部長は記者会見し、プライバシー保護を求める被害児童・生徒側の要請を受けた対応で「教員を保護しようという意図はない」と釈明し、「行き過ぎだった。一般の方の傍聴の機会が損なわれたことについて、大変申し訳なく思う」と謝罪した。(神谷円香)
「わかっちゃいるけどやめられない…」江戸川競艇勤務の職員が舟券購入か、書類送検へ 不祥事続きの競艇界に国交省が指導 ボートレース江戸川(江戸川競艇場、東京都江戸川区東小松川3)に勤務していた同区の男性(64)が在職中に舟券を買ったとして、警視庁が男性をモーターボート競走法違反(舟券購入の禁止)の疑いで近く書類送検することが、捜査関係者への取材で分かった。最低額(1口100円)での小口購入を繰り返すなどし、利益はほとんどなかったが、2年間で約2万口230万円分を買ったという。 同庁小松川署によると、男性は競艇を実施する一般財団法人「モーターボート競走会」(東京)の江戸川支部職員。競艇に関して規定する同法では、競技の透明性を保つためなどから職員や選手が舟券を購入することを禁止している。
茨城県つくば市の社会福祉課で2021年1月~23年10月、残業時間に応じて支払われる時間外勤務手当の未払いが判明し、市は約20人に対し総額数百万円に上る見込みだと発表した。当時の課長が「時間外手当が多い」などと発言し、職員が手当を申請しづらい状態になっていたという。 市によると、昨年9月に同課職員が別の部署に相談し発覚した。調査の結果、この期間に課長を務めた3人のうち少なくとも2人が「時間外手当が多いね。そういう人は評価しない」などと発言していたと分かった。市は当時の課長らから聞き取りを進めている。
出産後の女性をサポートする横浜市の「産後ケア事業」を委託されていた助産所で一昨年、乳児が死亡する事案があり、両親が市などを相手に計約8900万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。同事業は全国の市区町村で急拡大しているが、子どもの安全管理は現場任せになっているのが実情だ。同事業に関する死亡事案が司法の場で裁かれるのは初めて。裁判では、小さな命を守る責任の所在が争点になりそうだ。(神谷円香) 亡くなったのは、当時生後2カ月の長女茉央(まひろ)ちゃん。訴状などによると、母親は2022年6月8日、市が産後ケア事業として実施していた宿泊型サービスを利用し、市内の助産所に2人で泊まった。母親が助産師に預けて別室で休んでいたところ、助産師がミルクを飲ませて寝かせた約30分後、心拍停止の状態で発見され、その後死亡が確認された。死因は特定されていないものの、ミルクの誤嚥(ごえん)による窒息の可能性が高い
自民党派閥の政治資金パーティーで受け取った裏金の税務処理を巡る自身の発言に批判が集まっていることを受け、鈴木俊一財務相は26日の衆院予算委員会で「国民であれ国会議員であれ、収入や経費を正しく計算し、所得が発生した場合には申告して頂く」と述べ、発言を修正した。 問題となっているのは鈴木氏が22日の衆院予算委で、裏金を受け取った議員は所得として納税することになるかを問われた際に「疑義が持たれた政治家が政治責任を果たす、そういう観点から(議員個人が納税をするかどうか)判断されるべきものであると思う」と述べた答弁。納税は憲法で国民の義務と明記されている。にもかかわらず、答弁は政治家だけが納税を個人の判断でできるともとれ、特別扱いだとして、交流サイト(SNS)で「納税は個人の自由だったのか」などと批判が広がった。 26日の予算委では、立憲民主党の城井崇氏は裏金事件の中で始まった確定申告を巡り、SNS
群馬県は22日、桐生市による生活保護制度の運用について、特別監査を実施していることを明らかにした。県議会一般質問で酒井宏明氏(共産、前橋市)が県の対応をただしたのに対し、唐木啓介健康福祉部長が答弁した。県地域福祉推進室によると1月16日に開始し、現在も継続している。桐生市に対しては今回が初めてという。 特別監査は、全ての福祉事務所へ年に1回行う一般監査と異なり、制度の運用に問題があったり、各種データから保護の動向に特異な傾向があったりする場合、都道府県や政令市が実施する。関係職員への聞き取りや書類の調査などを通じ、改善の必要があると認めた場合は福祉事務所に報告を求める。 桐生市では昨年11月以降、保護費を1日1000円に分割した上で決定額満額を支払わないなど、違法性が高い不適切事例が次々と明らかになった。また、同市は生活保護受給者数が2011年度の1163人から22年度には547人と半分以
2015年7月、群馬県桐生市に住む黒田正美さん=仮名=の携帯電話が鳴った。声の主は同市福祉課の職員だった。 当時、黒田さんは30代後半。父の杉本賢三さん=仮名、当時(61)=と市営住宅で同居していたが、結婚で独立し、杉本さんは単身生活を送っていた。駆け付けると、ライフラインは全て止められ、石油ストーブの燃焼筒に外で拾い集めた木くずを入れてマッチで着火し、わずかに残ったコメを煮炊きしていた。窮状を見かけた近所の住民が市へ通報したのだという。 杉本さんは料理人として働いていたが、心臓疾患などによる体調悪化で就労困難な状態が続いていた。黒田さんは市福祉課に相談したが、「家族で支え合って」「実家に戻りなさい」と相手にしてもらえなかった。同年8月、杉本さんはやむを得ず市内の実家で暮らす妹、黒田さんにとっては叔母の家に身を寄せる。
東京都江戸川区の福祉事務所で生活保護のケースワーカーをしていた20代男性職員が、独り暮らしの生活保護受給者の遺体を2カ月以上放置していた問題で、区が設置した事案検証・対策検討委員会が29日、区に報告書を提出した。 報告書では、男性職員が所属していた課で年度中に退職者が相次ぎ、担当世帯数が社会福祉法の標準を上回っていたこと、上司の配慮不足やハラスメント的な言動をする職員がいたために、相談しづらい雰囲気だったことを指摘。また、男性職員が遺体発見時に必要な対応をしなかったり、虚偽の経過記録を作成したりした点を違法とした。 その上で、職員や組織間のサポート体制の強化などを再発防止策として挙げた。検討委の池谷秀登委員長(立正大社会福祉学部教授)は「単に職員個人の問題ではなく組織、体制の問題としてとらえる必要がある」と述べた。
将棋の王位戦と女流王位戦(いずれも東京新聞主催)のタイトル保持者同士による恒例の「王位・女流王位記念対局」が、今年も大阪市の関西将棋会館で行われた。藤井聡太王位(21)=八冠=と里見香奈女流王位(31)=女流四冠=による対戦は先手の里見女流王位が107手で勝ち、大金星を挙げた。 対局は平手で、持ち時間が王位10分、女流王位60分のハンディ戦。両者の対決は4期連続で、これまで藤井王位が3連勝していた。里見女流王位は9回目の記念対局で、王位から初白星を挙げた。今世紀に入り、記念対局で女流王位が勝利するのは清水市代女流七段(2001、04年)、石橋幸緒さん(09年)=退会=、甲斐智美女流五段(11年)=引退=に続き5回目。 対局は、里見女流王位が得意の中飛車戦法を選び、玉を銀冠に囲った。藤井王位は左美濃で対抗し、持久戦模様に進んだ。藤井王位が7筋から仕掛けたが、里見女流王位は機敏な反撃で一歩得に
作業員の身体汚染が発生した現場。上から延びるオレンジ色のホースが外れた=東京電力福島第1原発で(東京電力提供) 東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)の配管洗浄中に廃液が飛び散った事故で、東電と下請けの東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は16日、原因の分析結果を発表した。入院した作業員2人は、過去の作業経験から廃液は飛散しないと考え、ルールで定められたかっぱを着用せず、被ばくにつながったと指摘した。 両社によると、事故は10月25日に発生。配管の洗浄時間が長引き、高濃度の放射性物質を含む廃液の発生量を抑えようと、当初予定していなかった配管の弁を閉めて洗浄液の流れを抑えた。その結果、配管内の圧力が高まり、廃液をタンクに入れるホースが外れて飛散。タンク近くにいた2人にかかった。監視役の作業員もかっぱ着用を指示せず、予定外の作業員の配置換えや
性被害を知った母は自ら命を絶った…遺書につづられた、ジャニーズ事務所に写真と履歴書を送ったことへの後悔 旧ジャニーズ事務所(現・スマイルアップ)創業者のジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題で、被害に遭ったジャニーズJr.(ジュニア)の元レッスン生の男性(55)が取材に応じ、母親に性被害を打ち明けた1カ月後、母親が自殺したことを明かした。遺書には、男性の写真と連絡先を事務所に送ったことへの後悔と謝罪が書かれていた。母親への告白を40年以上悔やみ続け、「自分の人生はめちゃくちゃにされた。事務所が、今後も子どもを育成しマネジメント業務を続けることはあってはならない」と怒りを込める。(望月衣塑子)
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