体内の臓器が左右反転してしまう疾患をご存知だろうか?その名の通り「内臓逆位」と呼ばれる、かなり稀な先天性の症状である。 先日、医療系の論文プラットフォームである『New England Journal of Medicine』が妙な研究結果を発表した。いわく、中国で内臓逆位と診断された胎児の数が急増しているという。 突如として、同じ先天性疾患を持った赤ちゃんが増える……いったい、中国で何が起こっているのか。 研究チームは、中国にある2つの産科センターの臨床データを用い、2014年1月から2023年7月までの胎児内臓逆位の発生率を調査。その結果、2023年の7ヶ月における発生率は、2022年までの8年間の年間平均発生率の4倍以上だったことが判明した。 2023年4月に発生率はピークに達し、同年6月まで上昇した状態が続いたという。この間、計56件もの発生が確認され、そのうち52件が「完全内臓逆