財務省の公文書改ざん事件と言えば誰しも佐川宣寿元理財局長の顔を思い浮かべるだろう。森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんで停職3カ月相当とされたが、実はもう一人停職処分を受けた人物がいる。当時の理財局総務課長、中村稔氏だ。国会で答弁に立つ職位になかったため佐川氏ほど目立たなかったが、最も近い立場で中核的な役割を担ったとして停職1カ月となった。 これほど重い処分を受けながら、中村氏はその後、駐イギリス公使に栄転。今は国税庁ナンバー3の長官官房審議官という重責にあり、国会答弁に立つこともできる。では改ざんについて答えてもらおうではないか。 事件では近畿財務局の赤木俊夫さんが改ざんを告発する「手記」を遺し命を絶った。妻の雅子さんが事件に関する公文書の開示を請求したところ、財務省は応じなかったが、総務省の情報公開・個人情報保護審査会は今年3月、不開示決定を取り消すべきという答申を出した。そこで