(2013年5月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) ユーロ圏の将来はドイツというより日本の姿と似る?〔AFPBB News〕 ユーロ圏危機を解決するのは簡単だ――。筆者は先週、あるエコノミストがあの複雑でややこしい話を典型的な「上がったものは必ず下がる」式の議論で説明するのを聞き、改めてそう思った。 ドイツは2000年代、賃金を抑制することでユーロ圏に対する相対的な競争力を高めた。しかし今日、ドイツの賃金水準はスペインやイタリアを若干上回るペースで上昇している。 競争力を何で測るのかという好みと、どれぐらいの規模の調整が必要なのかという見立ては人によって異なるが、それが決まれば、競争力の逆転に何年かかるかを計算することは可能だ。 緊縮財政はこの調整の推進力になっている。緊縮財政のために輸入が減少し、経常収支は赤字から黒字に転じている。デフレが進めばその国の輸出競争力は高まるとの見方が