東日本大震災ではふたりのアメリカ人が犠牲となった。宮城県石巻市で英語を教えていたテイラー・アンダーソンさん(当時24歳)はそのひとり。震災後、テイラーさんの意志を継いだアンダーソン家は追悼基金を設立。草の根レベルの援助活動に対する資金の提供を通じ、被災地の学生や子どもを支援してきた。震災2周年にあたりニッポンドットコムはテイラーさんの父親アンディさん、弟のジェフリーさんに寄稿をお願いした。 東日本大震災で多くの日本人が愛する人を失ったように、私たちアンダーソン家も英語教師の娘そして姉だったテイラー・アンダーソンを失った。彼女が亡くなったのは外国の地、宮城県石巻市である。私たちは想像を絶する破壊からは海を隔て遠く離れていた。東北の人々は2011年3月11日にすべてを失い、私たちは家族の一員を失った。 その「一員」――遠い国、そこに住む人々、その地の子どもたちに教えることや独特な文化を愛した人