平安宮大内裏復元図 大内裏(だいだいり) 平安京の中央北端に配置されているのが大内裏(平安宮)である。内裏、朝堂院、豊楽院、さらにその他の役所(官衙)群が軒を並べる、平安京の中枢区画である。 朝堂院は大極殿を正殿とする建物群で、天皇の即位礼や外国使節の謁見など、国家の重要儀式にもちいられる場所である。朝堂院の正門を応天門と呼ぶ。左右両翼に栖鳳楼、翔鸞楼の両楼閣をしたがえており、いやがうえでも偉容を誇示していたことであろう。大納言伴善男が失脚した「応天門の変」(貞観6年〈866〉)によってこの門が炎上させられたことも、この門が平安宮を象徴する建物のひとつと認識されていたことによるものであろう。応天門をこえて会昌門をくぐると、「朝堂十二堂」が並ぶ壮大な内庭が広がり、そのはるかかなたに大極殿の偉容がそびえている。 大極殿は、朝堂院の正殿であるとともに平安宮の正殿であり、日本古代国家にとって最