生存の最後の砦、生活保護。しかし、どんなに困っていても、働ける年齢であるとか住所がないなどの理由で、申請すら受け付けない 福祉事務所の対応がまかり通っています。この間の「年越し派遣村」などのとりくみが国や自治体をゆさぶり、ゆがんだ生活保護行政を告発、法律通りの運用を 迫っています。ホームレス支援に加わり、無料低額診療を窓口に生活保護申請を支援する民医連の活動も、力を発揮しています。北海道勤医協の苫小牧(とまこ まい)病院を取材しました。(佐久功記者) 最後の砦であり、最初の窓口でありたい 二〇〇八年五月、Aさん(五〇代男性)のつらく長い路上生活はようやく終わりを告げました。勤医協苫小牧病院にたどり着いた時、所持金なし、三日間飲まず食わずでした。 Aさんは北海道出身。茨城県で暮らしていましたが、病気もあって仕事を失い、やがて貯金も尽きて路上生活者となりました。 どうしようもなくなり生活保護の