自民党が政権の座にあった2年前なら命取りの大スキャンダルになっていたはずである。自民党に国有地の「不法占拠」が発覚した。 国会議事堂から徒歩3分の自民党本部(千代田区永田町1)は国有地(財務省所有)に建てられ、同党は年間約8970万円という格安の賃料を財務省に支払っている。だが、敷地のうち4分の1にあたる衆議院所有の駐車場部分(1320平方メートル)は47年間にわたってまったく賃料を支払っていない事実が発覚した。 この土地は衆議院所管の「行政財産」に分類され、国有財産法で売却や貸与はできないと定められている。それを自民党は党本部の塀の中に囲い込んで私物化しているのだから、まさに不法占拠そのものだ。 本来、借りられるはずのない土地ではあるが、財務省の賃貸契約基準をもとに換算すれば、賃料は年間約3500万円になる。自民党が踏み倒してきた使用料は、47年分でざっと16億円になる計算だ。 さる11