トイレの窓際には、 年末年始もお盆もずっと飾られつづけている クリスマスの置き物。 ふりつもった埃は、雪化粧のように みえなくもない。 キッチンの洗いかごには、 たいてい生ゴミのあふれた スーパーのゴミ袋がドカンとおかれ、 そこに密接して洗ったばかりのコップが 躊躇なくふせられる。 炊飯器の蓋側の部分は、 たぶん年2回の帰省時に 私がこっそり洗うとき以外 取り外されたことはないだろう。 からしをとってくれ、 と夫に言われ、 パンパンの冷蔵庫から探り当てると、 賞味期限は2年前。 「おかあさん、さすがにこれは捨ててもいいですかー」 ってきくと、 「あら、一昨日たべたけどなんともなかったわよ」 と、ケロッとこたえる義母。 「2日もだすのわすれてつかりすぎたわー」 と、義母が庭の物置きのぬか床から きゅうりのぬか漬けをだしてくる。 一本ぼとっと地面に落ち、 すぐに拾って、庭の水道でかるくぬらし、