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はじめに 通常のプログラムは実行時(ランタイム)に1 + 1など様々な計算を行う。一方でコンパイラーを持つ言語では、コンパイラーの型検査やジェネリクスなどの機構を利用して、コンパイル時にも計算を行うことができる。このようなプログラミングを、コンパイル時に検査・推論される“型”[1]に注目して型レベルプログラミングと呼ばれる。 ランタイムの計算の中にはたとえばwhile(1);のような簡単な計算で無限ループといった停止しない状況に陥いることがある。コンパイル時にできる計算でこのように無限ループに陥いってコンパイルが停止しなくなってしまったら、プログラムを実行することなく自明なエラー(型があってないとか、Rustであればfreeするタイミングが自明でないなど)を検出しようというモチベーションが崩壊してしまう。したがってコンパイル時にできる計算とはランタイムに比べて非常に限定された計算しか許可さ
最近、コンパイラを書くことが流行っているようだ。流行に乗ってやってみたらいろいろな知見が得られたので紹介したい。 コンパイラを書くと一口に言ってもいろいろなスコープがある。ここではC言語を用いてCコンパイラを書くことを選択した。C言語は言語仕様的にコンパクトで広く知られている。また、ツールとしてのCコンパイラも普及している。その場合、自分が書いたCコンパイラで、自分が書いたCコンパイラのソースコードをコンパイルすることが原理的には可能だ。これをセルフホストという。ひとつの到達目標として非常に興味深い。 当初は冬の間に終わらせる予定だったのだが春まで伸びてしまった。しかし、春になっても寒かったり雨で家に居る日が多く、アウトドアシーズンまでに目標のセルフホストを達成することができた。 昔、Cのインタプリタを書いたことがあったが、コンパイラを書くのは、はじめてである。時代も進んで開発手法が変わっ
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