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  • 第264号(2024年5月13日)プーチン政権5期目の行方と国防大臣の交代|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】プーチン政権5期目の行方と国防大臣の交代悲願としての5期目大統領就任式会場に入場するクレムリン連隊 5月7日、プーチン大統領の任期が5期目に入りました。 プーチンが大統領になったのは2000年のことですから、もう24年もロシアの最高権力者をやっていることになります。首相に退いていた2008-12年を除いても20年。もういい加減満足したらどうかと思うのですが、今回始まった5期目の任期は2030年まで続くことになっていますから、少なくもそれまでは権力を手放すつもりはないのでしょう。 さらに2020年に改正された憲法の規定では、プーチンは2030年の選挙にも出られることになっています。こうなると2036年までプーチン、という未来も見えてきそうです。21世紀の実に3分の1がプーチン時代。プーチン政権下で生まれた若者が、大学を出て就職して家族を持っても、大統領はまだプーチン、ということ

    第264号(2024年5月13日)プーチン政権5期目の行方と国防大臣の交代|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/05/14
  • 第263号(2024年4月22日) 米ウクライナ支援予算が復活へ|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】米国の対ウクライナ支援予算がついに通過ジョンソン下院議長の変心 広く報じられている通り、長らく懸案となっていた米国の対ウクライナ支援予算案が4月20日に下院を通過しました。上院での承認とバイデン大統領の署名を経て月内には発効する見込みとされます。 ウクライナ支援をめぐっては下院の共和党強硬派の反対によって長らく予算承認が滞ってきました。その間の経緯は時事通信の以下の記事が簡潔にまとめていますが、共和党強硬派を恐れるジョンソン下院議長が予算案の審議自体を先延ばしにし続けたことが停滞の大きな原因であったようです。 しかし、ジョンソン議長は今回、強硬派から解任動議が出ることも承知で審議に踏み切り、結果的にウクライナ支援予算を通しました。この態度の変化について、『ニューヨークタイムズ』が以下のような記事を掲載しています。議会内政治のためにウクライナ支援予算を滞らせていいのか、それはキ

    第263号(2024年4月22日) 米ウクライナ支援予算が復活へ|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/04/29
  • 第259号(2024年3月25日) 14個師団増設は動員の前触れか?(多分違うという話)|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】戦時下で進むロシア軍改革 14個師団増設、「河川小艦隊」設置など 3月20日、モスクワでは定例の国防省幹部評議会が開催されました。四半期に一回開催されているものです。実際に何が話し合われているのかは明らかでないのですが、ショイグ国防相の発言録だけは毎回公表されます。今回は表題に掲げた通り、重要な論点が幾つか出てきたので詳しくみていきましょう。 物資装備補給担当国防次官の交代 ショイグ発言の冒頭は人事で、物資装備補給(MTO)担当国防次官がアンドレイ・ブルィガ中将に交代となったことが報告されました。MTO担当国防次官は単なる事務次官ではなく、ロシア軍MTO部隊司令官として兵站を実際に切り盛りする重要なポジションです。 MTO担当国防次官となったアンドレイ・ブルィガ中将 今回の戦争前まで、このポジションに長く居たのはドミトリー・ブルガーコフ上級大将でしたが、開戦後の2022年9月

    第259号(2024年3月25日) 14個師団増設は動員の前触れか?(多分違うという話)|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/03/26
  • 第258号(2024年3月18日) ロシア軍の軍管区再編が意味するもの|ユーリィ・イズムィコ

    【今週のニュース】ウクライナ向け砲弾供給計画続報 ほかロシア海軍総司令官罷免? 先週、ロシアのマスコミ各社は、ロシア海軍のニコライ・エフメノフ総司令官が罷免されたのではないかという観測を一斉に報じた。出元は『イズヴェスチヤ』の記事である。 この戦争が始まって以来、ロシア海軍はミサイル攻撃と水上ドローン攻撃によって巡洋艦1隻、潜水艦1隻、大型揚陸艦4隻、哨戒艦2隻、ミサイル艇1隻など多数の損害を出している。第二次世界大戦後のロシア海軍が被った損害としては例を見ないものであり、その責任を取らされた可能性がある。公認は北方艦隊司令官のアレクサンドル・モイセーエフ大将であると伝えられている。 ただ、現在のところ、海軍総司令官の人事に関する公式の大統領令は出ていない。また、3月17日にショイグ国防相が黒海艦隊の指揮所を視察した際にはエフメノフが同席しているので、軍人としての籍は残っているようだ。他方

    第258号(2024年3月18日) ロシア軍の軍管区再編が意味するもの|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/03/19
  • 第255号(2024年2月26日) ナルヴァでわしも考えた|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】ナルヴァでわしも考えた 前号の編集後記でもチラッと書きましたが、エストニアに行っていました。正確にいうと前号はエストニア到着当日に書き終えており、この文章はエストニアからの帰国翌日に書いていますので、こっちの方が正式な(正式なというものでもないな)帰朝報告であります。 エストニアを訪れるのは数年ぶりですが、今回は日人の研究者と学生総勢11名というかなり大規模なデリゲーションを組んで行きましたので、かつてなく広範囲かつ突っ込んで見聞を広められたように思います。うち、印象に残ったことをいくつか書き留めておきましょう。 「最前線」としてのナルヴァ 今回は到着早々にナルヴァを訪れました。エストニアとロシアの国境の街です。軍事オタクには宮崎駿の『泥まみれの虎』の舞台といえば話が早いでしょう。私はこれまで首都タリンしか行ったことがなく、ナルヴァは初めてでした。 わかりやすい話から始める

    第255号(2024年2月26日) ナルヴァでわしも考えた|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/02/28
  • 第253号(2024年2月5日) 依然として砲弾不足に苦しむウクライナ軍|ユーリィ・イズムィコ

    【NEW CLIPS】ウクライナの無人水上艇がロシアのミサイル艇を撃沈 ウクライナ国防省情報総局(GUR)は、同国の無人水上艇3隻がロシア海軍黒海艦隊の1241型(タランタルIII型)ミサイル艇「イワノヴェツ」に突入する様子を公開した。イワノヴェツは搭載していたミサイルが誘爆し、撃沈された。 【今週のニュース】復活するウクライナの穀物輸出とIl-76撃墜の怪ウクライナの穀物輸出が開戦前の水準まで回復…したものの 1月30日、ウクライナ穀物協会は、2023年12月の穀物輸出量が598万トンとほぼ開戦前の水準を回復したことを明らかにした。 ウクライナは世界有数の穀物輸出国として知られ、年間4000万トンほどのトウモロコシ、小麦、大麦を輸出してきた。その大部分はオデーサ周辺の三港から黒海経由で輸出されていたものの、ロシアの侵略によって輸出量は激減し、これを補うために開かれたポーランド、ハンガリー

    第253号(2024年2月5日) 依然として砲弾不足に苦しむウクライナ軍|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/02/06
  • 第252号(2024年1月29日) 衛星画像分析 ロシアの核実験場で怪しい動き|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】衛星画像分析 ロシアの核実験場で怪しい動きノーヴァヤ・ゼムリャー島概観 今回はウクライナの戦況を離れて、そのずっと北にあるノーヴァヤ・ゼムリャー島という聞き慣れない島を取り上げたいと思います。 ノーヴァヤ・ゼムリャーは北極海に浮かぶ島で、その西側がバレンツ海、東側がカラ海に別れています。元々はネネツ族という少数民族が住んでいたのですが、1950年代には彼らを追放して島全体が核実験場にされてしまいました。カザフスタンのセミパラチンスク核実験場に次ぐソ連で2番目の核実験場です。1990年にソ連が核実験を全面停止するまでに行われた核実験は合計132回に及ぶとされています(大気圏内核実験87回、地下核実験42回、水中核実験3回)。 核実験場としてのノーヴァヤ・ゼムリャー島は3つのゾーンに別れています。 最も南側のゾーンA(チョールナヤ・グバー周辺)は初期の核実験に使用され、水面・水中

    第252号(2024年1月29日) 衛星画像分析 ロシアの核実験場で怪しい動き|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2024/01/30
  • ウクライナ戦争の(3年目ではなく)4年目を考える あるいは「我々はどういう世界に住みたいのか」|ユーリィ・イズムィコ

    【インサイト】ウクライナ戦争の(3年目ではなく)4年目を考える あるいは「我々はどういう世界に住みたいのか」守勢に回るウクライナ軍 いよいよ2024年が始まりましたが、相変わらず状況は非常に厳しいものがあります。ウクライナ軍は全戦線で守勢に回ることを余儀なくされ、その間にロシアはじわじわと圧迫を強めているからです。 特にルハンシクとハルキウ両州のあたりではロシア軍がこれまで以上に激しい攻勢に出ようとしているのではないかとの観測が出ており、この場合、クピャンシクが焦点となるでしょう。他方、以前から懸念されていたベルゴロド方面およびベラルーシ方面からウクライナ北部に対する攻撃の再開については、今のところ顕著な兆候は見られないとISW(戦争研究所)は報告しています。 こうした中でウクライナ軍は、北東部一帯に陣地線を築き、予想されるロシア軍の大規模攻勢に備えていると見られます。昨年、ゼレンシキー大

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    toronei 2024/01/16
  • 第249号(2023年12月25日) ウクライナ戦争とロシア軍の現状・見通し 国防省拡大幹部評議会報告を読む|ユーリィ・イズムィコ

    【レビュー】2023年度ロシア国防省拡大幹部評議会開催 12月19日、モスクワの国家防衛指令センター(NTsUO)で恒例のロシア国防省拡大幹部評議会が開催されました。ロシア軍の幹部を一同に集めて軍の現状や今後の方向性について大統領や国防大臣が演説を行う場であり、外部の我々にとっても普段得難い知見を得られる貴重な機会でもあります。 今回は年内最後のメルマガということで、この国防省拡大幹部評議会におけるショイグ国防相の発言をレビューして一年の締めくくりとしましょう。 <ウクライナ作戦について>作戦の進捗状況・開戦前にルガンスク・ドネツク人民共和国が有していた領土の5倍に当たる面積を「解放」。その後の住民投票によってロシア連邦の面積は8万3000平方km以上、人口は500万人以上増加した。 ・アゾフ海は内海となり、新たに海軍区(военно-морской район)が設けられた*。 *海軍区

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    toronei 2023/12/26
  • 第247号(2023年12月11日)効かない制裁? 対露制裁の実効性を強化するためには|ユーリィ・イズムィコ

    【今週のニュース】守勢に回るウクライナ ほか戦時下ウクライナ人の意識 ウクライナ国民に対する興味深い世論調査の結果が発表されたので紹介したい。 まずは身近なところから死者が出たかという質問で、2022年には7割程度であったものが2023年にはこれが8割を超えた。特に家族や友人といった近しい人の死については、2022年に2割以下であったものが、今回は4割以上に達しており、戦争が人々の生活に次第に忍び寄っていることが窺われる。その一方、ウクライナの勝利を信じるという回答の比率はほとんど変化しておらず、民主主義を重視するとの声も同様であった。 外国人がロシア軍に入隊 リャザン州の軍事委員会は、ロシア軍に多数の外国人が入隊しつつあることを明らかにした。ベラルーシ、タジキスタン、ウズベキスタンなどの旧ソ連諸国だけでなく、モロッコ、エジプト、キューバなどの「エキゾチックな国」からも入隊者があったという

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    toronei 2023/12/12
  • 第241号(2023年10月30日) 長引く戦争に備えたロシア・ウクライナ双方の動き|ユーリィ・イズムィコ

    【NEW CLIPS】ロシア戦略核部隊演習 前回紹介したように、ロシアは10月に入ってから戦略核部隊演習に向けた動きを見せていた。結局、演習は25日に事前の予想通りに実施された。内訳は以下の通りである。 ・667BDRM型SSBNトゥーラによるシネワSLBMの発射(バレンツ海からカムチャッカ半島のクラ射爆場へ) ・RS-24ヤルスICBMの発射(プレセツク宇宙基地から同じくクラ射爆場へ) ・Tu-95MS爆撃機2機による空中発射巡航ミサイルの発射

    第241号(2023年10月30日) 長引く戦争に備えたロシア・ウクライナ双方の動き|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2023/10/31
  • 第240号(2023年10月23日) 戦略核部隊大演習の予兆 日本周辺から消えるロシアの防空システム|ユーリィ・イズムィコ

    【今週のニュース】ロシアの戦略核部隊大演習間近か ほか太平洋艦隊に新たなSSBNが配備ルィバチー基地に到着したSSBNスヴォーロフ ロシア国防省テレグラム 10月16日、太平洋艦隊の原潜基地があるカムチャッカ半島のルィバチー基地では、新たな原子力潜水艦の配備記念行事が実施された。配備されたのは955A型(ボレイ-A型)弾道ミサイル搭載原潜(SSBN)、ゲラリスムス・スヴォーロフ(スヴォーロフ元帥)で、昨年配備されたクニャージ・オレグ(オレグ太公)に続いて2隻目。2014-16年に配備された955型(ボレイ型)SSBNと併せて、これで太平洋艦隊配備の955型シリーズは計4隻となった。 MoD RF: "At the base of the submarine forces of the Pacific Fleet in Vilyuchinsk, a ceremonial meeting of

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    toronei 2023/10/25
    北方領土や樺太・千島からも兵隊ものすごい減ってるらしいね。
  • 第239号(2023年10月16日)プーチンの核実験カード|ユーリィ・イズムィコ

    【今週のニュース】ショイグ国防相がミサイル工場を訪問 10月6日、ロシアのショイグ国防相がクラスノヤルスク機械工場(クラスマッシュ)を訪問した。クラスマッシュはロシアで唯一の液体燃料弾道ミサイルの生産拠点であり、現在はサルマート超大型大陸間弾道ミサイルの生産が行われている。訪問中、ショイグは、サルマートの実戦配備が間も無く始まるだろうと述べた。 2024年のロシア国防費は10兆ルーブル超えへ 来年度のロシア連邦予算案が下院に提出された。第237号で触れたように、来年度の国防費は10兆ルーブルを超えるとの見方があったが、果たして10兆7800億ルーブルという史上空前の規模になったようである。 報道ではこれを「1.7倍」と表現する場合が多いが、比較対象である今年度予算はすでに戦費でかなり膨れ上がっているため、まだ「平時」であった2021年度以前と比べた方がよいだろう。この基準でいうと、来年度の

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    toronei 2023/10/18
  • 大声で、泣いちゃった|ユーリィ・イズムィコ

    Su-25攻撃機が低空で激しい機動を行いながら飛び去っていった。 故郷の千葉県が戦場になったのだ。 そういう夢を見た。『この世界の片隅に』の片渕監督と会談をして、そこで「軍都としての千葉県」といった話をした夜だったから、何故こういう夢になったかは明らかだ。 しかし、悲しかった。 僕は少し込み入った狭い坂道の途中にある駐車場まで車を取りに行って、その途中で自分の生まれて生きた千葉県の空をロシアの攻撃機が飛んでいたから、コンクリートの壁に額をついてオイオイ泣いた。 案外とこういうことかもしれなくて、人間は「県」とか「市」とかまで降りて来ないと戦の惨禍見たいのが実感できないのかもしれないですね。 それにしても僕は故郷を憎んでいるようで、やっぱり戦場になったら泣くんだなぁ。

    大声で、泣いちゃった|ユーリィ・イズムィコ
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    toronei 2022/06/02
  • 第155号(2021年11月29日)現実味を増すロシアのウクライナ侵攻シナリオ 猫と暮らせば ほか|ユーリィ・イズムィコ

    【NEW CLIPS】ちょっとかわいいロシア軍の石型偵察ロボットロシア空挺軍アカデミーの学生が開発した石型偵察ロボットの画像が国防省のテレビ局「ズヴェズダ」で公開された(『ズヴェズダ』2021年11月27日) 【インサイト】現実味を増すロシアウクライナ侵攻シナリオ今年秋に入ってから、ウクライナ国境にロシア軍が再び集結していることが注目を集めています。先週、米軍事専門誌『ミリタリー・タイムス』がウクライナ国防情報局のブダノフ局長に対して行なったインタビューによると、集結しているロシア軍は9万2000人、計40個大隊戦術グループ(BTG)に及び、1月から2月に掛けて侵攻作戦を行う準備を進めているとされています。 また、『ミリタリー・タイムス』に対してブダノフ局長が提供した地図によると、ロシア軍はベラルーシにも自動車化歩兵部隊と空挺部隊を展開させており、これが事実ならばベラルーシはいよいよロシ

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    toronei 2022/03/05
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