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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (134)

  • 「本のない家庭」で育った、ポール・オースター...ジャンルを超越し、人間を見つめた「文学の天才」の人生とは?

    <卓越した物語で読者を魅了した米現代文学の巨匠ポール・オースター。その知性と革新に満ちた、偉大な足跡を振り返る> 4月30日に77歳で死去したポール・オースターは、1950年代のニュージャージー州の「のない家庭」で育った。人間の行動や変化する世界の複雑性にこだわるオースター流の視点を養ったのは、そんな世界だ。 文学に情熱を傾け、書くことに魅了されていた「ニューヨークのユダヤ人青年」時代には、コロンビア大学で英文学を学んだ。 「ニューヨーク三部作」を発表し、文学シーンに根を下ろしたのは80年代。実存主義や不安というレンズを通じて、ハードボイルド小説と力みのないポストモダン文学の形式を巧みに融合した超ジャンル的な作品群だ。 「三部作」を構成する『ガラスの街』(邦訳・新潮社)、『幽霊たち』(同)、『鍵のかかった部屋』(邦訳・白水社)は見事に入り組んだプロット、謎めいた登場人物、言語やアイデンテ

    「本のない家庭」で育った、ポール・オースター...ジャンルを超越し、人間を見つめた「文学の天才」の人生とは?
  • フランス人記者が見た日本の「離婚後共同親権」が危うい理由

    <5月に成立した民法改正法により日でも26年から離婚後の共同親権が可能になるが、「外圧」による中途半端な制度では誰も得しない> 5月17日に国会で成立した民法改正法により、日でも離婚後の共同親権が2026年から可能になる予定だ。 この重要な変化の背景には外圧があった。日人と外国人の国際結婚が増えたことで、国際離婚も増加。日人の親(主に母親)が外国人の親の同意を得ずに子供を連れ去る例もあり、国際問題になっている。 日では離婚すれば多くの場合、子供と同居する親が親権を取り、もう一方の親は子供に会えない状況になりがちだ。家庭内暴力(DV)などの理由で逃げる親もいるので、必ずしも子供を連れ出したほうが悪いとは言えないが、海外では「子供を誘拐した日人の親は犯罪者」と紹介されることが多く、大きな社会問題になっていた。 20年7月には欧州議会が、日人の親による「子供の連れ去り」を懸念し、共

    フランス人記者が見た日本の「離婚後共同親権」が危うい理由
  • 現実味を増すトランプの再選...「現代の平民」が見ている、カリフォルニアの「テック貴族」が支配する「封建制」とは?

    不倫口止め料支払い事件で法廷に立たされ、あれだけメディアに叩かれながらも支持率は一向に落ちそうにもない。普通なら政治家として一発退場の事態だ。だが逆に支持が強まる気配さえうかがえる。 投票日まで半年を切ったアメリカ大統領選挙。「それでもなぜ、トランプは支持されるのか?」。世界中が首を傾げている。報道を追っても、支持の論理がまったく読めない。挙げ句の果てにトランプ支持者は陰謀論に欺されている、と言って納得した気になる。 国民の半分が欺される? そうではなく、多分、一種の意味の転倒が起きているのだ。これまでの常識が通じなくなった。そのような事態を普通、「革命」と呼ぶ。 「それは反乱か」 「いいえ陛下、革命です」 1789年7月14日バスティーユ監獄陥落の報を国王ルイ16世に伝えた公爵は、そう答えた。フランス革命の始まりである。おそらく2016年大統領選挙でトランプが選出された時から革命的事態が

    現実味を増すトランプの再選...「現代の平民」が見ている、カリフォルニアの「テック貴族」が支配する「封建制」とは?
  • アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)とは

    <昨今のいわゆるウォーキズム(日の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか)へのカウンターとして「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)という概念が話題だ。ようやく米国の右派が、左派と勝負できるだけのナラティヴを手に入れつつある......> 米国で「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)という概念が話題になっている。元は2019年ごろににちょっと話題になったらしいのだが、私は見逃していた。それが提唱者のロブ・ヘンダーソンが最近自伝「Troubled」を出したこともあって見直され、昨今のいわゆるウォーキズム(日の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか)へのカウンターとして持ち出されているようだ。 ヘンダーソンの顔を見ると分かると思うが、ヘンダーソンという欧米系の姓の印象に反して、彼はアジア系米国人である。彼の母親は韓国からカリフォルニアに渡り、大学を中

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品としての信念」(luxury beliefs)とは
  • ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

    ウクライナ特殊部隊「グループ13」が水上ドローンでロシア軍の哨戒艇2隻を破壊。緊張感あふれる攻撃の様子が映像に収められていた> ロシアの支配下にあるクリミア半島で、ウクライナ軍の水上ドローンがロシア軍の艦船を攻撃した瞬間を捉えた新たな動画が公開された。頭上のヘリや前方の艦船からの銃撃によって海上にいくつも激しく水柱が上がるなか、それを回避しながら進むドローンが、最後には標的の艦船に突撃・自爆する緊張感あふれるシーンが収められている。 ■【動画】ロシア黒海艦隊、水上ドローン攻撃に「なす術なし」...ヘリの機銃掃射を回避し「自爆攻撃」を成功させる緊迫シーン ウクライナ国防省情報総局(GUR)は5月30日、ウクライナの特殊部隊「グループ13」が水上ドローンを使ってロシア軍の哨戒艇2隻を「破壊した」と発表している。 GURがインターネット上に投稿した短い動画には、少なくとも1隻の水上ドローンがヘ

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間
  • 「同性婚を認めると結婚制度が壊れる」は嘘、なんと男女間の結婚まで増えた──米国調査

    同性婚の合法化後、婚姻率は全体的に上昇し、養子縁組も増加した。最新調査で分かった同性婚合法化による好影響の数々> 同性婚結婚という制度にダメージを与えるのか。「結婚の平等」反対派の懸念とは裏腹に、同性婚を合法化しても異性間の婚姻に悪影響はないことが明らかになった。 米シンクタンク、ランド研究所とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)は5月中旬、新たな研究報告書を発表。同性婚の法制化は異性カップルの婚姻率や離婚率に影響を与えないばかりか、全体的な婚姻率の上昇につながっているという。 好影響はまだある。LGBTQ+(全ての性的少数者)の身体的健康の向上やヘイトクライムの減少、婚姻カップルによる養子縁組率の上昇だ。 「同性カップルの結婚の権利を認めれば、結婚制度が弱体化し、婚姻件数の減少や離婚件数の増加、家族形成の回避を招くと、反対派は予想していた」。報告書の共著者であり、UCLA社会

    「同性婚を認めると結婚制度が壊れる」は嘘、なんと男女間の結婚まで増えた──米国調査
  • 反ユダヤと無縁だったイギリスに広がる反ユダヤが危険な理由

    パレスチナ支持と共に反ユダヤの感情が広がる(ロンドンでのパレスチナ支持デモ) KRISZTIAN ELEKーSOPA IMAGESーREUTERS <イスラエルによるガザ攻撃を受けてイギリスでも反ユダヤ感情が蔓延している。反ユダヤ主義が表面化することなどなかった現代のイギリスで、なぜ今こんなことになっているのか> ロンドンで最近、警察官がある男性に対して、彼が「見るからに」ユダヤ人で、「敵意を招く」可能性があるから親パレスチナデモを迂回して行くように、と注意する映像が公開され物議を醸した。法を守っている市民が首都を自由に歩くこともできないのかと世間は憤慨したが、警察官の忠告は男性の安全を考えてのことだ、という理解も一部にはあった。 5月にイギリスでは、地方自治体の選挙で、地域や国の問題ではなく国際問題を訴える候補者が相次ぐという奇妙な現象が起こった。ムスリム人口が多い地域では、パレスチナ自

    反ユダヤと無縁だったイギリスに広がる反ユダヤが危険な理由
  • 中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

    2024年4月23日、中国・上海で開催された中国海軍「オープン・シップ・デイ」 CFOTO via Reuters Connect <中国がドローン空母建造か? 世界有数の海軍の編成を目指す中国に、アメリカの懸念が高まる> 中国海軍が、ドローン専用の空母を建造しているとみられると軍事情報メディアが伝えた。専門家は、この空母が軍備競争のゲームチェンジャーになり得ると指摘している。 国際安全保障専門家のサム・ロゲビーンはこの軍艦について、「作戦船というよりテストプラットフォームかもしれない」と誌に語った。 海軍専門メディアのネイバルニュースは5月15日、米ミッチェル研究所のJ・マイケル・ダーム上級研究員が分析した衛星画像に基づき、この空母の存在を明らかにした。 新型空母とみられる軍艦は中国江蘇省で建造中で、空母としては異例の双胴船だ。 中国は076型強襲揚陸艦も建造中で、ドローン空母としても

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?
  • 汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏最新インタビュー

    OpenAIの最新大規模言語モデル(LLM)「GPT-4o(フォーオー)」の発表前日に、OpenAICEO、サム・アルトマン氏のインタビュー動画がリリースされた。同氏のインタビュー動画は珍しくないが、インタビューしたのがシリコンバレーの著名投資家たちで、GPT-4oの前日リリースということで個人的に気になるところをメモした。 テクノロジー業界の最大の関心事と言えば、OpenAIのLLMの次期大型アップデートであるGPT-5がいつリリースされるのか、ということ。GPT-5に関する答えを期待して聞くとアルトマン氏が明確な回答から逃げているように聞こえるので、「内容のない最悪のインタビュー」とコメント欄で酷評される結果になっている。しかしGPT-4o発表後に聞き直すと、アルトマン氏はOpenAIの方針について真摯に答えており、GPT-4oがその方針に従った形でリリースされたことが分かる。注意深

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏最新インタビュー
  • 少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

    <子供を産まない最大の理由は「お金」といわれる。政府は巨額を投じ少子化対策を推し進める。でも、ふと思う。子育てに希望を持てていない人が多いのでは?> 子供のいる人みんなに聞いてみたい。「子育ては楽しいですか?」 独身の人、子供のいない夫婦にはこう聞いてみたい。「子育てにどんなイメージを持っていますか?」 5月5日、こどもの日。4人の息子がいるわが家では今年も4匹の鯉(こい)が風になびいていた。だがこの鯉のぼり、一般家庭で目にする機会は年々減っている。 マンション住まいだと鯉のぼりを揚げづらいのかもしれないが、住環境の変化だけが理由ではないだろう。厚生労働省によれば、昨年の出生数は75万8631人(速報値)と、過去最少を更新した。なぜ日人は子供を産まなくなってしまったのか。 少子化は日だけの問題ではない。中国でも1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が過去最低の1.09(20

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?
  • 日本の大学にもパレスチナ支持デモが広がっているが......

    アメリカの反イスラエルデモは依然として全土で続いている(写真はカリフォルニア大学デービス校) Penny Collins /REUTERS <日政府は一貫してパレスチナと「二国家解決」を支援してきており、イスラエルを軍事支援している米政権、民間資とは立場が全く違う> イスラエル国軍(IDF)によるガザ地区への侵攻に抗議するデモが日の大学キャンパスでも起きているようです。報道によれば少なくとも早稲田、青学、東大では動きがあり、早稲田では大隈像の前での活動、青学ではガザ問題に関するを読もうという「読みデモ」、東大では「パレスチナ連帯キャンプ」が出現したようです。 これは勘違いだとしか言いようがありません。 実際は、各大学数名の小さな動きなのかもしれません。ですが、参加せずに行き過ぎる他の学生が、「当は参加したいのだが、就職などを考えるとできない」などという、無意味な無力感を感じたり

    日本の大学にもパレスチナ支持デモが広がっているが......
  • 「現代のネロ帝」...モディの圧力でインドのジャーナリズムは風前の灯火に

    <モディ首相の強権的な手法によって、批判的な報道が抑え込まれ、インドの主流メディアは政権の広報機関と化しつつある。「世界最大の民主主義国」に迫る暗雲> 「インドのような民主主義が前進できるのは、監視機能が作用しているからこそだ」 4月に総選挙の投票が始まる直前、インドのナレンドラ・モディ首相はニューズウィークのインタビューでこう述べた。「この点でインドのメディアは重要な役割を果たしている」し、「インドで報道の自由が損なわれているとの主張」は「疑わしい」とも語った。 記事はインタビューというより、モディのプレスリリースに近い。まずマニプール州の紛争には一言も触れていない。昨年5月以来、同州では部族間の紛争が激化し200人超の死者が出ているが、モディ政権は事態を沈静化できていない。 また、イスラム教徒が多数派のジャム・カシミール州についてモディは明るい見方を示したが、政権がこの地域で市民の自由

    「現代のネロ帝」...モディの圧力でインドのジャーナリズムは風前の灯火に
  • 国公立大学の学費増を家庭に求めるのは筋違い

    <日は各国と比較すると、教育費の公的支出が少なく、家計負担が大きい> 「国立大学の学費を年間150万円に引き上げたらどうか」という提言が波紋を呼んでいる。科学技術が進歩するなか、高度な人材を育成するにはお金がかかるため、また大学間の公平な競争環境を作るため、という理由からだ。国公立と私学の学費を同水準にすべきという趣旨で、もし提言の通りになれば国公立大学の学費が3倍に爆上げされることになる。 これには多くの批判が上がっていて、「低所得世帯の子が大学に行けなくなる」という声が多い。地方では、学費が安い(地元の)国公立大学が頼みの綱で、「国公立大学進学か、あるいは就職か」という2択を迫られている家庭も少なくない。 地方において、国立大学への依存度が高いことはデータで表せる。筆者の郷里の鹿児島県を例にすると、同県の高校出身の大学入学者は6373人で、うち国公立大学に入った者は2275人(202

    国公立大学の学費増を家庭に求めるのは筋違い
  • 魔法の薬の「実験体」にされた子供たち...今も解決しない英「薬害エイズ事件」、なぜ日本と差がついた?

    血液製剤スキャンダルの犠牲者追悼集会で、HIVとC型肝炎に感染した弟の写真を掲げる遺族(2024年5月) Hollie Adams-Reuters <血液製剤の実験に使われたイギリスの血友病の子供たち。民事訴訟で被告企業が責任を全面的に認め和解が成立した日との違いとは?> [ロンドン発]英国で1970~91年にかけ、汚染された血液製剤や輸血で3万人以上の人々がヒト免疫不全ウイルス(HIV)や肝炎に感染し、約3000人が死亡したNHS(国民保健サービス)史上最悪の医療災害で調査委員会は5月20日、5年にわたる調査の最終報告書を公表した。 最終報告書は「この医療災害は回避することが可能であり、回避されるべきだった。患者は故意に『容認できないリスク』にさらされた」と結論付けた。さらに英国政府、医師、NHSが感染を隠蔽しようとしたと非難した。 英南部ハンプシャー州の医療と教育を同時に行う施設「ト

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  • 「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派組織兵」の詩人だった

    <白昼堂々のスロバキア首相暗殺未遂事件の衝撃、そして犯人の皮肉な正体について> 白昼の暗殺未遂事件だった。5月15日、スロバキアのフィツォ首相が同国中部での政府会合の後、外に出たところで至近距離から銃撃された。容体は安定しているものの深刻な状態が続いているという。 現場で拘束された犯人は、南西部レビツェに住む作家・詩人のジュラジ・チントゥラ(71)だと、現地メディアは報じた。元警備員で、合法的に銃を所持していたという。 隣国ハンガリーのある調査報道ジャーナリストによれば、チントゥラは親ロシア派組織「スロバキア人徴集兵」の関係者だった。一昨年まで存続した未登録の民兵組織で、指導者は元ロシア軍特殊部隊員から訓練を受けていた。 フィツォは昨年9月の総選挙後、3度目の首相に就任。選挙戦中はウクライナへの軍事支援停止を公約に掲げ、対ロシア制裁を非難していた。 親ロシア派首相が、親ロシア派のナショナリ

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派組織兵」の詩人だった
  • 中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日本に続々、本当の日中友好は逃亡者がつくる

    中国で活動停止中のシンガー・ソングライターが最近、日で開いたコンサートが在日中国人の間で話題になった。古来、中国の体制転換期には文化人やエリートが日に逃れ、高度な技術や知識を持ち込んできた。現在の様子は昔の王朝交代の時ととても似ている> 近頃、在日中国人のSNS上で最も騒がれた話題は中国のシンガー・ソングライター李志(リー・ジー)の日ツアーだ。 1978年、江蘇省常州市に生まれ、今は南京に住む李志は、2004 年にデビュー曲「禁じられた遊び(被禁忌的遊戯)」で注目された。日常的な生活や社会をありのまま表現し、天安門事件を歌った「広場」や、独裁政権の下で思考停止した社会を皮肉る「人民は自由を必要としない(人民不需要自由)」を発表。2019年に「品行が方正でない」という理由で公式サイトや個人アカウントが中国ネット上から消え、CD棚からも撤去された。 中国国内で音楽活動がほぼ停止させられ

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日本に続々、本当の日中友好は逃亡者がつくる
  • ウクライナ各地の戦場に続々と出現する、ロシア軍「亀戦車」...防御力の弱さ露呈した「撃破」動画

    <FPVドローンなどによる攻撃から車体を守るため、金属製の防御用金網などを取り付けたロシア軍戦車がウクライナ各地で目撃されている> ウクライナ東部ドネツク州の前線で攻勢を強めるロシア軍。戦闘はウクライナ全域で繰り広げられているが、最近これらの前線にロシア軍が次々と投入しているのが「亀戦車」だ。これは攻撃から車体を防ぐため、金属製の防御用金網などを取り付けた戦車だが、新たに公開された映像を見ると、正確な砲撃に対する「甲羅」の防御力は不十分であることが分かる。 ■【動画】ロシアが続々投入「異形の新型戦車」、防御力の弱さ露呈...砲撃で次々「撃破」する映像をウクライナ公開 ウクライナ東部で展開する同国の第79独立空中強襲旅団は5月14日、短い動画を公開した。そこに映っているのは、ドネツク州の村ノヴォミハイリフカ周辺で、戦闘車両17台で構成されたロシア軍の部隊が、ウクライナ軍の部隊を攻撃している様

    ウクライナ各地の戦場に続々と出現する、ロシア軍「亀戦車」...防御力の弱さ露呈した「撃破」動画
  • つばさの党「選挙妨害」で即座に法改正すべきでない理由

    今回のAIイラスト:仁義なき「妨害合戦」になれば目も当てられない AI GENERATED ART BY NEWSWEEK JAPAN VIA STABLE DIFFUSION <選挙大好き芸人・プチ鹿島さんが、先の衆院補選で「つばさの党」から被った迷惑とは?「選挙妨害」は表現の自由なのか、公職選挙法改正で対応すべきかも実体験や報道から考えます> 4月28日に行われた衆院3補選。「自民党全敗」の報道が多かったが、今後の選挙という点ではもう1つ大事な論点を生んだ。東京15区の補選で、政治団体「つばさの党」陣営が他の候補の選挙活動の「妨害」を繰り返し、選挙妨害なのか選挙活動に当たるのか、議論を呼んだのだ(編集部追記:5月13日、警視庁は公職選挙法違反の疑いでつばさの党の事務所などを家宅捜索、17日に党代表ら3人を逮捕)。 この問題は街頭演説を見に行く「選挙漫遊」が好きな私にとっても深刻だった。

    つばさの党「選挙妨害」で即座に法改正すべきでない理由
  • 「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

    <EV大国の中国で不穏なニュースが...。そこから見える、日人が知らない「EV普及のカギ」とは> 「走行距離が年2万キロ以上のEV(電気自動車)は自動車保険に入れません」 中国のニュースサイトをチェックしていて目についた見出しだ。 仕事柄、EVについてネットの情報を調べることが多いのだが、そうすると「EVオーナーのヤバすぎる末路」みたいな動画やまとめ記事ががんがんリコメンドされてくるようになってしまう。 その手のEV末路コンテンツの定番ネタの一つが自動車保険だ。EVは修理代が高いから自動車保険がバカ高に、購入者は涙目......といった話。高いのも嫌だが、保険に加入できないとなると死活問題だ。 というわけで、この件についていろいろ調べたり、聞いたりしている。中国の保険会社にとってEVは確かに悩みのタネで、保険料は高く設定せざるを得ない。それでもEV普及に協力するようにとの政府の圧力によっ

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?
  • EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

    中国の地方都市で「EVを買って後悔した」が過半数に。充電インフラだけじゃない、先行する中国から見えるEV完全普及への壁> 前回書いたように、中国は次々と現れるEVの課題をプチプチと潰してきた。社会実装が進み、今ではEVを快適に使えるようになった......のは確かだが、それでもすべての問題が解決したわけではない。 2024年3月、マッキンゼー・アンド・カンパニーが公表した報告書「2024年中国自動車消費者インサイト」がちょっとした話題となった。 NEV(新エネルギー車。EVとプラグインハイブリッド車を合わせた中国独自のカテゴリー)オーナーに「次に買う車は内燃車とEV、どちらにしますか?」との質問をしたところ、2022年は「次もEV!」との回答は98%と圧倒的だったのに、2023年は78%にまで急落しているのだ。 この結果を見ると「中国人がEVを嫌いになり始めたのでは!?」と反射的に結論を

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