近年、消費者適格団体は、事業者が準備している利用規約の条項について、消費者契約法違反であると主張し、活発に差止請求を行っており、比較的小規模な企業から大企業まで、多くの企業が対象となっています。ひとたび差止請求の対象となってしまうと、その対応への手間やコストがかかるだけではなく、差止請求を受けたという事実が公表されることで、企業イメージの毀損につながりかねません。無用な差止請求を受けないように、利用規約の表現を見直す必要性は高いといえます。 本稿では、消費者適格団体の近年の差止請求の動向に照らして、注意が必要な条項について解説します。 不当条項規制の概要(令和4年消費者契約法改正を踏まえて) 消費者契約法で無効となる不当条項とは 消費者契約法の目的の1つは、「消費者契約」について、「消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効」とすることにあります(1条)。消費者契約法8条