→紀伊國屋書店で購入 昨年の出版界はGoogle Book Search問題で揺れに揺れた。11月になって公開書籍の範囲を英語圏に限定するという新和解案が出て一気に熱がさめたものの、それまでは黒船来襲もこうだったのではないかというほどの騒ぎで、たいして内容のない似たようなシンポジュウムや研究会があちこちで開かれた。 たまたまその渦中で出版されたのが本書である。題名が題名だし、帯に「Googleショックの本質を衝く必読書!」とあったのを真に受けて買った人がずいぶんいたようである。 しかし本書はGoogle問題とは関係がない。本書は『新しいカフカ』で紹介されていた編集文献学という新しい学問の日本最初の翻訳である。Googleがやっているのは単に紙の本を画像で公開し、出版社や書店に代わって購読料を徴収して著作権者に配るだけだが、著者のシリングスバーグが考えているのははるかに先のことである。作品本