中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 先日、Learning barで金井壽宏先生がおっしゃっていた言葉で、非常に印象的なものがあった。 それは、 「組織が主語になる言葉は、怪しい」 ということである。 組織が主語になる言葉といえば、組織変革、組織社会化、組織学習・・・枚挙にいとまがないほど思いつく。 私たちも、日々、「組織が変わる」「組織が一体感をもつ」という風に「組織を主語」にして、ものを語ることが多い。 しかし、よくよく考えてみれば、「組織」は「組織」として主体性をもっているわけではない。存在するのは「個人」、そのひとである。 ミクロに見ていけば、変わるのは「組織」なのではなく、「個人」である。学習する主体はもちろん「個人」であって、「組織」など