KIRINJI『愛をあるだけ、すべて』インタビュー ~現代のポップ・シーンを前にさらにモダンなプロダクションへと踏み込んだ最新作を語る KIRINJIの新作13thアルバム『愛をあるだけ、すべて』が6月13日にリリースされた。バンドとしての再スタートを経てリリースされた前作『ネオ』(2016年)以降、“現行のシーンに投じて違和感のないアクチュアルなサウンド”であることを強く意識するようになったという彼ら。2017年末のコトリンゴの脱退以降、初のアルバムとなった本作は、バンドのそうした狙いが、もう一歩踏み込んだ地点で結実したアルバムとなっている。 その最大のポイントは、シンセサイザーやプログラミングなど、前作でも試みられていたエレクトロニックなプロダクションのさらなる導入。兄弟「キリンジ」時代から、スタジオでの緻密な作業を元にしながらも、あくまでアナログ的な音楽の良さを前面に伝えてきた彼らの