残業手当の割増を高めれば残業は減る 上野 千鶴子(以下、上野):働き方を改善するためにはどうすればいいのか。私がかなり前から提案している処方箋は3つあります。1つは定時退社。 出口 治明(以下、出口):残業しないということですね。 上野:そうです。残業時間を減らすなら、残業手当を最初の1時間から賃金を5割増しにすればいいんです。そうしたら企業側が定時で帰れと言うようになります。 ところが働き方改革でホワイトカラーエグゼンプションが出てきました。労働時間ではなく成果で評価するという制度ですが、今後テレワークが増えると、夜中まで働こうが自己管理しなさい、となることも考えられますから、結局、骨抜きにされる可能性が高いです。 2つ目が年功序列給与体系の廃止、そして3つ目が同一労働同一賃金です。これだと転退職が不利になりません。 出口:僕もその3つには大賛成です。 上野:2020年4月から同一労働同