ネロとパトラッシュを迎えに来るような感じの天使たちが、 アパートのベランダから続々と侵入してきた。 俺は「キャー! キャー!」と女性のような高い声で悲鳴を上げながら、 枕、毛布、ぬいぐるみなどを天使に投げて追い払った。 テレビに映っていたアナウンサーが「見出しに『てんちむ』という言葉が入っているニュースは開くな! 時間の無駄だ!」と叫んだ。 天使たちは部屋の窓際に何やら、書物のようなものを置き、空へと再び飛び去って行った。 窓から差す光に照らされて、書物が白く光っているように見える。 あれは、聖書…? もしくは何かしらを啓示するための重要な本? 俺は窓のほうへ恐る恐る近づき、天使たちが置いていった本の表紙を確認した。 漫画「板前鬼政」の1巻を読んだ俺は、すっかり2巻以降も読みたくなり、 ブックオフを巡り、無事に全巻を揃えることに成功したのだった。 問題はなぜ、天使たちが俺に「板前鬼政」を届