「美談にしたいだけだ」という意見も受け止めます。確かに私はこの話を美談として記憶に留めています。大変な思いをした方がいらっしゃるのは重々承知の上、あくまでも私の目で見た、私の体験を書きましたという事を前置きさせて頂きます。 毛先から滴る雨水を含んだ綺麗な金髪を掻き上げると、また意志の強い瞳を客席に向け、体調を崩したファンを目ざとく見つけてはスタッフに引き渡す。 緊張感の中でもファンに声かける瞳はいつもの優しいまなざしだったから、余計にその姿はまるで本物の王子様のようだった。 不謹慎にも、 ああ、この景色はきっと、どんな芸術よりも美しい。 そう思ってしまった。 (読み返したら当時の日記に書いてあった言葉です。高2のクソガキでした) 2013年7月27日。 いわゆる、<パーナさん事件>です。 報道されているよりもっとずっと素敵でドラマティックで美しく、形容しがたい時間でした。 言葉にできないけ