コーヒーの苦みを「おいしい」と感じるようになったのは、いつの頃だったでしょうか。コーヒーの独特で複雑な味わいは、子どもの頃に飲んだミルク缶コーヒーとはまったく違う大人の味です。 コーヒーの木はアフリカ原産で、古くは葉と実をお茶のようにお湯で出して飲用していました。コーヒーの豆を最初に煎って飲んだのは14世紀のイエメンだという説があります。その後、18世紀にヨーロッパへ伝わり、アメリカ大陸の植民地に持ち込まれたことがきっかけで、南米が一大産地になりました。 コーヒーを煎るようになった直後は、粉砕した豆を砂糖水と共に鍋に入れ、沸騰させた上澄みを飲んでいました。この飲み方は今でも中東では行われていますし、日本でもこの方法で淹れたコーヒーを出す喫茶店もあります。 ですが、味も食感も悪い豆の粉が口に入るため、あるときフランス人が布袋の中に豆の粉を入れることによって、ティーバッグのようにして透明なコー