「時論公論」のこれまでのエピソード一覧です
「これは愛なのだと思い込もうとしても、体の内側から朽ちていくような感覚があるはず」 公認心理師の信田さよ子さんは、精神的DVを受けている被害者の心情をそのように表現します。殴る蹴るのような身体的暴力と違って、精神的DVは、被害にあっている本人もわかりにくいものです。信田さんに、精神的DVを受けた方々の体験談を読んでいただきながら、「被害の実態」について伺いました。 ハートネット「みんなの声」に寄せられた体験談はこちらから読めます。 【プロフィール】 信田さよ子さん(公認心理師・臨床心理士) 日本公認心理師協会会長。日本臨床心理士会理事。HCC原宿カウンセリングセンター顧問。 長年にわたりDV被害者・加害者へのカウンセリングを実施している。 日常生活に溶け込んでいる精神的DV 国の調査(男女間における暴力に関する内閣府調査 2020年度)では、女性の14.6%、男性の10.2%が「心理的攻撃
“望まない妊娠のすべての原因が男性にある” こんな言葉から始まる書籍「射精責任」が7月に販売され、大きな反響を呼んでいます。 刺激的なタイトルや内容に賛否が集まるなか、性犯罪加害者を対象とした性教育プログラムにこの書籍を利用しているという専門家がいます。 活用しはじめた理由や、本から読み解いたことについて聞きました。(全2回の後編/前編はこちら) (首都圏局/ディレクター 田中かな) 「射精責任」で性的同意を学び 対話のきっかけに 「射精責任」はアメリカの人気ブロガー、ガブリエル・ブレアさんが執筆し、アメリカでベストセラーに。7月に日本でも翻訳本が発売されました。 望まない妊娠の原因は男性にあること、また男性にとって望まない妊娠を避けるのは難しくないことを主張し、その理由についてさまざまなデータを用いて語っています。 書籍の内容や、書籍を使った大学での授業を取材した記事はこちら。 前編記事
臨床心理士 村中 直人 今日は〈叱る〉という身近な行為を科学的な知見から改めて捉え直し、上手く付き合っていくために必要なことをお話しいたします。最もお伝えしたいことは、〈叱る〉という行為には叱る側のニーズを強く満たす側面があり、人は叱らずにはいられない、依存的な状態におちいってしまうことがあるということです。 私は臨床心理士で、発達障害とカテゴライズされることの多いニューロマイノリティ、つまり脳や神経の働き方が少数派な子どもたちへの支援、およびその領域の支援者の養成に取り組んできました。発達障害と診断された子どもたちは、叱られることが非常に多い子どもたちでもあります。そのため様々な場面で、子どもたちが叱られ続ける状況を身近に見てきました。その中で私が不思議に思っていたのは、私の出会った叱り続ける保護者の方たちの多くが、お子さんを心から愛し、また人格的にも素晴らしい方たちだったということでし
「管理職になりたくない」と答えた人は77%にのぼります(民間企業のアンケート調査より)。「日本の管理職は罰ゲームのような状況。チームのなかでこぼれた仕事をやらなければならないし、部下の属性や価値観が多様化してコミュニケーションをとるのも相当難しくなっている」と専門家は指摘します。 どうすれば管理職の負担を減らすことができるのか。「管理職のポストをあえて廃止する」「孤立しがちな管理職が相談できる場所を作る」など、課題に向き合う現場に密着取材しました。 (首都圏局/ディレクター 梅本肇・高瀬杏・竹前麻里子) 密着 管理職の現状とは… 管理職の働き方に課題を抱え、改善に乗り出そうとしている企業が取材に応じました。自動車や新幹線などに使われる部品、ベアリングの大手メーカーです。 技術開発部門の課長職にあたる千布剛敏(ちふ・たけとし)さん(46歳)に密着取材させてもらいました。管理職になって4年。担
拓巳さん、当時19歳。陸上自衛隊白老駐屯地の陸士長でした。 川島五月さん 「息子の死について、そこですね。死について、はっきりしたことをわかりたい。その思いだけです。」 幼いときに父親を亡くした、拓巳さん。早く働いて家計を支えたいと、高校卒業と同時に自衛隊に入りました。 拓巳さんに異変が見えるようになったのは、入隊から9か月がたったころ。眠れないなど、体調不良を訴えるようになりました。24時間即応態勢で、先輩と同じ部屋で暮らす寮生活が続いていた拓巳さん。母・五月さんによれば、拓巳さんは先輩から繰り返し『死ね』と言われたり、不要な掃除や腕立て伏せをさせられたりして、『死にたい』と漏らしていたといいます。五月さんは自衛隊に出向き“息子をやめさせて欲しい”と申し入れましたが自衛隊との話し合いの結果、翌年3月まで務めることに。 しかし、それを待たず拓巳さんは自衛隊の寮内で、みずから命を絶ちました。
性別や学歴、収入によって、命の価値が大きく変わる現実がある。3年前、小学生が下校中に暴走した重機に巻き込まれて亡くなった。損害賠償を争う裁判で被告側は、聴覚障害を理由に賠償額の大幅な減額を主張。その根拠となったのが「逸失利益」だ。将来得られたはずの収入をもとに算出するもので「障害で女性労働者の平均収入の40%にとどまる」としてきたのだ。命の格差、あなたはどう考えますか?
「見るのも嫌だ」 同性婚をめぐる前総理大臣秘書官の差別的なことばへの批判がやまない。 そんな中、国会で焦点に浮上しているのが、性的マイノリティー、LGBTの人たちへの理解を増進するための法案の扱いだ。その行方は。 (唐木駿太 高洲康平 米津絵美) 【リンク】「差別は許されない」はダメ? LGBT法案に揺れた自民党 一気に広がる批判 「えっ?今なんて言った?」 2月3日。金曜日の深夜。 ふだんなら静かなはずの総理大臣官邸が、いつになく騒がしくなっていた。 その直前、官邸では、総理大臣秘書官(当時)の荒井を10人ほどの記者団が囲んでの、“オフレコ取材”が行われていた。情報の発信元を明らかにせず、匿名を前提とした取材のことだ。 荒井は、その場で同性婚への見解を問われ、次のように口にした。 「見るのも嫌だ。隣に住んでいたら嫌だ。国を捨てる人が出てくる」 耳を疑うことばだった。 そして、一部報道機関
最新のデータで、感染者数が1万3千人と現在の方法で統計を取り始めた1999年以降、過去最多となった「梅毒」。さらに、りん病やクラミジアなどの性感染症がじわじわ広がっています。一体なぜなのか?SNSやアプリなどで不特定多数の相手と性交渉する人で感染のリスクが高いことが調査で判明。さらに、配偶者など特定のパートナーとしか性交渉しない人にも感染が広がっている実態も。いま何が起きているのか?身を守る方法は?徹底解説しました。
本稿では、NHK放送文化研究所が、国際比較調査グループ(ISSP)の一員として2019年11月に実施した、社会のさまざまな格差意識を探る「社会的不平等」に関する調査の日本の結果について、1999年と2009年の調査結果との時系列比較を中心に報告する。 今回の調査結果からは、低所得層の増加を背景に、「日本の所得格差は大きすぎる」と思う人が20年前に比べて増加するとともに、日本の「社会構造」が、中流層より下流層が多い構造になっていると感じる人が多くなり、自分が社会のどの階層にいるかという「階層意識」についても、中流よりも下の階層にいると思う人が増えていることが分かった。 その一方で、日本が「学歴がものをいう社会」や「お金があればたいていのことがかなう社会」だと思う人が減り、「自然や環境を大切にしている社会」「人との結びつきを大事にする社会」「努力すればむくわれる社会」だと思う人が増えていること
“無理やり勃起させられ、覆いかぶさるように挿入させられました” “手錠で拘束され、無理やり射精させられました” “男が被害者だなんて信じてもらえないと思い、誰にも相談しませんでした” これは、性暴力の被害に遭ったという男性たちのことば。取材班の元に、約400人の男性が声を寄せてくれました。 挿入“される”被害より、挿入“させられる”被害が多いこと、社会の無理解や偏見に苦しめられていること、そして誰にも言えずに孤立していること・・・。勇気を振り絞って明かしてくれた、男性たちの思いに耳を傾けます。 (「性暴力を考える」取材班) ※この記事では性暴力被害の実態を広く伝えるため、被害の詳細について触れています。フラッシュバック等 症状のある方はご留意ください。
東京都議会選挙 特設サイト 6月25日告示、7月4日の東京都議会議員選挙。開票速報を実施します。候補者の情報や政策、過去の結果や歴史なども掲載しています。
「なぜ、若い女性が戻ってこないんだろう」 こう真剣に考えた街がある。 兵庫県豊岡市だ。 社会的な男女の格差「ジェンダーギャップ」こそが、大きな原因ではないか。 街をあげた取り組みが動き出し、全国的に注目され始めた。 その直後、旗振り役だった市長が選挙で落選。 この街で何が起こったのか。3か月間、街の人たちに密着した。 見えてきたのは、未来の理想と今の現実の狭間で揺れる地方都市の姿だった。 (金麗林、依田真由美、布浦利永子) 若い女性がすーっといなくなる… 兵庫県北部の日本海に面する豊岡市。 東京23区よりやや広い面積におよそ8万人が暮らしている。 志賀直哉の小説でも知られる城崎温泉があり、ズワイガニやホタルイカの産地でもある。 この市で、4期16年にわたって市長を務めてきたのが中貝宗治(66)だ。 コウノトリの野生復帰を実現させたほか、「演劇のまちづくり」など“突き抜けた政策”を次々と打ち
子育てや介護の当事者になりきって働くという、ユニークな研修を導入した大手飲料メーカー。こちらの男性社員は「介護コース」を受講中で、1か月間母親を介護しているという架空の設定の下で働きます。研修の期間中、原則残業は禁止。必ず定時で帰ります。さらに、親の体調が悪化したなど、呼び出しの電話がかかってきた場合、仕事を中断して退社するルールです。 制約のある働き方を強制的に経験することで、社員の意識変化と業務の効率化につなげるのがねらいです。 研修受講者 根津拓登さん 「時間内に終わらせるようにしないといけないなと思って、仕事のしかたを変えないといけないというのを痛感しました。」 この研修は3年前、若手女性社員たちの切実な声をきっかけに生まれました。研修を提案した樋口さんは、当時、子育てをしながら働く営業担当の女性が少ないことに危機感を持っていました。 樋口麻美さん 「ロールモデルもいない、ママにな
ロシアのプーチン大統領は先週、就任式に臨み、2030年までの通算5期目の任期をスタートさせました。大統領の“野心”と課題について解説します。
ことし1月。私たち取材班のもとに、30代女性から衝撃的な経験談がメールで届きました。 「去年12月、夫が3歳の娘に 性虐待を疑う行為をしているのを、偶然 目にしてしまいました。娘は泣きながら私に告白してきました。次の日に支援センターに電話し、娘はその日のうちに児童相談所に引き取られました。」 私は、すぐに女性に連絡をとり、会いに行きました。“娘が性被害に遭った。その加害者は、自分の夫。” すさまじい現実を ある日 突然 突きつけられ、穏やかな生活が一瞬にして壊されてしまった、という女性。その苦悩や悲しみ、そして娘を思う母親としての“強さ”は、想像をはるかに超えるものでした。 (報道局社会番組部 ディレクター 村山かおる) 被害を目にしたのは 自宅のリビング (メールを寄せてくれたエリさん<仮名>) 投稿を寄せてくれたエリさん(仮名)が、その現場を目撃したのは、昨年末のことでした。エリさんは
「夢のようだ」 長年の懸案が解決し、喜ぶシングルマザー。 税制改正で、「未婚」のひとり親にも、配偶者と「死別」や「離婚」したひとり親と同様に、所得税や住民税の軽減措置が適用されることになった。 ようやく破られた壁。その舞台裏に迫った。 (古垣弘人) 「差別しないで」 「未婚のひとり親を差別しないでください!」 「子どもたちを差別しないでください!」 税制改正をめぐる議論が大詰めを迎えていた去年12月10日。自民党本部の9階に、シングルマザーたちの声が響いていた。 自民党税制調査会の小委員会が開かれる部屋の前。彼女たちの表情は、切実そのものだった。 税金で「差別」 プラカードを掲げていた1人、大谷利恵さん(37)。 東京都内に住む大谷さんは、小学6年生の1人娘を持つ未婚のひとり親だ。 妊娠6か月のころ、当時、結婚予定だった男性の態度が変わったという。 結局、結婚はせず、25歳でひとり親となっ
「今からラブホに行こう」「一晩だけ我慢すれば大企業に入れるよ」…。 就職活動中の女性たちが、企業の採用担当者に言われたということばです。 職を求める弱い立場に置かれた学生が受ける“就活セクハラ”。 注目を集めるきっかけとなったのは、ことし春、女子大生がOB訪問中に相次いで強姦(ごうかん)などの被害に遭った事件でした。 取材すると、企業のセクハラ対策が進んできたにも関わらず、就活生が“蚊帳の外”に置かれ、加害者が野放しになっている実態が見えてきました。(おはよう日本ディレクター 蓮見那木子) インスタグラムでのべ195万回以上読まれた漫画があります。 20代の女性がIT企業の人事担当者から受けたというセクハラの実体験を描いたものです。 女性は、採用面接中に「君は自分の殻を破れていない」とダメ出しされ、「殻を破る方法を教えてあげる」と居酒屋に誘われます。 そこで「僕とラブホに行ってセックスすれ
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