事実婚、妊娠してぶつかった壁 「折原家の長男の嫁として」揚げ物係 「別姓」トリックではなくなる日を 「ふたたびの加奈子」「夫以外」などで知られるミステリー作家の新津きよみさんは、作中のトリックにたびたび夫婦の名字を登場させています。自身も当初は事実婚をしており、同じくミステリー作家の夫・折原一さんとは互いに夫婦別姓を望んでいました。作品の背景にある、切実な実体験を聞きました。 「新津蔵書」ができない喪失感 ーー著作には、夫婦の名字がトリックに多く登場しますね。 ミステリーと夫婦の名字って、相性がいいんですよね。 なぜかと言うと、結婚した夫婦の96%は女性のほうが名字を変えているから。「結婚したら女性は夫の名字に変わるものだ」という思い込みを利用したミステリーが作りやすいんです。 ネタバレになるのでどの作品とは言えませんが、何度も登場させています。 ーーご自身の経験も反映されていますか。 小