大翔(たいが)、結月(ゆいる)、陽菜(はな)…。 明治安田生命保険(東京)が毎年発表している赤ちゃんの名前ランキングで上位に入った名前と読み方の一例だ。一見して読むことができず、伝統的な名付けと異なる名前が、平成に入って増えてきたとされる。背景には何があるのか。専門家に話を聞いた。 「キラキラネームの大研究」著者で文筆家の伊東ひとみさん(61)によると、「キラキラネーム」と呼ばれる名前が増え始めたのは1990年代半ばごろから。ちょうどインターネットが普及し始め、難しい漢字も検索で手軽に調べられるようになってきた頃だ。 こうした名前には「読めない」「子どもがかわいそう」などのバッシングも出たが、伊東さんは「そもそも中国の文字である漢字で大和言葉を表そうとした時点で無理がある。音と文字がずれるのは日本語の宿命」と指摘する。「徳川家茂(いえもち)」のように、知らなければ読めない難読の名前は昔から