インターネット黎明期、多くの人はその可能性に胸を躍らせたものである。とくに、非対面コミュニケーションが飛躍的にしやすくなり、それによる新たなる知の創造が起こることは、大いに期待された。実際、ソーシャルメディアの登場と普及は、「普通の人」による不特定多数への情報発信という、今までにない情報発信/共有のかたちをもたらした。まさに、コミュニケーション革命といえるだろう。 しかし現在、インターネット上での自由な発信や議論について、悲観的な意見が増えてきている。その大きな要因となっていることの1つに、1つの対象に批判や誹謗中傷が集中する、いわゆる「炎上」があげられる。例えば、一般人がUSJでの反社会的行為をブログやTwitterで発信したところ拡散されて批判が集中した事例や、複数の芸能人が行っていたステルスマーケティング(注1)が露呈して批判が集中した事例等、様々な対象・様々な行為に対して炎上が起こ