自転車文化論VOL.11 マエダ工業の凋落について 現在、一般的なプロショップに於いてサンツアーの部品を目にすることは殆どなくなっ てしまった。業界再編により、モリ工業の傘下に入ったのだが、それまでXCプロMDを 作っていた一流のコンプリートの部品メーカーは、シマノのサプライ用の部品を作り始め たと思いきや、部品の制作から殆ど撤退してしまったのである。 そもそもサンツアーの歴史は、高機能のシマノに対して高耐久のサンツアーと云われる ことが多い。シマノがリヤメカに早々とダブルテンションを採用したときにも、耐久性に 影響がでるとして、パンタグラフを斜めに傾け、フリーの歯先にプーリーを近付ける工夫 をした。 シマノがフリーホイールにUGと呼ばれる変速を助けるための斜めにひねった歯先を持 っていたときも、サンツアーは変速性よりもより減りにくい歯厚のある形状をずっと保っ ていた。何よりもサ