クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(緑色)が、感染した上皮細胞の表面に現れる様子をとらえた走査電子顕微鏡の画像。(PHOTOGRAPH BY SCIENCE SOURCE) 新型コロナウイルス感染症が世界を席巻する前から、アジア、中東、ヨーロッパの一部地域にクリミア・コンゴ出血熱というウイルス感染症が広がっていた。感染すると、発熱、筋肉痛、吐き気、皮下出血などの症状が現れ、死に至ることもある。致死率は40%にも上る。(参考記事:「致死率30%の新興ウイルスが日本に定着している!」) 散発的に流行し、地域によって感染者数も異なるが、着実に増加していることをデータは示している。アフガニスタンでは、2007年に感染が確認されたのはわずか4人だったが、2018年には483人まで増えていた。2018年には、世界保健機関(WHO)によって研究開発が必要な最優先事項の一つに挙げられたが、その治療法はいまだに
新型コロナウイルスのワクチン接種を話し合う昨秋の衆院厚生労働委員会に参考人として出た直後、「当面は打たない」と公言していた免疫学の第一人者、宮坂昌之・大阪大学名誉教授(73)が、認識を一転させ、このほど2回目の接種を終えた。大阪の大規模接種会場で予診にも協力している。接種が本格化した今でも安全性に不安を抱く人は少なくないが、宮坂氏は「打たないチョイス(選択)はない」と言い切る。(霍見真一郎) ■3本の矢 「厚生労働委員会に出席した昨年11月時点では、安全性に関するデータが非常に少なかったが、その後、従来ワクチンとほぼ同じレベルの副反応であることが分かった」 神戸新聞の取材に応じた宮坂氏は、接種を巡る心境の変化を説明した。実際にファイザー製ワクチンの2回目を今月17日に接種した後、腕の痛みや脇の下の腫れなどを感じ、翌18日夜には38度の熱が出たが、19日は平熱に下がり、再び大規模接種会場で予
新型コロナウイルスの発症と重症化を防ぐ「切り札」と期待されるワクチンの1つ「mRNAワクチン」に欠かせない技術を開発したことで知られ、世界的に注目される科学者、カタリン・カリコ博士がNHKの単独インタビューに応じ「ワクチンを導入した国では効果が確認されている。希望を持って欲しい」と日本の私たちに向けてメッセージを述べました。 苦難の連続 ハンガリー出身の科学者、カタリン・カリコ博士は、大学卒業後アメリカに渡り、遺伝物質の1つ「mRNA」の研究を行いました。 しかし、研究成果はなかなか評価されず、助成金の申請を企業に断られたり、所属していた大学で役職が降格になったりするなど、40年にわたる研究生活は苦難の連続でした。 2005年には、当時同僚だったドリュー・ワイスマン教授と、今回のワクチンの開発につながる革新的な研究成果を発表しましたが、これも注目を集めることはなく、その後大学の研究室を借り
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