衆院本会議後に、自身の周辺が「桜を見る会」の前夜祭を巡る費用の一部を補塡(ほてん)したと認めた問題について記者団の質問に答え、国会を後にする安倍晋三前首相=国会内で2020年11月24日、竹内幹撮影 安倍晋三前首相(66)の後援会が主催した「桜を見る会」の前夜祭を巡り、東京地検特捜部は、政治資金規正法違反などの容疑で告発状が出ていた安倍氏について、年内にも不起訴処分とする方向で上級庁と最終調整に入った模様だ。安倍氏本人の…
第19回の「連絡会議」の記録。議事の概要は3行しかない=2020年9月10日午後4時50分、大場弘行撮影 安倍晋三首相ら一部の高官が新型コロナウイルスの対応を実質的に決める政府の「連絡会議」について、今年1~3月の40回分の記録を毎日新聞が分析したところ、議事内容の記載は平均で10行しかなく、首相ら高官の発言の記載は一切なかった。既に開示されていた数回分の記録から同様の問題が指摘されていたが、首相らの発言を残さない手法が定着していることが明確になった。公文書問題に詳しい専門家は「これでは国の対応が事後検証できない」と問題視している。 コロナ対策と公文書問題への対応は自民党総裁選でも注目されており、新首相の下でどのような対応が取られるか注目されそうだ。 記録は蓮舫・参院議員(立憲民主)に対して政府が開示した議事概要などで、連絡会議がスタートした1月26日~3月5日の40回分。この期間中には、
河井克行前法相と妻の案里参院議員の起訴を受け、陳謝する安倍晋三首相=首相官邸で2020年7月8日午後7時37分、竹内幹撮影 「適材適所」らしい。法相という法治国家の枢要ポストを任された河井克行衆院議員が妻・案里参院議員とともに逮捕・起訴された。任じた安倍晋三首相から飛び出したのは、読者にもおなじみの「責任を痛感している」というあのフレーズである。戦後政治を見てきた識者と安倍流処世術の「軽さ」を考えた。【吉井理記/統合デジタル取材センター】 乳母に語った「宿題やったよ」の「ウソ」 安倍首相の小学生時代の話である。 政治活動で多忙な父・晋太郎氏(元自民党幹事長、1991年死去)と、夫の地元・山口にいることが多かった母・洋子さん(92)の代わりに、東京で晋三少年の面倒を見ていたのが乳母の久保ウメさんであった。 「ウメさんは数年前に亡くなられたと聞いていますが、かつて私の取材にこんなことを言ってい
3~5日にあった衆院予算委員会では、「桜を見る会」の不自然さをめぐる野党の追及に対し、安倍晋三首相がつじつまを合わせるように強弁したり、感情的になって声を荒らげたりする場面が目立った。安倍事務所が主催した前夜祭などを巡る疑問は、国会序盤の首相出席の論戦でも消えていない。【野原大輔、大場伸也】 「同じくテレビ中継が入る国会審議で、首相の謝罪と撤回を求める理事会協議をお願いしたい」。NHKの中継がなかった5日の予算委で、立憲民主党の大串博志氏は棚橋泰文委員長にこう訴えた。 問題になったのはNHKが中継した4日、首相が野党議員を「ウソつき」と断言したことだ。前夜祭について立憲の黒岩宇洋氏が「事前契約でリスク負担を決める、とホテルの規約にある」と指摘。参加人数が不足したり参加者にキャンセルが出たりした場合、費用の負担はどうなるのかとただした。 これに首相は「規約に書いているのか。根拠がないことを言
衆院本会議で施政方針演説を行う安倍晋三首相=国会内で2020年1月20日午後2時17分、佐々木順一撮影 第201通常国会が20日召集され、安倍晋三首相は衆参両院の本会議で施政方針演説を行った。首相は、内閣の最大のチャレンジと位置づける全世代型社会保障制度に関し「本年、改革を実行する」と表明し、憲法改正は「歴史的使命」と訴え、与野党に議論の進展を求めた。一方で、首相主催の「桜を見る会」やカジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件、昨年10月の2閣僚の辞任など、政権が抱える疑惑や不祥事には一切言及しなかった。野党は首相の姿勢を批判し、疑惑を国会論戦で徹底追及する方針だ。 昨年秋の臨時国会で表面化した桜を見る会を巡る問題は、首相の後援会関係者が多数招待され「公的行事の私物化」との批判を受けたほか、招待者名簿の廃棄などずさんな公文書管理も次々と発覚した。首相は説明には消極姿勢で、演説でも
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