透き通るクラゲ、色とりどりのサンゴ、海底でたゆたうイソギンチャク。見た目は全く異なりますが、これらはすべて動物の系統樹の中で同じ部類に属しています。実は、クラゲも成長の初期段階では、サンゴやイソギンチャクのように海底に固着しています。この度、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者たちは、クラゲが固着の段階を卒業し、海中へと泳ぎ出すための遺伝子群を突き止めました。 クラゲは成長の初期段階において、幼生からポリプに変態します。ポリプは動かず、花の茎のような構造で、海底の堆積物に付着します。イソギンチャクとサンゴはこのポリプの状態で一生を過ごすため、ギリシャ語で「花の動物」を意味するanthozoa(和名:花虫網)と呼ばれます。これに対し、クラゲは花虫網には属さず、ポリプ世代からクラゲ世代に変態し、なじみのある、発光するベル型の姿に変わります。 年4月15日発行(日本時間4月16日)のNat