刻一刻とその在り方の変わる現在において、それぞれが独自の美術体系を成立させている現代のイラストレーターたち。この連載では群雄割拠のシーンを鮮烈に生きるイラストレーターにフォーカスし、現代におけるイラスト表現の可能性を探求しようと試みている。 同じイラストという表現に取り組んでいるにも関わらず、それまでに辿ってきた道、時代を切り取る視線、絵に込める哲学は個人によって大きく異なり、取材のたびにイラストレーションの奥深い魅力を再確認させられてきた。 近年活躍の幅を広げる若手と呼ばれる世代を中心に取り上げてきた本連載だが、彼らにリスペクトしているイラストレーターは誰かと聞くと、ある一人の名前が挙げられることが多いように感じた。 飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する若手たちの遥か上の次元で独自のクリエイティブを展開し、気鋭のクリエイターたちからの羨望を集める超越的な存在、それが米山舞さんである。 アニメ制作