40年に及ぶ細野晴臣のキャリアを、歴代のエンジニアが細野本人と共に辿った書籍「細野晴臣 録音術~ぼくらはこうして音をつくってきた」が、現時点で3刷を記録するなど話題となっている。同書の著者は、World StandardやSoggy Cheeriosでの活動に加え、プロデューサーとして南寿あさ子やハナレグミ、羊毛とおはならを手掛けてきた鈴木惣一朗。細野が84年に立ち上げたレーベルであるノンスタンダードから音楽家デビューを飾って以来、30年近くに渡って偉大なる音楽家を近くで見てきた人物だ。 鈴木はなぜ、〈録音術〉という観点から細野の歩みに迫ろうと考えたのか? 今回Mikikiでは、「スタジオの音が聴こえる 名盤を生んだスタジオ、コンソール&エンジニア」の著者で、自身もプロ・エンジニアである音楽評論家の高橋健太郎が鈴木にインタヴューする形で、細野とスタジオ録音史について2人に語ってもらった。
読者諸氏の中には、昔楽しんだアニメ作品がブルーレイディスクでパッケージソフト化されるのを楽しみにしている方も多いだろう。しかし、ソフトが作られるまでに待ち受ける困難については、意外に知られていないのではないだろうか。そこで今回は、アニメの中でも特に「音」にスポットライトを当て、過去の作品をファンに届けるために奮闘する制作現場をリポートする。ナビゲーターはアニメの音響監督としても活躍した経験を持つ潮晴男さんだ。(編集部) 潮 今日は株式会社タバックの代表取締役社長、市川修さんにアニメーションの音についてお話をうかがいます。まず、タバックさんはどんなお仕事をされている会社なのでしょうか? 市川 かつて東映アニメーション、--当時は東映動画という名称でしたが--その中に技術課という部署があり、そこに録音と編集、撮影部門が属していました。ある時、録音と編集だけを分離させようという話になり、1973
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