4日に死去した劇作家、唐十郎さんについて、「状況劇場」で唐さんと活動をともにした舞踏家・俳優の麿赤児(まろ・あかじ)さんは5日、次のような談話を発表した。 ◇ 言葉になる前に、あの1960年代、唐と駆け抜けた時間がドドドッと脳裏に蘇った。唐との出会いは私の人生の最大にして最深の劇的出来事であった。そして今、特に思うのは彼は二度の死を受け入れたのではないだろうか。一度目の死は12年前に倒れ、まさに彼の命である戯曲の言葉を絶たれたことだ。このことの私の悔しさ寂しさは、今日(5日)、彼の悲報に触れて何倍にも私の胸を打つ。聞けば唐組の芝居が期せずして東京での公演初日だそうだ。劇団員の心はいかばかりかと思う。心からエールを送りたい。ここには唐十郎の世界が厳然と生きているのだ。ゆっくり眠ってくれ、何また会えるさ!