「存在しないもの」との折り合いのつけ方について - 内田樹の研究室

ニ期倶楽部というところがやっている「山のシューレ」という催しに呼ばれて、那須高原で二日過ごした。 能楽師ワキ方の安田登さんが対談の相方にお呼び下さったのである。 お題は「能の身体性、能の霊性」。 これまで安田さんとは能楽について何度か対談している。そのつど、だんだん話が深くなる。 先方は玄人、こちらは馬齢は重ねても所詮素人であるから、専門的なことはよくわからない。 けれども、二人とも興味があることが近い。 それは「存在しないもの」とのコミュニケーションである。 「存在しないもの」、端的には「死者」のことあるが、より広く「絶対的他者(Autrui)」と呼ぶこともできる。 神も悪魔も、すべての神霊的なもの、天神地祇、妖精も鬼も河童も山姥も含めて、「存在しないもの」と呼ぶことができる。 「存在しないもの」は「存在するとは別の仕方で」(autrement qu'être) 私たちに「触れてくる」。

[ukulele-happy]

おもしろいことを言っている。「安田さんによると、芭蕉の「奥の細道」もほとんど趣旨は同じ呪鎮の旅だそうである。芭蕉が鎮魂しようとしたのは、源義経一行である。」：「存在しないもの」との折り合いのつけ方につ

[njamota]

「存在しないもの」とは自分の意識の投影。それが現実世界に侵犯しないようにする「ゲートキーパー」としての芸能の果たした役割についての断片。

[hashimoto0226]

昨日こういう話もしてたなーと思ったので流しときます

[uk_maniax]

たまには目を瞑ってみよう/「百聞は一見に如かず」は間違いではないけれど、それだけに五感の中でも視覚に頼りすぎる部分が多かったりきた、それが判断を狂わせているのもまた事実。

[takopons]

福島第一原発で事故対応している人達もゲートキーパーなのかも。妖怪セシウムや怪獣ベクレルと戦ってくれているから。

[takets]

「存在する/存在しない」という二分法が適用できる界域は果てしのない「存在しないもの」に覆われているのである。 そのような捉え方をすれば、私たちにとってとりあえず進化上の喫緊の課題が何かはわかるはずである

[tsuneaki02]

それでも、「災厄が起こらなかった」という「彼らの仕事」は、「迂回的な作業」に支えられ、「彼らの仕事」と「迂回的な作業」は、輪になって巡っています。

[airbird]

よみたいよみたいよみたい。足立さん、超応援。

[D-S-C-H]

さぞ、困ったでしょう、時間が欲Cです；「存在しないもの」との折り合いのつけ方について

[rokugatsu_unagi]

「『災厄が起こらなかった』というのが、彼らの仕事が順調に推移している証拠なのだが、「起こらなかった災厄」をカウントする計数能力が私たちにはない」それでも誰かがその仕事を担当しなくてはならない。

[SasakiTakahiro]

「存在しないもの」たちと「交渉する」ためにはどのような能力が要るのか、どのような技法がありうるのか。

[heis101]

「できることなら、自主的に「帰る」ように仕向けることである。でも、「じゃあ、帰る」と言わせるためには、その前にひとしきり、彼らが「じたばた」するのに耐えなければならない。」

[Rinta]

手で触れられないモノ達と触れ合うということ。そうなんだよ、想像の産物にすぎないものでも、主観の上では存在するんだ。

[mhkj]

詳しいことは知りませんが舞台の上に張った結界が印象的でした、実は能を成立させる要だったりして・・でも安価で、携帯、取替えさえ出来ると言う妙。学問も芸（術）もああいうのが良いな。でも、お題は身体性かぁ。

[takahiro_kihara]

なんかムズカシイ／要するに、本の事前予告？

[Yamakatsu]

「「ゲートキーパー」の「メンテナンス能力」は「災厄の接近」を予兆的に感知する「アラーム」の能力に近く」