どの世界の片隅に？～映画『この世界の片隅に』現象を批判する

片渕須直監督作品・映画『この世界の片隅に』（2016年版）を観た。3年前に制作されたこの映画をこれまで観ていなかったのは、漫画家こうの史代のモヤモヤとする「あやうさ」に気付いていたからで、いまになってみようと思ったのは友人から「天皇家があの映画を観てえらいニュースになっとる」と知らされたからだ。その友人は映画の批判をしたがっているが、彼も映画を未見、私も未見。観ていないものをあれこれ批判するわけにもいかないので、自分の中に巣食う正体不明のモヤモヤを突き止めるためにも、これを機に観たわけだ。 私はこうの史代の単行本『夕凪の街 桜の国』を発売時に読んでいて、電車の中にも関わらず号泣したという体験を持つ。しかし自分の涙の正体の中に少し引っ掛かるものがあったのも確かで、その後のこうの史代現象を見ると余計に「あやうさ」を感じないわけにはいかず、そして今回の映画『この世界の片隅に』現象である。いつまで

[andalusia]

この映画というか原作も含めだけど、後知恵としての歴史を知っている我々が、それを知らない当時のすずさん達を観るという、情報の非対称性を強く念頭に置いた作品だからなあ。

[muchonov]

同時代の人間にとっては生活世界は「閉じている」のが普通で、その外部で（たとえば呉の空の反対側で、あるいは海外の戦地で）何が起きていたのかを知っている我々が見る構造を意図的に作り出しているように思った

[whkr]

こうの史代自身が『なぞなぞさん』で批判していた、なんでも後知恵の主張に無理矢理引き寄せようとする人だ。

[qyosshy]

右も左も思想に染まると「他の視点」って思想が消失したかのような人が現れるのは不思議だな。

[right_eye]

反戦ではなく厭戦の物語だとは思う。夕凪〜の後書きで「広島出身者としてヒロシマを描くのを忌避してきたが、現代人のヒロシマへの驚くべき無知を知り描かねばと思った」と作者が書いていたが、況や加害性をや。

[manganzenseki]

過去に反戦を掲げた作品は山ほどあるわけで、直撃世代でないからこそ反か肯かの二項対立から逸した物語を紡げるのではなかろうか。風化させないという意味で大切な道筋だと思う。

[technocutzero]

テーマやメッセージ性が存在する時点で現実から色んな情報をカットしている事は確定的なのよ　つまり心地よくさせるために世界観で閉じているのは反戦映画も全く同じってこと　倒錯もいい加減にしろ

[mugi-yama]

“この映画に反戦の意志はない”というのは同意。“閉じられた世界観に心地よく浸り安心”できるかどうかは、観る側のスタンスによるのではないかなあ。

[kagecage]

大意は理解。ただ『にくをはぐ』でフェミが批評していた時も思ったけど、この手の批評は「作品の意図を汲むより先に自分の思想があり、それに沿わないからこの作品には危うさがあると指摘している」ように感じる。

[greenT]

エンタメで心地よくなる社会はいけないという謎の圧力、まさに日本社会って感じだ

[REV]

山岳ベースで、化粧に時間が掛かったり、指輪をしていたりすると「そんなことで革命が成し遂げられるのか」と「自己批判」を迫り、『総括』するタイプか。「スターリニストは、アメ帝より有害だ」

[zeroset]

"これは映画に問題があるというよりも、この映画が反戦映画がに見える人に問題があると言わざるを得ない。この映画が「最良」である社会の方がおかしいのだ。"

[yood]

今、私たちが何をすべきか考える上では、明確な悪を描写する作品より適している

[quick_past]

だからこそ両陛下も称賛したんだと思うよ。戦争の責任を直接指摘する人が誰もいない。小さい世界の中を覗いて視聴者の自己憐憫を満たす作り。前も書いたけどこうのさんは巧いんだけど、巧いというだけで鼻につく。

[IkaMaru]

「2010年代の地方都市の上級公務員の妻としてぼんやりと安倍晋三率いる自民党を支持する女性」をリアルに描いた映像作品が将来できるとして、それはいかに受容・評価されるのかしらん

[gaka48]

「知るべき・考えるべきであった事実」を「後知恵」などと評して「同時代性」に安住しようとする姿勢こそ、まさしくこの文章で問題提起されていることだろう。

[bokmal]

なぜみんな「すず」と言わず「すずさん」て言うんだろうね。

[Domino-R]

「閉じた世界」を描く事もそうしない事も選べる時点で、一方を選択する意味は問われるのよ。全ての映画は終わり、観客は現在に戻るから。そこできれいさっぱり消えてなくなる映画なら政治など無縁でいられようがね。

[aramaaaa]

俺はCF参加者だからこの作品にはかなり甘い見方をしてるが、やはり太極旗の件で、すずさんが自分の暴力性に気付くセリフが無くなったのは、残念だと思ってる。それがどんなに不自然でもね。

[kmaebashi]

こうの氏が小林よしのりの「わしズム」に寄稿していたことを知ってしまうと、あの太極旗のシーンも「はいはい日本の加害性も入れましたよ」というアリバイ工作に見えてしまう。 http://blog.livedoor.jp/std2g/archives/49682605.html

[chintaro3]

戦争経験世代の社会的な発言力が事実上なくなって、好き勝手やり始めた世代のアニメだとは思った。ウケを狙い過ぎ。あやうさを感じるのは同感

[popoi]

とりあえず。太極旗の場面の件(映画でのすずの台詞「海の向こうから来たお米…大豆…そんなもんでできとるんじゃなあ,うちは」)等,随分と話題となり,考察対象に。リテラの記事等視界外? 後,この人,原作も読むべき。

[myogab]

政治責任という「人災」を戦争という人為を、あたかも「天災」のように受動する。その問題は間違いなく今の政治状況と深くリンクしている。異を唱えれば、瞬く間に責任者へと仕立てられ「生贄」として捧げられる。

[howlingpot]

読んでないけどこういう"加害の視点"みたいな話の方が圧倒的に閉じてる印象。日本人は1000年でも反省しろとか言う人達が日々軍拡してるのとか、喜び組という性奴隷制に何も言わないでいるには便利な視点なんだろうな。

[koinobori]

この映画はあくまで入り口なんだと思う。入り口にすべきもの。

[mfluder]

“どんなに痛切につらいシーンでも、世界観は破られることがない。受け手はそのゆるぎない世界観の中で、安心して涙を流す”

[songsfordrella]

この「見る者の立場によって反戦映画にも戦意高揚映画にも見える」というのは実は公開当時から指摘されていて、そしてそれは正しい。ただこれは危うくもあるけど同時に立場の異なる者同士が対話するチャンスでもある

[mustelidae]

閉じられた世界は、閉じられていた。そうお気づきなのであるから、そのまま受け取ってほしかったところ。

[honehonerock]

歴史修正的な論の立て方だ。何故なら、そもそも《「違う世界の片隅への想像力」を喚起すべき》という発想自体が「この世界の片隅に」を観たからこそ出てくるものだからだ。それこそが優れた一人称の物語の力だ。

[grdgs]

反戦ではない映画に反戦映画ではないよね（でもいい映画）と言っているレビューに対して、わけのわからん文句をつけているアホがたくさん。俺の反戦の定義と違う！と憤っているのがレビューに文句つけているアホたち

[MCBYND]

初めっから批判する為に見に行ってる感があるのはどうだろうな、とは思います。

[moritata]

この映画だけですべてを語れる訳じゃ無いだろうに。様々な立場の人も居たはずで、テンプレートに従った表現じゃないと駄目なんだろうか？きっかけにして様々な物を見るべきって事だと思う

[morikakeokawari]

（軽いネタバレ） 太極旗が掲げられ、朝鮮人達が解放を喜ぶシーンは、主人公が自分も加害者側であったと気づく重要なシーンだが、映画版はそれを改悪しやがった😤

[pazl]

初代ゴジラとかもそうだけど、テーマの一つに反戦はあるけどメインテーマではない。

[mventura]

この映画だけで反戦のすべてを背負うのは無理があるかな。そういう側面があるので他の作品もなるだけ見てほしいな、でいいんじゃないかな。あまり反戦文脈で語られすぎという気もする。

[osakana110]

文字通り、当時の世界のすずさんを描いたフィクションやんけ。実在のすずさんに取材もしてるんやろ。 同じ時間を生きても一人一人が千差万別の人生を送っているのは現代も変わらんやろ。

[mukudori69]

えらく強めに罵るブコメにスター集まってて驚いた。「この映画はこの映画でいいけど、これ【しか】受け入れられないなら危うい、もっと他の作品が作られる社会になってほしい」って内容だと思うんだけど

[Gim]

慰安婦とは、スイカは他人の食べ残しの白い部分しか食べたことが無い人がなるもので、けっして強制連行でなるものでは無い。「広義の強制連行であり、日本政府の法的責任を！」等は歴史修正主義でしか無い。

[rain-tree]

と書いているこの人自身も自分の世界に囚われている模様