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(4ページ目)『日本のいちばん長い日』著者の半藤一利は、あの「8月15日」をどう過ごしたのか? | 74年、あの戦争を語り継ぐ | 文春オンライン
「今まで言われていたことは全て嘘だったんだ」 終戦の日で最も印象に残っているのは、家に帰った時のこ... 「今まで言われていたことは全て嘘だったんだ」 終戦の日で最も印象に残っているのは、家に帰った時のことですね。かつてこの戦争が始まった日に「負けるぞ」と言った親父が、憮然とした顔をして待っていたからです。とくに話すこともなく夕食となり、お粥を啜りながら私は不安になって聞いたものです。「男はみんな奴隷になって、女はみんなアメリカ兵の妾になるんだよね」と。 そのとき親父が言った言葉は今でも忘れられません。 「馬鹿もん! おまえ、なにを考えているんだ。空襲で川の中に落ちて、水をガブガブ飲んで、まだ頭に水が溜まっていて変になったんじゃないか? 日本の男を全員奴隷にしてどこかへ連れていくのに、どれだけの船がいると思う? そんな船があるわけはない。女たちを妾にする? それをアメリカの女たちが黙って見ていると思うか? そんなことはできっこないんだ」 そのとき初めて、私は自分の親父を尊敬しました。「リアリズ
2021/01/13 リンク