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猫
delete-all.hatenablog.com
「配属先が希望と違う」と「配属ガチャ」を訴えて、入社即退職する新人の話題がこの季節の風物詩になった。「やってみないとわからないよねー」みたいなクソにも薬にもならない世の中の反応までがワンセット。僕は「配属ガチャ退職、別によくね? 」派。ガチャとは「自分の力が及ばない運で決められてしまう」ことだ。ガチャ自体はそれほど悪いものではない。なぜなら長い人生において全てを自分の責任にしていたらもたないからだ。すべてを自責にするのはよほどのマゾだろう。普通無理。誰かに責任転嫁できるならそれがいい。そこでガチャの出番となる。「ガチャで決められてしまったよ」といえばガチャのせいにできる。「ガチャはひどい」「ガチャありえない」というふうに否定的に語られているけれども、人生なんてガチャの連続である。僕らは皆、多くのガチャを通過してきている。ガチャの結果を、そのときの自分の置かれた立場や状況をかんがみて、受け入
カーオーディオにCDやDVDといったディスクメディアの入らないディスクレス仕様が増えてきている。このままDVDは使えなくなる!? ディスプレイオーディオ台頭でどうするファミリー層 - 自動車情報誌「ベストカー」音楽はBluetooth等で連携させる仕様。時代の流れだが、僕はこの流れに大反対。そもそもレスという文字が中に入っている言葉全般が好きではない(人名除く)。セックスレス、ストレス、ドレスコード、嫌いなものばかりだ。車を運転するときはいつも音楽を聴いている。CDから取り込んだファイルやDVDやBlu-rayを再生している。それらは通勤やドライブの思い出の一部だ。まだ小さかった甥っ子が車の中で泣き喚いたとき、後部座席のモニターにファインディングニモを流して泣き止ませたのも懐かしい。そういう家族や友人との運転にまつわる想い出も失われてしまうような気がする。僕の愛車のミニバンはCD、DVD、
呆けてしまった親を見捨ててはいけないのだろうか。冷たいようだけれども各々好きにすればいい、と僕は思う。面倒をみるのも見捨てるのも正しい。僕の母はさいわい元気で、呆けるのは貸した金を返すように僕が文句をいうときだけである。僕自身は家族に面倒をみてもらいたいとは思わない。つか面倒をみてくれる家族がいなかった。奥様からは「キミがボケても面倒はみないから」と言われている。ハードコア・ライフだ。そんなことを考えているのは、実家の裏に住んでいる高齢女性が原因のちょっとした騒動に巻き込まれて警察沙汰になりかけたからだ。母からは裏のオバサンが呆けてヤバいという話を聞かされていた。「約束をすっかり忘れる。約束したことすら覚えていない」「一緒に出かけて帰ってきた直後にまだ出かけないの?と訊いてくる」「娘の旦那宛の電話をウチにかけてくる」等々。オバサンは母よりも少し年上なので八十代前半。僕の一学年上の娘が一人い
僕は食品会社の営業部長だ。勤めているのが人員に余裕のない中小企業のため、本業の新規開発だけではなく既存クライアントとの交渉も任されている。今は、年度末ギリギリまで続いていた価格交渉を終えて落ち着いたところだ。「ウチも苦しいんだよ。値上げ?無理無理~従業員にも泣き寝入りしてもらっているんだから」と却下する一方で、春闘で組合にしれっと満額回答していた素晴らしい某大手企業のような例外を除けば、原材料等コストと人件費上昇分(見込み)を転嫁した価格で契約更改することができた。合格点をつけられる交渉だったのではないか。 僕の勤務する会社には定期昇給がない。中途で入った当初はあったが、会社上層部が今のメンバーになってから凍結されてしまった。実力主義を打ち出した彼らは、業績が向上すれば定期昇給は行うと説明してきた。コロナ時代の業績低迷に耐え、価格転嫁交渉がうまくいった今こそが定期昇給を行う千載一隅のチャン
10年かけて考えた僕の早期退職が家族からの「会社を辞めて家にいられたら困る。嫌だ」というもっともな理由で反対されたことは先日のブログでお伝えしたとおりである。10年かけて準備してきた早期退職プランが無になりました。 - Everything you've ever Dreamed「家族に内緒で計画を進めるのはおかしい」「こんなバカな旦那は嫌だ。きっと低偏差値だったのだろう」「会社を辞めたあと何も考えていない」等々、拙文章で省略した部分を想像する力を欠いた貴重なご意見をいただいた。ありがとう。 だが、長年の悲願である早期退職をこのまま終わらせたくないと、若かりし頃「不屈の虎」を自称した僕はあらためて決意を固めた次第である。大阪冬の陣のあと、徳川が大阪城の堀を埋めて優位な状況を作ったように、退職夏の陣にむけて僕も堀を埋めてしまえばよいのである。具体的には、奥様に対しては「早期退職は一時の気の迷
メジャーリーガー大谷さんの通訳、水原一平さんの違法賭博問題が、ギャンブル依存症、7億円という負債の額、といったスキャンダラスな内容で大きな騒動になっている。大谷さんとの関係性を知っていれば、裏の姿とのギャップにショックを受けるのも無理はない。僕には他人事とは思えなかった。なぜなら僕もパチスロにはまっていたからだ。4号機、北斗の拳やパルサーの時代だ。仕事に疲れて瞳をとじたとき瞼に、リンの「ケーン!」という叫び声と共に、緑色のカエルとさくらんぼの付いた赤7が上から下にスローで流れてくる映像が見えたとき、「もうダメだ」と思った。借金はなかった。けれども負けの額が5桁円という天文学的な額に達していた。幸運だったのは、うだつのあがらないサラリーマン生活で運を使っていなかった分、比較的ギャンブル運に恵まれ、ときどきケンシロウが北斗百裂拳をかましてくれたので負け続けることがなかったこと、ただの小市民だっ
先日、謝罪(とクレーム対応)のために北関東エリアまで車で赴いた。気の乗らない、嫌な仕事だ。再発防止対策は万全を期していたが、嫌味のひとつふたつはいわれる。最悪なのは、謝っているのに謝ったら済むと思うなと言ってくる人、何をしても怒りをあらわす人がいることである。そんなとき僕は、上野クリニックのCMに出てくる男性タレントのように首を縮めて時間が過ぎるのを待つことしかできない。 (群馬県太田市の道の駅にて。太田市はプロバスケチームのホームタウンだ) 2時間半ほどの道中、AI技術が発達したらこういう嫌な仕事をやらなくてよくなるのだろうかと考えた。人間の弱点をカバーし、嫌な仕事を軽減するために技術はある。AI技術であれ、例外ではない。だとすれば謝罪のような嫌な仕事こそ真っ先にAIに投げていくべきだ。しかし、仕事というのは相手があって成立するものでもある。謝罪を受ける側の立場になってみたときAIの謝罪
僕はフミコフミオ。食品会社の営業部長だ。中小企業なので新規開発営業だけでなく、既存のクライアントとの交渉も一部、任されている。僕と同じフミオという名前を持つ首相が、春闘の集中回答日に大手企業の「満額回答」「満額を超える回答」といった良い感じの回答が相次いでいることを受け、中小企業の賃上げの流れを期待したい、という内容のコメントを出しているのをニュース番組で見た。僕は大手の満額回答も、首相のコメントも、冷凍倉庫にいるような冷めた気持ちで受け止めていた。確かに、中小企業からの製造コストや労務コスト増大を転嫁した価格アップ要請を不当に排除することは禁止されており、悪質な企業は公表されることになっている。僕のXのポストにもそういうレスがついている。 ウチの会社からの値上げ要請を受け付けなかった大企業様が満額回答で賃上げしている様子を冷めた目で見ている。世の中小企業なんてこんなものではないかな。 —
先日、10年間構想していた早期退職を奥様に告げたら理解を得られなかったとSNSに投稿したら線香花火程度に燃えた。FIREするつもりでFIREが実現したのだから本望である。 早期退職を考えていることを奥様に告げたら「困る」という反応。「生活レベルは維持する。苦労はさせない」と懇切丁寧に説明したけど「1日、家にいられたらしんどいもの」と言われてしまい、構想10年の将来設計が無になりました。 — フミコ・フミオ (@Delete_All) 2024年2月25日 反応を観察すると「しょうがない」「残念でした」という意見と、否定的な意見で3対7くらいの印象。100年しかない貴重な人生を費やして丁寧にメールで人生指南してくれた奇特な人もいた。僕のことよりご自身の人生を見つめ直してもらいたい。 否定的な意見は「10年間奥様に相談をしていないのは馬鹿だ」「家事をやらない夫が会社を辞めても邪魔なだけ」「収入
「打ち合わせをしたい」と僕がいったから2月20日は打ち合わせ記念日。前日2月19日、部下Sに、仕事の進捗を確認するために打合せを行う旨を告げた。「任せている企画提案を確認したい」と。企画提案書はパワポのスライド3枚で構成されていた。PCの画面を表示させたSは「提案内容はコンパクトにまとめるつもりです」と言った。「つもりです?」一抹の不安を覚えた。「つもり」は「前もっての考え/意図」を意味する。言い換えれば、「まとめるつもりです」は「まとめる意図がある」イコール「まだやっていない」を意味する。そのため一般的に「つもりです」は、一抹の不安どころか大きな不安、超不安を誘発するフレーズである。「私はやっていません」と胸を張っているのだから。 ところが一抹の不安に留まったのはなぜか。パワポの構成からより大きな不安を感じたからだ。3枚のスライドにそれぞれ見出しタイトルがセットされているのが目に入った。
news.yahoo.co.jp 名古屋市発注スクールランチで談合か 公取委、給食業者を行政処分へ(朝日新聞デジタル) - Yahoo!ニュース 僕は元給食の営業マン。名古屋市が発注している中学校給食の入札で、入札に参加した給食会社6社が談合を繰り返したとして、約3億9000万円の課徴金納付命令が出された。6社は葉隠勇進(東京)、魚国総本社(大阪)、日本ゼネラルフード、松浦商店、ミツオ、メーキュー(いずれも愛知)、コンパスグループ・ジャパン(東京)。 ウチは今回の談合には関わっていない。だが、昨年まで2年間、東海営業所の所長代理を給与据え置きで兼務させられ、名古屋の給食案件にも参入した過去があるので他人事とは思えない。我々も名古屋のスクールランチ(名古屋市:中学校スクールランチ(暮らしの情報))にも参入しようと検討したが、以下に書いてある事情で断念した。断念して良かった。 どれくらいヤバい
面倒なことはChatGPTにやらせよう (KS情報科学専門書) 作者:カレーちゃん,からあげ 講談社 Amazon 『面倒なことはChatGPTにやらせよう』(カレーちゃん氏、からあげ氏著)を2回通読した。著者のひとり、からあげさんは、僕がキャラクターを認識できる数少ないブロガーだ(お会いしたことはない)。現在、データサイエンス研究者として大活躍している。なお、僕は勝手に彼をターミネーター2に出てくるサイバーダイン社の開発者ダイソンさんをイメージしている。人類の未来のために、凶悪なターミネーターを開発することのないことを祈るばかりである。僕はゴリゴリの文系の営業職の50歳のオッサンで、本書の推薦人である松尾教授とは真逆の人間である。もしかしたら本書のターゲットから外れている人物像かもしれない。そういう人物に本書がどう役に立つの?という視点でレビューになる。 本書を一語にたとえると「ブルドー
僕はフミコフミオ。先ほどからイータックス(https://www.e-tax.nta.go.jp/)で確定申告作業をはじめた小市民である。ところがhttps://www.e-tax.nta.go.jp/において「裏金」記入欄が見つからず作業が頓挫したため、気持ちを落ち着かせるために、こうしてブログを書いている。確定申告作業の進捗率は30%程度だろうか。道は長い。参考までにあげておくと、岸田フミオ内閣の最新支持率は14%である。岸田内閣の支持率14% 自民党の支持率も16%に下落 - 産経ニュース 確定申告のために税務署を訪れた人たちが「裏金政治家からきちんと税金を徴収しろ」「政治家から徴収するまで納税しない」と文句を言っているというニュースを見た。スタッフジャンパーを着ているアルバイトの若者へ、イオンで購入したジャンパーをパリっと着こなしたオジサンが文句を言う、いわば世代間ジャンパー対決だ
単行本『ドラミちゃん』、最高だった。最初にいっておくと僕はドラえもんの熱心ファンではない。小学生の頃、コロコロコミックの連載を読み、大長編ドラえもんの特別連載を毎年心待ちにして、今も実家の本棚にはてんとう虫コミックが揃っている、その程度のファンだ。グッズを追い求めるとか聖地巡礼をするようなマニアではない。そんな僕でも単行本『ドラミちゃん』は最高の読書体験だった。ドラミちゃんワールドが1冊にまとまっているのがとても良かった。しかも240ページの大ボリューム。最高。 ドラミちゃんはF先生の変化球だ。ドラミちゃんというドラえもんとは性格の違うキャラクターを本来ドラえもんのいるポジションに配置して、物語に変化を与えている。アニメ版でよくある優等生なドラミちゃんがのび太の面倒をそつなくこなしてドラえもんが嫉妬するエピソードがその代表だ。マンネリ回避というよりは、たまに投げる変化球を楽しんでいたように
先日(2024年2月5日)、関東地方に大雪が降った。職場がある神奈川県に大雪警報が出された。めずらしいことだ。積雪を警戒して朝から県内の有料道路は通行止めになっていたが、会社最寄り駅を経由する電車やバスといった公共交通機関は通常どおり運行。朝からSNS上では帰宅命令を出す企業の情報がぽちぽちと出始めていた。 午前10時半。僕の座る窓際席から降雪を確認。会社前の道路はうっすらと白くなりはじめていた。スタッドレス未装着車の走行は危険だ。会社上層部が会議室に集まり、対策会議を開き対応を検討しはじめた。降雪予報を受けて前日の夕方にも会議はひらかれていたが、「明日の様子を見て臨機応変に対応する」というどうしようもない結論に至っていた。こういう状況ならこういう動きをするという取り決めもなし。1時間弱の会議で何を話していたのだろうか?行き当たりばったりを臨機応変と超訳していてアカデミー出版もびっくりであ
漫画『セクシー田中さん』の連続ドラマ化における原作改変が、原作者の急逝という最悪な結末になり大きな問題になっている。SNSやネット記事のコメントを観察していると「原作者の意向や原作の内容を改悪するな」という声が多いようだ。テレビ局と出版社と脚本家がそれぞれコメントを発表したけれども、その内容がもやもやするもので、騒動の沈静化にはまだ時間がかかりそうだ。 一方、多くの人はどのようにテレビ局が原作付きのドラマをつくっているのか知らないようでもある。なぜなら作品をドラマ・アニメ・映画にされた経験がないからだ。僕は自分の書いたものが日テレでドラマ化された経験がある。 delete-all.hatenablog.comこのブログの「トイレにとじこめられています」という記事が2019年にミニドラマになったのだ。 中居&鶴瓶、“深夜版”仰天ニュース生放送 田中みな実は厳選セクシー写真公開 | ORICO
最近「昭和」がバカにされすぎ。「昭和(笑)」とオチに使われるのをよく見かけるし、部下に注意したら「部長みたいな昭和の働き方はできません」と笑われた。「昭和はこんなものじゃないぞー」とやりすごしたが、僕は昭和を知らない。大卒で就職したのが1996年(平成8年)で、昭和は僕が中学3年生のときに終わっていた。つまり僕は昭和の働き方を知ってるマンの資格を満たしていないのだ。 「昭和」はいつからこんな扱いをされる存在になったのだろう。昭和は「あの頃は良かったね」といわれる憧憬の対象だったはず。昭和への郷愁を感じさせる映画「ALWAYS 三丁目の夕日」は大ヒットした(観たことないけど)。たしか「週刊/昭和時代」も刊行されて、初回は特別価格で、付録はタンツボ(白/陶器)だったと記憶している。 僕は、たぶん、昭和の働き方にどっぷり浸かっていた世代と、直接、十分な時間を一緒に働いた経験をもつ最後の世代だ。新
僕は食品会社の営業部長だ。当社は或る指名競争入札に参加することになった。本来、入札案件は本社営業部の管轄である。だが、今回、指名されたのは支社であったため、支社の営業部門で参加することになった。担当は金融機関から天下ってきた会社上層部、俗称《マネーロンダリングス》のひとり、支社長氏。60代の氏は、業界知識なし、入札参加経験なし、人脈なし、人望なし、漢気なし、そんなナイ×5人間である。 ご自身も自信がないようで、28年間の営業マン生活で入札経験豊富な僕に必勝法をたずねてきた。親切心から「私が代理でやりましょうか?」と提案したが「キミは自分の手柄にするつもりだろう?」と疑われたため、親切心が蒸発して虚無になりました。 そんな流れで経験も知識も向上心もないが自尊心と出世欲は人並以上にある支社長氏に競争入札必勝法についてレクチャーすることになった。中学生が理解できるレベルで分かりやすく説明したので
病院や福祉施設を運営する法人が開催するコンペに参加した。案件は某病院の外来向けレストラン。担当によれば、コンペのきっかけは、理事長の「業者を変えよう」という鶴の一声である。昨年の初夏から書類審査、プレゼンと順調に勝ち進み、最終選考まで勝ち残った。 最終選考は試食。理事長の「実際に提供される状態の食事で判断したい」という意向を受け、法人本部から車で10分ほどの距離にあるレンタルキッチンをおさえ、そこで試食することに決まった。 準備万端。試食会を明日に控えた前日夕方。法人担当者から「理事長と院長が多忙のため外に出られなくなった。キャンセルしたい」と一方的に告げられた。準備はすべてパーである。担当者は「すみません。理事長がわがままで」と謝罪した。雇われ人間の弱さは痛いほどわかるので「大変ですね」と慰めておいた。 試食会は病院内にある法人本部で幹部会議のあとに行われることになった。昼過ぎに会議が終
この密やかな森の奥で (二見文庫 グ 11-1) 作者:キミ・カニンガム・グラント 二見書房 Amazon 憧れている生活がある。かつて写真家の星野道夫さんが送っていたような、北米の山奥にある小屋で自給自足する生活だ。妄想を配合して、大自然のなかで戦地で傷ついた心を癒しながら生きている設定なら最高。聡明な子供がひとりいればなお良い。ボンクラ的にはなぜかセクシー美女に好かれる展開もいい。そんな静かで平和な暮らしを脅かす「敵」が近づいてくる。戦いのときだ。 映画『コマンドー』や小説『極大射程』等々、ボンクラホイホイ・フィクションでよく見かける設定だ。『この密やかな森の奥で』はそんな「コマンドーもの」の設定を踏襲している。主人公クーパーは元軍人。自分が起こした行動がもとで山奥で一人娘と暮らしはじめて8年になる。交流は戦友のジェイク1人のみ。コマンドーものなら、かつての上官や戦友が戦闘力を見込んで
ある法人から入札の指名を受けた。指名競争入札である。指名競争入札とは何か。ウイキペーディアによれば「特定の条件により発注者側が指名した者同士で競争に付して契約者を決める方式」とある。要するに「名指ししたから入札に参加してね(^^)」という仕組みである。当該法人のコンペは数年前に参加したことがあり、あまり良い条件ではないと記憶していたので「指名されたら社内で検討します」と答えるに留めた。 数日後、概要と仕様書が普通郵便で送られてきた。条件を確認していたまさにそのときに電話があった。見られているような気がした。目の前にあるノートPCをハッキングしているのか。担当者は「入札に参加するためには現地説明会への参加は必須ですのでよろしく」とだけ伝えて通話を切った。「現説に行かなければ辞退になる。それならそれで良くね?」と独り言を言ったら、また担当者から電話がかかってきた。ハッキングしているのか。「なお
親と縁を切ることを決めた。父は故人なので、ここでの親は「母」を意味している。50年前、へその緒をチョキっと切ったにもかかわらず、惰性で続いていた母との縁をこのたびめでたく切ることになったのである。「帰ったよ」「何しに来たの?」この頃の僕らといったらいつもこんな調子だった。離婚原因のベスト10第1位は「性格の不一致」といわれる。夫婦関係の破綻と親子関係の破綻とを一緒くたにするのはやや乱暴なのは承知のうえで言わせていただくと、このたびの縁切りにおいて、性格の不一致は決定的な一打ではないと断言できる。なぜなら、性格が酷似している母と僕の関係において、意見の不一致や衝突、無視はこれまでもあったからだ。実の母親を悪く言いたくはないが「性格悪っ!こんな人物に育てられた子供は反社会的な人物かロックローラーになって秩序を乱すだろう」と思ったことは星の数ほどある。 原因は金である。ゴールドではなくマネー。母
藤子・F・不二雄先生の『未来の想い出』が新装復刊された。大傑作。ビッグコミックの連載時1991年の夏(高校3年生)に読んでいるので、読むのは実に33年ぶり。あらすじは「1991年。主人公の納戸理人は落ちぶれてしまった、かつての人気漫画家。そんな彼があるきっかけで20年前の駆け出し時代にもどり人生をもう一度やりなおしていくが、人気絶頂からの低迷の人生を繰り返してしまう。だがタイムリープの仕組みに気づいて…」という内容。ひとことでいえば、よくあるループものである。 1991年と、2023年末に読んで、まったく異なる印象を受けた。1991年、高校3年のときは「頑張れば人生はなんとかなる」「未来と自分の無限の可能性を信じる」というメッセージだと思った。 若者あるあるで、かつては青年時代の主人公視点で物語を追ったが、今の僕はオッサンになった主人公の視点で物語を追っていた。オッサンになった主人公は「仕
news.yahoo.co.jp 高島屋がオンライン販売したクリスマスケーキが崩壊した状態で届いていた事件が大きなニュースになっている。原因は特定されていないが、製造、冷凍保管、配達の工程のどこかに問題があったのは間違いない。僕が働く食品会社でも同様の冷凍クリスマスケーキを販売しているので他人事とは思えない。おかげさまで今年のクリスマスケーキについて苦情は受けていない。だが、現場と事業を知らない会社上層部が騒ぎはじめたので、クリスマスケーキ事業とお節事業の立ち上げメンバーだった僕は、その対応に苦慮している。通常の業務に支障が出始めている。 ①事件発覚と世の中の反応を受けて篇。世間の猛烈な反応をニュースで知った会社上層部がビビッて「ウチは大丈夫なのか」「同様の事案が起きたら誰の責任にすればいいのか」「なんでクリスマスケーキなんて売ったんだ。足を引っ張るな」と騒ぎ始めた。冷凍クリスマスケーキ事
各部署を点々としたのちに営業部に異動してきた50代後半年上の部下の取り扱いに苦労している。営業部門は、他部門で失格の烙印をおされた人が送られてくることがよくある。「1万分の1の確率で営業の適性があるかも~」という謎理論で送られてくる。稼働している部門で実損を出すよりは営業なら本人のノルマ未達で終わるから良いという考え方がその根底にある。だが当該部下氏は違う。前職で長年営業職をやっていた経歴があるので、それなりに戦力になると期待があった…。のではなく、適性を見るという名目でロシアンルーレット式に異動を行い、前回は営業部を管轄する上層部が当たりを引いていたことが最近判明している。ひでえ。人を何だと思っているのか。このサイコパス老害が権力をもっている会社上層部のなかで、せめて僕だけは部下氏を一人の人間として扱いたい。そう思った。 先日、当該部下氏の企画提案書の一部を手伝った。食品会社なので調理・
風邪で休んでいるときに自宅の物置で2000年~2015年の手帳が入ったダンボール箱を見つけました。手帳には当時の上司(部長)の言霊が記録されていました。「刺身が生なんだが……」という名作を生みだした部長。没後10年。ゾンビのようによみがえってきた部長を僕ひとりでは受け止めるのはイヤなので読者各位とシェアいたします。ビジネスや私生活で役立ててもらえると嬉しい。 ・「サンプルのサイズ感がわかるようにヤニと比べてみました……」 商品(食品)の大きさが分かりやすいようにタバコを置いて撮影。顧客ファーストのつもりが「食品の横にタバコ置くとかありえない」というクレームが続出。結果、失注。 ・「ハイライトがまずかったか……ラッキーストライクにしときゃよかった」 ↑の騒動の敗軍の将の弁。 ・「他社で見積をいくらで出したのか言えないの?この情報開示時代に?ずいぶんと時代遅れな会社ですな……」 情報開示。その
営業部の総力の5分の1程度の力を入れて追ってきた案件の担当者から「明日夕方、御社を訪問したい」という連絡があった。コンペ最終局面結果待ちの段階だ。来社の目的を確認すると「《今後ともお願いいたします》という前向きな話を直にお会いして伝えたい。これまでのご対応に誠意でこたえたい」とのこと。熱意を感じた。ようやく成約。これまでの苦労が報われる瞬間。クソみたいな営業の仕事に光があたるとき。 直接顔面と顔面を突き合わせて挨拶をすることに何の価値も見出していないので、わざわざお越しいただかなくてもいいですよ、と申し出た。いやいや、そういうわけにはいかない、と言って聞かないので受けることにした。今後ともだ。未来の客だ。相手に合わせることも大事だ。契約前に、自分の目で相手の会社を確認するのも大事だ。 で、当日。担当者2名が来社。応接室に通してお茶を出す。「まずは今後のスケジュールの大枠を決めましょうか」と
僕は食品会社の営業部長だ。部下Aから案件進捗状況の報告を受けた。Aは他部門から営業へ異動してきた50代後半のベテラン社員だ。時折トリッキーな言動をキメて僕の心をざわつかせるので少々不安を覚えていたのだが、「相手の反応はどうでした?」という僕の問いに「あーはいはい。なかなかいい反応でしたよ。来週、次の段階に進むことになりましたー」という言葉が返ってきたので、ほっと胸をなでおろしたのである。 数時間後、Aと同行した他部署のスタッフBから「Aが相手から求められた資料とかけ離れたものを提示して微妙な空気になった」という報告を受けた。そのため仕切りなおしで来週再提出。「なかなかいい反応(自称)」はいずこ。ABどちらが正しい報告なのか。判断材料が乏しいため、培ってきた信頼と関係性で判断するほかなかった。 Aとはいくつかの案件を一緒に担当した仲だ。想定外の展開に陥った交渉、厳しい納期の企画作成、死線をく
部下の作った「絶対にダメ出しされない」究極の提案書がすごかったのでシェアします。 - Everything you've ever Dreamedのつづきです。 あいかわらず食品会社の営業部長という夢も希望もない仕事に従事している。今の僕を支えているのは、夢のない仕事で心身を壊したくない、無事に定年退職したい、という思いだ。営業部門には時々、他部門でいまいちな人たちが「営業の適正があるかもしれない」という淡い期待をもって送られてくる。この夏から営業へ異動になった50代後半のTさんは少し違う。前の会社では長年営業職をやっていたので、営業の適正あり、と判断されての異動、そう思っていた。 ウチの会社のシステムは、部長以上の役職者は全社員の日報を閲覧できるようになっている。僕は、営業開発部の部下の日報を翌朝出勤した時点で前日分をチェックし、気になった点があれば、呼び出してヒアリングしている。部下を
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