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物理数学:ナブラの応用
ナブラだけを分離する 前回,関数の傾きを表すベクトルとして というものを定義した.こののことを関数の... ナブラだけを分離する 前回,関数の傾きを表すベクトルとして というものを定義した.こののことを関数の「勾配」または「グラーディエント」と呼ぶのであった.また,ここで使っているという記号は単独では「ナブラ」と呼ぶのであった. さて,このナブラだけをグラーディエントから切り離して,次のようなものであると定義してみよう. ここに出てくるなどは本当はこれだけでは意味がないのだが,「この後ろに来るものに対して偏微分を行う」という意味の記号として受け入れることにしよう.このように,他のものに対して計算の指示を与える記号を「演算子」と呼ぶ.このようなものを導入することで数式の表現に幅が広がるのである. 普段あまり意識していないが「+」「-」「×」「÷」などの記号も広い意味での演算子である.だからなどを他の演算子と区別する必要があるときには「微分演算子」と呼ぶ.ナブラもまた微分演算子であるが,区別する必要