「たったひとつの変化」でハエの脚になんと「眼」ができた…遺伝子の「ネットワーク」が持つ凄すぎる「機能」（中井 謙太）

270種類、37兆個ともいわれる、人間の体を構成する細胞。細胞の核のなかには23対の染色体があり、DNA（デオキシリボ核酸）はその染色体のなかに収納されています。 膨大な量の遺伝情報が書き込まれたDNAの影響によって、私たちは、たとえば両親と顔が似ていたり、特定の病気にかかりやすくなったりします。いわば、DNAは生命の設計図ともいえるでしょう。 生命現象や生命機能を理解するために、遺伝子やたんぱく質の個別の働きではなく、 それらがどのように協力しあっているのかが、重要だといいます。昨今研究の進んでいるシステム生物学の世界をのぞいてみましょう！ ＊本記事は『新しいゲノムの教科書――DNAから探る最新・生命科学入門』を一部再編集の上、紹介しています。 体内でのタンパク質の多様なはたらき ヒトゲノムにはおよそ2万のタンパク質遺伝子が、コードされている（特定の遺伝子の塩基配列にしたがって、特定のタ