『この世界の片隅に』そしてさらにその片隅に - 法華狼の日記

以前に、『原爆文学という問題領域』という川口隆行広島大学准教授の著作を読んだことがある。原爆をモチーフにした様々な表現を評し、それが受容された過程や原爆観の変化も論じ、表現を脱政治化しようとする欲望へ警鐘を鳴らす内容だった。 こうの史代『夕凪の街 桜の国』に対しては、復興の手が届かない被爆者を中心的に描きながら在日朝鮮人被爆者の存在が回避されており、おかげで２ちゃんねるをふくむ広い範囲で高評価されたのではないか、という指摘が印象に残った。しかし、現実を切り取る表現において全てを描き切ることは不可能だという留意もされており、全体的には高評価していると感じた。 しかし読み進めていくと、こうの史代氏がファンクラブの掲示板で残念な発言をしていたことも知った。その内容は川口准教授のブログでも批判されている。 http://ameblo.jp/kawataka/entry-10004305360.ht

[kowyoshi]

アニメで終戦のラジオ放送のあと、太極旗が小さくパサッとひるがえるシーンがあるのだが、自称普通の日本人が「朝鮮進駐軍ガー」と吠えていたのを見て絶望的な気持ちになったわ

[haruhiwai18]

"「暴力で従えとったいうことか」…と吐露する主人公の台詞を、「…日本に暮らしながらこの国を好きでない人がいる、という事」という作者の言葉に重ねることは難しくない。"　→これが八紘一宇のなれの果て(こなみ

[jimusiosaka]

映画の絵コンテを読むと、「暴力で従えとったいうことか」の台詞が、主人公たちの日常が植民地から奪ったものによって成り立っていたことをより具体的に示した台詞に変更されており、映画への期待が高まっています。

[taimatu]

玉音放送の後のすずさんのセリフは、映画のなかで唯一しっくりこなかった。それまで庶民的だったのが突然に理屈っぽくなった違和感。外部からの批判の声を作者が取り入れたことで、キャラ造形にブレが生じたのだろう

[maturi]

一ノ瀬俊也氏の感想/コメントが読みたいですね

[nanamino]

少なくとも、『はだしのゲン』には朴さんがいたからなあ

[soylent_green]

こうの史代さんも「谷沢永一か渡辺昇一の発言かと目を疑わずにはいられない」ような発言してたよんという話

[anqmb]

「日本に暮らしながらこの国を好きでない人がいる」という言葉へのきつくも回答を保留する反応には、国家・民族・郷土の関係について整理がついていない、わがネイションのありようを見る。愛せないそれを守れるの？

[ilya]

2011-08-15

[esbee]

玉音放送からすずさんの慟哭と、太極旗のシーンでは価値観の転倒をめまぐるしく行っていて、それまでの流れからとは浮いているようにも思えるのだが、そこでやらなければやれない描写でもあり

[confi]

だんだん本物の左翼によるこの自己憐憫映画への攻撃が始まったな。日本人はただただ自分たちの民族を貶めることのみを許された民族。

[synonymous]

すずさんって「小国民」だよね。

[amamako]

"まあでも、山口氏の文章でいちばん意外だったのは、実は、日本に暮らしながらこの国を好きでない人がいる、という事でした。（投稿者： こうの史代 　投稿日： 9月11日(日)00時57分6秒）"

[ei-gataro]

“粗雑な踏絵”がまかり通りつつある現在だからこそ、こういう意見は大事。